統計から見る孤独死の現状と今後|絶対に行うべき「3つの対策」とは

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統計から見る孤独死の現状と今後|絶対に行うべき「3つの対策」とは

孤独死とは、一般的に「看取る人もなく一人きりで死ぬこと」を指し、近ごろ社会的問題になっているとして、ニュースなどで耳にする機会が多い言葉です。

「孤独死が増えていると言うけれど、本当なのだろうか」
「孤独死が起こると、どんな問題が起こるんだろう」

など、孤独死について様々な疑問を抱かれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

結論から申し上げますと、現状、孤独死件数は年々増加しており、今後も増え続けるとみて間違いありません。

また、処理方法が煩雑なこともあり、孤独死が発生してしまうと、遺された家族や身近な人たちに大きな手間や負担がかかるという問題が生じます。

いつどこで孤独死が発生してもおかしくない時代において、自分自身や大切な家族を孤独死から守るためには、孤独死のことをしっかり理解し、日頃から対策をとっておくことが重要です。

そこで本記事では、「孤独死の定義」と、

  • 様々な統計から見る孤独死の現状と今後
  • 孤独死が発生した場合の実際の処理の流れ
  • 孤独死が発生することによって、遺族にかかる負担

などの「孤独死が孕む様々な問題」について触れたうえで、「絶対に行っておきたい3つの孤独死対策」を徹底解説していきます。

本記事をお読みになれば、孤独死が増え続けている社会の危機的な現状と、孤独死が身近で起こったときの大変さを理解することができると共に、リスクを最小限に減らすために重要な、実践的な孤独死対策の方法を知ることが可能です。

是非参考になさって下さいね。

1.孤独死の定義

まず、孤独死とは具体的にどんな亡くなり方のことを指すのか、「孤独死の定義」について解説しましょう。

冒頭で述べたとおり、孤独死とは一般的に「看取る人もなく一人きりで死ぬこと」であると認識されており、実際、広辞苑にもこのように定義されています。

しかし実は、孤独死という言葉に国が定めた明確な定義は存在せず、以下のように、様々な解釈をされることがあるというのが現状なのです。

各機関による「孤独死の定義の解釈」の違い

UR都市機構「病死又は変死」事故の一態様で、死亡時に単身居住している賃借人が、誰にも看取られることなく、賃貸住宅内で死亡した事故をいい、自殺又は他殺を除く
新宿区二週間毎程度に見守る者がいない、独居又は高齢者のみ世帯の高齢者
鹿児島県65歳以上のひとり暮らしで誰にも看取られずに亡くなり、2日以上経った人

なぜ国による定義が無いのかという理由について、厚生労働省の担当者は「孤独かどうかは個人の内面の問題を含んでおり、孤独死をどのように定義するのかが難しいため」であると述べています。

しかし、「孤独死=こういう亡くなり方である」と国が定義していないということは、すなわち、国による孤独死の全国的な現状調査が行われていないということ。

孤独死の問題は今後ますます深刻化すると思われることから、国が明確に定義づけをし、具体的な現状調査を行ったうえで、積極的な対策を講じるべきであるとの声も上がっています。

2.様々な統計から見る孤独死の現状

国による定義付けがされていないため、全国規模での現状調査が行われていない孤独死。

では、なぜ近年件数が増えていて、問題が深刻化していると断言できるのか。

その根拠は、一部の地方自治体や企業などが、独自に孤独死の定義を決めて行っている統計調査の結果にあります。

  • 孤独死件数はどれくらい増加しているのか
  • 孤独死するのはいくつくらいの年齢の人が多いのか
  • 孤独死した人の死因は何が多いのか

色々な統計の結果をチェックすると、上記のような「孤独死の現状」を詳細に把握することが可能。

これから、こういった孤独死の現状について、各統計の結果に基づいて具体的に解説していきます。

2-1.孤独死件数の増加率

まずは、孤独死件数はどれくらい増加しているのか、「孤独死件数の増加率」について見てみましょう。

これを把握するためには、東京都特別区(23区)内で不自然な死を迎えた遺体の行政解剖を行っている「東京都監察医務院」が、「東京都特別区内において自宅住居で亡くなった単身世帯の者」の数を調査した統計結果が大変参考になります。

参考:東京都監察医務院で取り扱った自宅住居で亡くなった単身世帯の者の統計

孤独死(ここでは「自宅住居で亡くなった単身世帯の方」という定義)の年間件数が、2003年は4849件だったのに対し、2019年は8433件となっていることから、この16年間で約1.7倍にも増えているということが読み取れます。

また、東京都特別区内だけでも、これだけ多くの方が孤独死されているという事実は、驚愕に値するものと言えるのではないでしょうか。

2-2.孤独死の年齢別人数

続いて、孤独死するのはいくつくらいの年齢の人が多いのか、「孤独死の年齢別人数」について見てみましょう。

これを把握するためには、「大阪府警」が、「2019年、大阪府内で誰にも看取られないまま屋内で死亡し、2日以上経ってから発見された人」の年齢別人数を調査した統計結果が大変参考になります。

参考:朝日新聞2020年2月7日朝刊

この統計から、孤独死(ここでは「誰にも看取られないまま屋内で死亡し、2日以上経ってから発見された方」という定義)は60代以上の高齢者に起こりやすいということが読み取れますが、同時に、総発生件数の20%を50代以下の若い世代が占めていることも判明。

孤独死する人の5人に1人が50代以下であると考えると、孤独死は、若い世代の方にとっても、決して他人事ではないと言えるのではないでしょうか。

2-3.孤独死の死因別人数

そして、孤独死した人の死因は何が多いのか、「孤独死の死因別人数」について見てみましょう。

これを把握するためには、「一般社団法人日本少額短期保険協会」が、「2015年4月~2021年3月の間に、自宅内で死亡した事実が死後判明に至った1人暮らしの人」の死因別人数を調査した統計結果が大変参考になります。

参考:第6回孤独死現状レポート

孤独死(ここでは「自宅内で死亡した事実が死後判明に至った1人暮らしの方」という定義)した人の22.2%が「死因不明」となっていることが読み取れますが、実際は、断言できないために不明となっているだけで、そのほとんどが病気に起因した死亡であると考えられています。

これを加味すると、孤独死の死因の大半は病死。

病気は人を選びませんので、孤独死は誰にでも起こり得るのだということが分かります。

【POINT】

これ以降、本記事においては原則的に広辞苑に倣い、孤独死という言葉を「看取る人もなく一人きりで亡くなった場合」と定義して使用します。

3.「孤独死は今後も増加する」と断言できる根拠

先にご紹介した3つの統計から、

  • 孤独死数は年々増加しており、その発生件数は16年前と比べて1.7倍にも及んでいること
  • 孤独死は高齢者に起こりやすいが、若い世代においても発生しており、孤独死した人の5人に1人は50代以下であること
  • 孤独死の死因は病死が大半であるため、誰にでも起こり得ること

といった、孤独死の現状を読み取ることができました。

では今後はどうなのでしょうか。

結論を申し上げますと、冒頭でも述べたとおり、孤独死は今後も増え続け、社会的により深刻な問題になるとみてまず間違いありません。

それには3つの大きな根拠があるので、1つずつご紹介していきます。

3-1.高齢化の進行

孤独死が今後も増加するであろう根拠、1つ目は「高齢化の進行」です。

日本では少子高齢化が進行しており、高齢者人口が年々増加しているというのは周知の事実。

なんと、高齢者人口は今後も増え続け、下記の図のとおり、2040年には4000万人に迫ると見込まれているのです。

出典:総務省統計局

先に述べたとおり、孤独死は高齢者に発生しやすいことから、高齢者数が増えるということは、今後ますます孤独死が増えていく要因の1つになると言えます。

3-2.生涯未婚率の増加

孤独死が今後も増加するであろう根拠、2つ目は「生涯未婚率の増加」です。

女性の社会進出や、家庭を持つことへの経済的不安など、様々な理由により、ここ20年ほどの間に生涯未婚率が急増しています。

下記の図のとおり、2015年の時点で、

  • 男性の生涯未婚率=23.37%
  • 女性の生涯未婚率=14.06%

となっており、このままいくと、2030年には男性の3人に1人、女性の4人に1人が生涯未婚者になるという予測も出てきているほどなのです。

参考:人口統計資料集(2017改訂版)

孤独死はその性質上、独り暮らしの人に起こりやすいということは明白。

生涯未婚率が増加し、独りで生活する人の数が増えることは、孤独死の増加に直結すると言えます。

3-3.地域のつながりの希薄化

そして、孤独死が今後も増加するであろう根拠、3つ目は「地域のつながりの希薄化」です。

日本には古くから、「親しく交際しているご近所さん」という意味が込められた「向こう三軒両隣」という言葉があります。

これは、自宅の向かい側や両隣にある家と親密な交際があった、かつての日本文化の象徴ともいえる言葉です。

しかし、「隣に誰が済んでいるか知らない」といった声すら聞かれる現代の日本が、「向こう三軒両隣」が当たり前だったかつての日本と大きく異なるのは明白な事実。

現に、2015年度に実施された下記の統計調査からは、

  • 地域の人と「よく付き合っている」と答えた人は、全回答者の16.9%にとどまること
  • 「あまり付き合っていない」「全く付き合っていない」と答えた人が、全回答者の32.1%にのぼること
  • 若い世代ほど地域付き合いが希薄で、20代で「よく付き合っている」と答えた人は、わずか5.8%しかいないこと

など、地域のつながりが希薄化している現状を読み取ることができます。

出典:平成27年度世論調査

近所付き合いが少なくなるということは、自分に何か異変があったとき、気付いてくれる可能性のある人が減るということ。

地域のつながりの希薄化は、今後も孤独死増加の一因となっていくでしょう。

4.孤独死が発生した場合の基本的な処理の流れ

このように、今後ますます増加していくであろう孤独死。

高齢者だけでなく若者にも起こり得ることから、日本の現代社会は既に「いつ自分の周りで孤独死が起こってもおかしくない時代」に突入していると言っても過言ではありません。

「万が一、身近で孤独死が発生したら、どう対応すれば良いんだろう?」

そんな疑問を解決するため、親族が孤独死したと仮定して、孤独死発生後の基本的な処理の流れを確認してみましょう。

処理の大まかな流れは上記のとおり。

これから、各工程について、詳細に解説していきます。

4-1.【発見者】警察に連絡

「独り暮らしの親族と連絡が取れないことを不審に思い、家を訪れたら、親族が室内で亡くなっているのを発見した」

このような経緯で自分が孤独死の第一発見者となった場合、まずは警察に連絡を入れます。

但し、亡くなっているか否か、一目で判断出来ない場合には救急車を呼びましょう。

必要があれば、救急隊の方が警察に連絡してくれます。

事件性があった場合にトラブルになることを避けるため、警察が到着するまでは、室内にあるものに一切触れないようにするのが賢明です。

4-2.【警察】捜査開始/【遺族】身元確認

警察が到着すると捜査が開始され、

  • 事件性の有無の確認
  • 遺体の身元調査

などが行われます。

遺体の身元が判明すると、血縁の近い遺族へ順番に連絡が入るので、自分が発見者で無い場合、このタイミングで親族が孤独死した事実を知ることになるでしょう。

事件性が無いことや死因が判明するまで、遺体は地域の警察署で保管されるため、遺族は警察署に足を運んで遺体と対面し、身元確認を行います。

【POINT】

故人に持病があり、その持病が原因で亡くなったことが明らかである場合など、例外的に遺体が警察署で保管されないケースもあります。

また、遺体の身元確認のため、警察へ出向く際の具体的な注意点を知りたい方は「身内の遺体が警察に?!孤独死の連絡がきた後の流れとやるべきこと」の記事をご参照下さい。

4-3.【警察】捜査継続/【遺族】火葬方法及び特殊清掃業者の検討

警察の捜査は、事件性が無いことや死因が判明するまで続きます。

捜査はすぐ終わることもありますが、孤独死の場合、数日~1ヵ月程度の期間がかかってしまう可能性も。

捜査が終わらないと、遺族は遺体の引き取りを行うことも、現場へ入室することもできないため、次の処理に進むことができません。

そこで、この時間を活用し、

  • 遺体の火葬方法
  • 特殊清掃業者に依頼するか否か

という2つの事柄について検討しておくと効率的です。

4-3-1.遺体の火葬方法

まずは、遺体の火葬方法について検討しましょう。

孤独死の遺体の火葬する方法には、

  • 喪主を決め、通常どおり葬儀を行う方法
  • 遺体の引き取り後すぐに現地の公共火葬施設で火葬する方法

の2つがありますが、多くのケースにおいて、後者の「現地の公共火葬施設で火葬する方法」が選ばれています。

  • 特に遺体発見までに時間がかかり、遺体の損傷が激しい場合、衛生面の観点からもすぐに火葬することが推奨されている
  • 遺体のまま霊柩車に乗せて帰郷させるよりも、火葬して遺骨の状態で帰郷させた方が、運送費用が安く済む

というのがその理由です。

通常どおりの葬儀で故人を送り出してあげたい希望がある場合には、孤独死遺体を受け入れてくれる葬儀社を探しておく必要があります。

葬儀社側と相談し、状況に応じた葬儀の流れを決めておくと良いでしょう。

4-3-2.特殊清掃業者に依頼するか否か

そして、火葬方法と平行して検討しておくべきなのが、特殊清掃業者に依頼するか否かということです。

特殊清掃業者とは、孤独死の現場やゴミ屋敷など、通常の清掃では片付けられない部屋を、人が再度住める状態にまで清掃してくれる業者のこと。

遺体発見までに時間がかかって、遺体が激しく損傷したことで、

  • 現場に体液や血液が飛び散って、悪臭が充満している
  • 悪臭に引き寄せられ、害獣や害虫が大量発生している

などといったケースにおいては、現場を素人が清掃することはまず不可能ですので、必ず特殊清掃業者に依頼をする必要があります。

また、特殊清掃業者は、

  • 故人が亡くなっていた場所など、現場の一部をピンポイントで清掃して欲しい
  • 故人の所有物が多いため、遺品整理を代行して欲しい

などの依頼にも対応してくれるので、比較的早く遺体を発見でき、現場の状況がそこまで凄惨でないケースにおいても、利用する方が多いです。

現場の状況と照らし合わせ、特殊清掃業者へ依頼するか否かを判断し、依頼する場合には、業者を選定して連絡を取っておきましょう。

そうすれば、警察の捜査終了後、すぐに作業に入ってもらうことができます。

【POINT】

特殊清掃業者も様々なので、信頼できる業者を選ぶことが大変重要です。

信頼できる業者の選び方については、「9-3.信頼できる特殊清掃業者を選定する」にてご紹介しますので、あわせてご参照下さい。

4-4.【警察】捜査終了/【遺族】火葬・清掃・遺品整理

警察の捜査が終了し、遺体の引き取り及び現場への入室が叶ったら、先に決めておいた方法で、速やかに遺体の火葬を行い、清掃・遺品整理に着手します。

ここで特に注意したいポイントは、遺体の腐敗が進んでいて、現場に悪臭が充満していたり、害虫・害獣が発生していたりした場合、特殊清掃業者による現場の清掃作業は早急に行ってもらう必要があるということ。

これは、放置をすると部屋の外にまで臭いが漏れ出すなどし、近隣住民にまで迷惑がかかってしまうためです。

【POINT】

遺品整理について、例外的に、遺品整理に着手しない方が良いケースがあります。

それは、「故人の財産を相続放棄したいと考えている場合」です。

遺品整理をしてしまうと「相続を承認した」と認識されてしまうため、そのような場合には、故人の遺品に手を付けないでおきましょう。

詳細は「9-2-2.相続放棄」にて解説しますので、あわせてご参照下さい。

5.孤独死遺族にのしかかる3つの負担

孤独死が発生した場合の基本的な処理の流れをご覧いただきましたが、一連の流れから、「孤独死は通常の亡くなり方と異なることもあり、発生すると大変面倒なことになる」ということをお分かりいただけたのではないでしょうか。

実際、身内に孤独死が発生した場合、遺族には、以下のような3つの大きな負担がかかります。

具体的どのような負担がかかるのか、1つ1つ詳細にご紹介しましょう。

5-1.精神的負担

1つ目は「精神的負担」です。

遺族は、身近な人を独り寂しく死なせてしまったことに対し深い悲しみを抱くと共に、「こうなる前に何かできたのではないか」という後悔に苛まれることになります。

また、発見までに時間がかかり、腐敗してしまった遺体と対面した場合のショックは計り知れません。

そして、遺体の腐敗が進んでいるということは、同時に現場の状況も凄惨なものになっているということ。

体液や血液が飛び散り、ウジ・ハエ・ネズミといった害虫や害獣が大量発生し、「世界一の悪臭」とも言われる腐敗臭が充満した現場は、言葉では言い表せないほど衝撃的なものです。

残念ながら、こういったショックがきっかけで、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になってしまい、長期に亘って辛い症状に悩まされている遺族もいます。

5-2.時間的負担

2つ目は「時間的負担」です。

警察に足を運んで遺体の身元確認をしたり、火葬や特殊清掃の手配をしたり、遺品整理をしたり…。

孤独死が発生すると様々な処理を行う必要が出てくるため、遺族はそれに多くの時間を割くことを余儀なくされます。

特に孤独死現場と遺族の住まいが遠く離れている場合は大変です。

中には、各種対応を行うため、遺族が孤独死現場周辺のホテルなどに長期間泊まりこまざるを得なかったというケースも見受けられます。

5-3.金銭的負担

そして3つ目は「金銭的負担」です。

  • 警察における処理費用(検死費用・行政解剖料・遺体保管料・死体検案書発行料など)
  • 葬儀費用
  • 宿泊代(遺族が遠方に住んでいる場合)
  • 特殊清掃料

など、孤独死における各種処理費用は、原則として遺族負担。

特に、業者に依頼した場合の特殊清掃料は高くつきがちで、平均的に見ても、

  • 原状回復費→約38万1000円
  • 残置物処理費→約22万円

程度の費用がかかってきます(参考:第5回孤独死現状レポート)。

深い悲しみの中、遺族は高額な出費まで強いられることになってしまうのです。

【POINT】

特殊清掃料は、内容や部屋の広さ等によって大幅に変動します。

より具体的な相場等を知りたい方は、「孤独死の特殊清掃費用はいくらかかる?相場や場所・作業別費用を解説」の記事をご参照下さい。

6.実践しておくべき3つの孤独死対策

発生すると、遺族に大きな負担をかけることになる孤独死。

このような現実を知ることで、「孤独死について、しっかり対策をしておかなければ…。」という考えに至る方も多いのではないでしょうか。

結論から申し上げますと、孤独死対策は、以下のとおり、全部で3種類あります。

実践すべき孤独死対策対策内容
①孤独死の発生を防ぐための対策「独りにならないよう、周りの人と定期的に連絡を取る環境を作ること」が重要

【具体的な対策内容】
● 見守りアプリや見守り家電を導入する
● 自治体サービスや民間サービスを利用する
● 老人ホームへの入所を検討する
②「自分の孤独死」に備える対策「遺族や周りの人の負担をなるべく減らすための対策をすること」が重要

【具体的な対策内容】
● 早期発見してもらえるようにする
● 所有財産を一覧化しておく
● 各種保険に加入しておく
③「身内の孤独死」に備える対策「孤独死発生後、迅速かつ適切に行動するため、何をすればよいかを知っておくこと」が重要

【具体的な対策内容】
● 孤独死の基本的な処理の流れを理解しておく
● 「引き取り拒否」「相続放棄」という選択肢があることも認識しておく
● 信頼できる特殊清掃業者を選定する

「孤独死対策=孤独死の発生を防ぐための対策」とイメージされる方もいるでしょう。

実際、孤独死の発生を防ぐ対策は重要ですが、孤独死を100%防ぐことはまず不可能と言わざるを得ません。

先に述べたとおり、孤独死で最も多い死因は「病死」であり、病気はいつ誰の身に降りかかってもおかしくないものである、というのがその理由。

一例ですが、同居家族がいる方であっても、同居家族の長期出張中に急死する可能性もあり、そういった可能性を完全に排除するのは不可能であるという訳です。

よって、上記一覧のとおり、「孤独死の発生を防ぐための対策」以外にも、「万が一、自分が孤独死した場合に備える対策」と、「万が一、身内が孤独死した場合に備える対策」を実践しておくことが極めて重要と言えます。

これから、これら「3つの孤独死対策」の具体的な方法を、1つずつ詳細に確認していきましょう。

7.【孤独死対策①】孤独死の発生を防ぐための対策

1つ目にご紹介するのは、「孤独死の発生を防ぐための対策」です。

特に独り暮らしの方に必要な対策で、「独りにならないよう、周りの人と定期的に連絡を取る環境を作ること」が重要になります。

上記のとおり、具体的な対策方法が3つあるので、ご紹介しましょう。

7-1.見守りアプリや見守り家電を導入する

「独り暮らしだけど、離れて暮らす家族を頼ることができる」という方は、その家族と定期的に連絡を取り合うようにする他、見守りアプリや見守り家電を導入すると便利です。

7-1-1.見守りアプリ

「見守りアプリ」は、スマートフォンのアプリを活用した見守りサービス。

見守りアプリを活用すると、以下のような見守りができるようになります。

見守りアプリでできることの例

位置情報の共有GPSによって、家族に自分がいる場所をリアルタイムで知らせることができる。
内蔵カメラで 自宅の様子を確認アプリに搭載されたカメラを通じて、離れたところに暮らす家族に自分の家の中を見せることができる。
ボタン1つで 安否確認定期的にアプリのボタンを押すことで、家族に生存していることを知らせることができる。

上記の機能はあくまで一例であり、選んだアプリによって異なるため、自分に合ったアプリを探しましょう。

7-1-2.見守り家電

見守りアプリは便利ですが、スマートフォンを常に持ち歩く必要があります。

スマートフォンを持ち歩く習慣が無い方や、見守りアプリだと常に監視されているようで嫌だという方は、以下のような「見守り家電」を導入するのがおすすめです。

見守り家電の例

スマートLED電球人の動きを検知して自動で点灯する電球が、動きの回数等を家族に通知してくれる。
スマートセンサードアや窓に取り付けると、開閉したタイミングごとに家族へ通知がいく。
見守り冷蔵庫冷蔵庫の開閉回数が家族に通知される。

このように、家電の使用状況が家族に通知されるため、「あれ、今日は朝から冷蔵庫を一度も開け閉めしてないみたいだな…」などといった具合に、家族側が異変に気付きやすくなります。

7-2.自治体サービスや民間サービスを利用する

「見守りを頼める家族がいない」という方は、自治体や民間が展開しているサービスを活用しましょう。

自治体・民間サービスの例

緊急ボタン貸出サービス体調に異変が起こったときなどに、貸し出された緊急ボタンを軽く握るだけで、専任スタッフに知らせがいくサービス。
スマートセンサーサービストイレや玄関などに取り付けたセンサーで、居住者の動きを検知し、異変が検知されるとメールで連絡がいくサービス。
オート連絡サービス自動音声による電話や、自動送信のメールが毎日届き、それに回答することで、相手に状況を伝えるサービス。

上記以外にも、配食サービスや家庭ごみの訪問収集サービスなど、様々なサービスが展開されています。

民間サービスは原則有料ですが、自治体が運営しているサービスはその多くが無料で活用できますので、どんなサービスがあるか、お住まいの自治体に確認してみるのがおすすめです。

7-3.老人ホームへの入所を検討する

また、一定以上の年齢の方限定の対策ですが、老人ホームへの入所を検討するというのも極めて有効。

多くの老人ホームでは、スタッフによる見回りや入居者同士の交流が行われているため、独りになる機会が各段に減少します。

安否確認システムも充実しているため、孤独死の発生を最大限防止することが可能です。

【POINT】

・孤独死の発生を防ぐための対策について、もっとたくさん知りたいという方
→「孤独死の対策とは?防ぐために本人と周りができることと実状を解説

・老人ホームの種類や選び方について、詳しく知りたいという方
→「孤独死対策で老人ホームはアリ?効果的な理由と選び方を解説

上記記事を、それぞれあわせてご参照下さい。

8.【孤独死対策②】「自分の孤独死」に備える対策

2つ目にご紹介するのは、「万が一、自分が孤独死した場合に備える対策」です。

これには、「遺族や周りの人の負担をなるべく減らすための対策をすること」が重要になります。

上記のとおり、具体的な対策方法が3つあるので、ご紹介しましょう。

8-1.早期発見してもらえるようにする

孤独死が発生した場合、発見までに時間がかかるほど処理が大変になります。

先にも述べたとおり、遺体発見までに時間がかかると、遺体が腐敗し、

  • 現場に体液や血液が飛び散って、悪臭が充満する
  • 悪臭に引き寄せられ、害獣や害虫が大量発生する

など、現場が激しく汚染されるためです。

これを防ぐためには、万が一異変が起こったときに早期発見してもらえるように対策しておくことが何より重要。

しかしながら、実際には、孤独死した後かなりの日数が経過してから発見される人が多いというのが現状なのです。

「大阪府警」が、「2019年、大阪府内で誰にも看取られないまま屋内で死亡し、2日以上経ってから発見された人」について調査した死後経過日数の統計をご覧下さい。

なんと、孤独死された方の半数以上が、死後7日以上経過してから発見されているということが読み取れます。

遺族や周りの人々の処理の負担を減らすため、異変が起こった時に早期発見してもらえるようにするには、「7.【孤独死対策①】孤独死の発生を防ぐための対策」でご紹介したような方法で、周りの人と定期的に連絡を取り合う環境を作っておくことが有効です。

8-2.所有財産を一覧化しておく

人が亡くなると、遺族は故人の財産を調査しなければなりません。

  • 遺産分割をスムーズに行う必要があること
  • 相続税を正確に申告する必要があること
  • 故人に借金がある場合、それも把握しておく必要があること

などがその理由です。

しかし、財産調査はかなり骨が折れる作業。

というのも、どこかに問い合わせれば全てを把握できるということが無く、以下のように、財産ごとに調査を行う必要があるためで、依頼料を払い、財産調査を弁護士などの専門家に依頼する遺族も多くいるのが現状なのです。

故人の財産調査を行う方法

預金・証券キャッシュカードや通帳、金融機関からの郵便物など、手掛かりになるものを全て探し出し、金融機関ごとに問い合わせを行う。
なお、故人の預金は金融機関によって凍結されるので、引き出すには全相続人の同意が必要。
不動産権利証や固定資産税の納税通知書を探し、不動産の所在地(自治体)を確認したら、自治体ごとに名寄帳(自治体にある不動産を所有者ごとにまとめた台帳)を取得する。
全ての所有不動産を明らかにしたら、登記事項証明書を取り寄せる。
借金契約書や消費者金融からの郵便物を探したり、信用情報機関に照会をかけたりして確認する。
故人が何らかの契約の連帯保証人になっていないかという点も確認が必要(連帯保証人の立場も相続人に引き継がれるため)。

遺族にこのような苦労をかけないためには、誰が見ても分かるように所有財産を一覧化しておくことが重要。

近年流行りのエンディングノートなどを活用するのもおすすめですよ。

【POINT】

「自分の死後、財産をどこかに寄付したい」「特定の人に財産を相続したい」などの希望がある方は、遺言書や公正証書遺言を作成しておくようにしましょう。

8-3.各種保険に加入しておく

先に述べたとおり、孤独死が発生すると、遺族は

  • 警察における処理費用(検死費用・行政解剖料・遺体保管料・死体検案書発行料など)
  • 葬儀費用
  • 宿泊代(遺族が遠方に住んでいる場合)
  • 特殊清掃料

など、金銭的な負担をしなければなりません。

そこで、以下のような各種保険に加入し、自分の死後、遺族にお金が入るように手配しておくことも、1つの対策としておすすめです。

遺族にお金を遺せる保険

生命保険(死亡保険)被保険者が死亡したときに、指定した受取人に対し、まとまった保険金が支払われる保険。
葬儀保険(終活保険)「被保険者が死亡したときに、指定した受取人に対し保険金が支払われる保険」であるという点では生命保険と同じだが、生命保険より支払われる保険金が少ない分(葬儀代を賄う程度)、月々の保険料が安く済み、審査が緩いため、持病がある人や高齢者でも入りやすいのが特徴。
保険金は、葬儀代以外の用途に充てても良い。
孤独死保険被保険者が孤独死した際に、「残置物処理(遺品整理)費用」「原状回復費用」の2つを補償してくれる保険。
主に賃貸物件の入居者向けの商品が多く、一般的には入居時に加入する家財保険のオプションとして位置づけられている。

但し、これらの保険に加入していても、自分に万が一のことが起きたとき、その事実を遺族が知らないと全く意味がありません。

保険金は、遺族(受取人)が手続きをして初めて支払われるものだからです。

● 保険に加入していることを、あらかじめ遺族に伝えておく
● 預金など、他の財産と併せて一覧化しておく

など、しっかり対策しておくようにしましょう。

【POINT】

孤独死保険には、前述した「賃貸物件の入居者向けの商品」の他、保険料を大家や管理会社が負担する「賃貸物件の家主向けの商品」があります。

具体的にどう違うかなど、孤独死保険について更に詳しく知りたい方は「孤独死保険とは?メリット・家主型と入居者型の違い・選び方を解説」の記事をご参照下さい。

9.【孤独死対策③】「身内の孤独死」に備える対策

そして、3つ目にご紹介するのは、「万が一、身内が孤独死した場合に備える対策」です。

これには、「孤独死が起こってしまった後、迅速かつ適切に行動するため、何をすればよいかを知っておくこと」が重要になります。

上記のとおり、具体的な対策方法が3つあるので、ご紹介しましょう。

9-1.孤独死の基本的な処理の流れを理解しておく

まずは、慌てずに対応できるよう、孤独死が発生してしまった後、どのような流れで処理をしていくことになるのか、基本的な流れを頭に入れておきましょう。

これについては「4.孤独死が発生した場合の基本的な処理の流れ」にて詳しくご紹介しておりますので、そちらをご参照下さい。

9-2.「引き取り拒否」「相続放棄」という選択肢があることも認識しておく

一口に身内と言っても、親しい人や良い人ばかりではありません。

「ほとんど会ったことの無い身内だから、遺体の引き取りはしたくないな…」
「ギャンブラーで借金ばかりしていた身内だから、財産の相続はしたくないな…」

このような場合、遺体の「引き取り拒否」や、財産の「相続放棄」という選択肢もあることを、認識しておきましょう。

9-2-1.引き取り拒否

孤独死した身内の遺体は引き取るのが道義的ですが、引き取らなければいけないという法的な規定はありません。

よって、

  • 故人と疎遠だった
  • 故人との関係が悪かった

などの理由で、感情的に遺体を引き取りたくないという場合、「引き取り拒否」という選択をすることも可能です。

引き取り拒否をしたい場合、警察にその旨を伝えればOK。

他の引き取り手もいない場合、故人は行旅死亡人(身元不明の遺体のこと)として、自治体によって直葬され、遺骨は無縁仏として合祀墓に納められる決まりとなっています。

ここで注意しなければならないのは、遺体の「引き取り拒否」と、財産の「相続放棄」は全くの別物であるということ。

相続放棄を希望する場合は、別途、この後ご紹介する手続きを行う必要があります。

9-2-2.相続放棄

人が亡くなると、故人の財産は自動的に相続人が相続することになる訳ですが、プラスの財産だけでなくマイナスの財産まで引き継がれてしまう点がデメリット。

よって、

  • 故人に、財産以上の借金があることを知っていた場合
  • 財産調査をした結果、故人に多額の借金があることが判明した場合

などには、全財産を相続しないという選択をする方が多く、この手続きのことを「相続放棄」と呼びます。

相続放棄を希望する場合、注意しなければならないことは、

  • 遺品整理に着手しないこと
  • 死亡日から3ヵ月以内に、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所へ相続放棄の申し立てを行うこと

の2つです。

特に「遺品整理に着手しないこと」は、かなり重要。

なぜなら法律上、「相続人が相続財産の全部または一部を処分したとき、(相続を)単純承認したものとみなす」と定められているからです。

これは即ち、遺品整理を行う中で、故人の財産を処分してしまう=故人の財産を自分のものとして扱っているとみなされてしまい、相続を承認したことになってしまうということ。

しかし、例えば孤独死現場の汚染が酷く、遺品整理を含む清掃を早急に行わないと近隣に迷惑がかかる等、特定の事情がある場合には、必要に応じて財産を処分することが認められることもあります。

そういった場合には、弁護士などに相談しながら適切に作業を進めていくことがおすすめです。

【POINT】

引き取り拒否や相続放棄について、より詳しく知りたいという方は「親族の孤独死で引き取り拒否はできるのか|葬儀までの流れと手続きを解説」の記事をご参照下さい。

9-3.信頼できる特殊清掃業者を選定する

そして、最も重要と言えるのが、特殊清掃業者に依頼する必要性が生じた場合に、信頼できる特殊清掃業者を選定するということです。

特殊清掃業者も様々なので、技術力が不足しているところ選んでしまうと、「遺体の腐敗臭が残ってしまった…」などのトラブルに繋がりかねません。

信頼できる特殊清掃業者の主な条件は、以下の4つです。

信頼できる特殊清掃業者の4つの条件

豊富な実績部屋の間取りや現場の状況によって必要な作業が異なる中で、その場に応じた「適切な判断」をするためには、豊富な実績と経験が不可欠。
資格の所有特殊清掃は無資格でも従事できるが、「脱臭マイスター」「孤独死消臭マイスター」などの資格を有したスタッフがいる業者は信ぴょう性が高い。
また床や壁などを解体する必要が生じた場合にきっちり作業してもらうため、解体業登録されている業者を選ぶのも重要。
丁寧な対応初回問い合わせ時や見積もり作成時、依頼者の不安や疑問に対し、1つ1つ丁寧に回答してくれる業者は信頼できる。
見積もりの妥当性安いと思って依頼したのに、後から高額な追加費用を請求されたなどのトラブルに巻き込まれないよう、「見積もりに必要な作業内容がしっかり盛り込まれていて、料金が妥当な業者」を選ぶのがおすすめ。

選んだ特殊清掃業者によって、作業のクオリティが大幅に変わってきますので、全ての条件に当てはまる業者かどうか、しっかり確認したうえで依頼をするようにしましょう。

「そうは言っても、これらの条件を満たす業者を探すのってすごく大変…。」

そんな方は、弊社リスクベネフィットにお任せ下さい!

リスクベネフィットは、上記4つの条件をしっかり満たす特殊清掃業者。

特殊清掃業者のパイオニアとしての実績と、特許をも取得している唯一無二の技術を基に、どんな現場においても適切かつ丁寧に、そして、適正価格にて対応させていただくことをお約束します!

10.まとめ

本記事の内容をまとめます。

孤独死とは、一般的に「看取る人もなく一人きりで死ぬこと」であると認識されていることが多いですが、実は、国による明確な定義は存在しません。

よって、国による全国規模の現状調査などは行われていないのですが、一部の地方自治体や企業が、独自に孤独死の定義を決めて統計調査を行っています。

それらの結果を見てみると、

  • 孤独死の発生件数は、年々増加していること
  • 高齢者に発生しやすいが、若い世代においても発生していること
  • 孤独死の死因は病死が多いため、誰にでも起こり得ること

という、大変深刻な孤独死の現状を読み取ることが可能。

更に、

  • 高齢化の進行
  • 生涯未婚率の増加
  • 地域のつながりの希薄化

という社会的要因により、孤独死は今後ますます増加していくと予想されているのです。

つまり、現代社会は「自分の周りでいつ孤独死が起こってもおかしくない社会」であると言える訳ですが、孤独死が発生してしまうと、遺族は、

  • 精神的負担
  • 時間的負担
  • 金銭的負担

という3つの大きな負担を背負わざるを得なくなります。

孤独死の発生を防ぐため、そして、万が一孤独死が起こった場合に遺族の負担を最小限に抑えるためには、以下の「3つの孤独死対策」を実践しておくことが極めて重要です。

実践すべき孤独死対策対策内容
①孤独死の発生を防ぐための対策「独りにならないよう、周りの人と定期的に連絡を取る環境を作ること」が重要

【具体的な対策内容】
● 見守りアプリや見守り家電を導入する
● 自治体サービスや民間サービスを利用する
● 老人ホームへの入所を検討する
②「自分の孤独死」に備える対策「遺族や周りの人の負担をなるべく減らすための対策をすること」が重要

【具体的な対策内容】
● 早期発見してもらえるようにする
● 所有財産を一覧化しておく
● 各種保険に加入しておく
③「身内の孤独死」に備える対策「孤独死発生後、迅速かつ適切に行動するため、何をすればよいかを知っておくこと」が重要

【具体的な対策内容】
● 孤独死の基本的な処理の流れを理解しておく
● 「引き取り拒否」「相続放棄」という選択肢があることも認識しておく
● 信頼できる特殊清掃業者を選定する

本記事の内容が、皆様のお役に立てば幸いです。