「火事で家が燃えてしまった。この先どうやって暮らしていったら良いのだろう?」
突然の出来事に、ショックで思考停止してしまったとしても無理はありません。
鎮火後は、以下の流れで手続きを行っていきます。落ち着いて、ひとつずつ取り組んでいきましょう。
消防署による火災調査が終わったら、消防署で罹災(りさい)証明書の取得を行います。
罹災証明書を取得すると、今後自治体から受けることができる様々な減免や支援の手続きを行うことができるため、とても重要な手続きです。
罹災証明書の申請が終わったら、加入している保険会社に連絡したり、水道やガスなどのライフライン停止連絡を行います。
もし、解体工事が必要になる場合は、業者の選定も始めていきましょう。
Contents
1. 火災後まず最初に行うこと
火災後は、突然の出来事に冷静でいられる人は少ないでしょう。何から手を付けたらよいのか見当もつかないかもしれません。
鎮火後は、一般的には以下のように手続きを行っていきます。
以下で、ひとつずつ手続きの内容を解説していきます。
1-1. 火災調査の立ち会い
火災が鎮火したら、消防による火災調査が行われます。
どうして火災が起こったのか?聞き取り調査を行ったり、実際に建物に入り火元を確認したりします。また、火災によって死傷者が出たかどうかや、建物にどのような損害が出たのかについても確認します。
火災現場には、火災調査が終了してから立ち入ることができるため、後片付けなどは調査終了後、消防署から許可が出てから行いましょう。
1-2. 罹災証明書の取得
火災調査が終了したら、消防署で罹災証明書を取得しましょう。
罹災証明書とは、火災に遭ったことを証明してくれる書類で、火災現場のごみ処理費用の減免を受けることができたり、火災保険に加入している場合は保険金の申請をすることができます。
罹災証明書の申請は、消火活動に当たってくれた消防署へ出向き、所定の用紙に記入して提出するだけです。印鑑が必要なので忘れずに持参しましょう。もし、本人や親族以外が申請する場合は委任状が必要です。
自治体によって申請書の形式は異なりますが、茨城県鉾田市の申請書は下記のようになっています。
申請後、職員が調査のために火災現場を訪れ、被害の程度を判定したうえで罹災証明書が発行されます。そのため、自治体によって異なりますが、申請から発行までは数日から1週間程度、長い場合は2週間ほどかかる場合もあります。
このように、申請後すぐに罹災証明書が取得できるわけではありません。その後の手続きをスムーズに進めるためにも、罹災証明書の申請は火災調査終了後すぐに行うようにしてください。
1-3. 火災保険会社に連絡
火災保険に加入している場合は、保険金の請求をするために保険会社への連絡を行います。ほとんどの会社で、インターネットもしくは電話から連絡が可能です。
最終的に罹災証明書が必要となるため、取得してから保険会社へ連絡するのがベストですが、罹災証明書の発行まで時間がかかりそうな場合は、先に保険会社へ連絡して、今後の流れについて確認しておくと安心です。
一般的には、保険会社へ連絡後、担当者が現場を訪問・確認し、被害金額を算定したのちに保険金が決定されます。
1-4. ライフラインの停止
電気やガス、水道、固定電話などのライフラインについて、契約している会社に停止連絡を行います。
消防署に通報が入って消火活動が行われた場合は、通常はガス漏れによる爆発を避けるため消防署からガス会社に連絡が入りますが、その場合も電気や水道、固定電話については自分で連絡しなくてはなりません。
また、今後さまざまな証明書やカード類を再発行する際に、郵送で書類が送られてきます。忘れずに郵便局に転送届を出しておきましょう。
1-5. 解体業者の選定と依頼
火災で建物が半焼、あるいは全焼してしまった場合は、解体業者に依頼して解体工事を行うことになります。
業者によって、火災ごみ処理費用が違ったり、工事にかかる時間もまちまちです。そのため、複数の解体業者に見積もり依頼をしてみるのも良いでしょう。
解体工事に関連する手続きや処理、対応などで不明な点があれば、必ず質問してください。その際あいまいな回答をする業者であれば、依頼するのを考え直した方が良いからです。
ちなみに、部分焼失やボヤの場合は解体業者ではなく特殊清掃業者へ依頼します。火災で発生した臭いも、特殊清掃業者であれば消臭が可能です。
近所へのお詫びは出来るだけ早くに行う
火災後はさまざまな手続きで忙しく、気持ちも落ち込んでしまいお詫びどころではないかもしれませんが、出来るだけ早くご近所さんへのお詫びを行いましょう。
火災によって近隣の家や建物に被害が及んでしまった場合、放火などの故意や重大な過失でなければ、法律的には賠償責任は発生しません。
しかし、火が燃え移ってしまった場合はもちろん、幸い実害がなかったとしても、ご近所へ迷惑をかけてしまったことには変わりありません。 火災後、数週間経ってからお詫びに来られても相手は気分を害してしまいます。誠意を見せる意味でも、数日から遅くとも1週間以内にはお詫びに伺いましょう。
2. 火災後に必要な手続き
火災で持ち物や書類を失ってしまった場合、それぞれ再発行の手続きが必要になります。
基本的に、再発行時には本人確認書類が必要となります。
すべての身分証明書類が焼失してしまった場合は、まずは役所で住民票の発行を依頼するなどして、運転免許証などの身分証明書になるものから再発行していくとスムーズに手続きができるでしょう。
身分証明書が再発行されたら、通院の必要がある人は健康保険証など、優先度が高いものから再発行の手続きを行っていきましょう。
以下に、再発行や再交付が必要となる書類・カードを一覧でまとめました。
申請場所 | 再発行が必要な書類やカード類 |
---|---|
役所 | 印鑑登録証や実印保険証(国民健康保険)年金手帳(第1号被保険者)マイナンバーカード |
勤務先 | 保険証(勤務先の健康保険)年金手帳(第2号被保険者) |
年金事務所 | 年金証書年金手帳(第3号被保険者) |
銀行 | 預金通帳やキャッシュカード燃えた現金の引換 |
警察署 | 運転免許証 |
クレジットカード会社 | クレジットカード |
保険会社 | 保険証券 |
それでは、以下で必要書類などについて解説していきます。
2-1. 印鑑登録証や実印の再作成
印鑑登録証や実印を焼失してしまった場合は、まずは印鑑登録の手続きをした役所で抹消手続きを行ってから、再度印鑑登録を行います。
抹消手続きと再登録に必要なもの
- 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど写真付き身分証明書)
- 新しく登録する印鑑
※代理人が手続きする場合
- 委任状
- 代理人の本人確認書類
- 認印
役所に備え付けられている抹消用紙や登録用紙に記入し、必要書類と合わせて窓口に提出しましょう。
2-2. 預金通帳やキャッシュカードの再発行
預金口座を開設した銀行に、預金通帳やキャッシュカード、登録印が焼失した届け出を行います。
たとえば三井住友銀行では、インターネットバンキングの契約者はオンラインで利用停止と再発行の手続きが行える仕組みになっています。
もし、インターネットバンキングを契約していない場合は、ホームページに記されている問い合わせ先に電話して手続きを行ってください。
その後、以下を銀行の窓口に持参することで、印鑑の再登録や預金通帳、キャッシュカードが再発行されます。
再登録に必要なもの
- 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど写真付き身分証明書)
- 新しく登録する印鑑
- 金融機関から送られてきた書類
金融機関によって手続きの方法が異なる可能性がありますので、必ず事前に必要書類などを確認してから窓口に出向いてください。
2-3. 健康保険証の再発行
国民健康保険に加入している場合と、会社の健保組合に加入している場合とでは手続きが異なります。
国民健康保険に加入している場合は、本人または同一世帯の方が、以下を持参して役所の窓口(国民健康保険課など)で再発行の手続きを行います。
国民健康保険証の再発行に必要なもの
- 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど写真付き身分証明書)
- マイナンバーカードもしくは通知カード
- 印鑑
会社の健保組合に加入している場合は、担当者に連絡後、再交付申請書などの書類を提出すると、新しい健康保険証が送られてきます。
火災が理由の場合は再発行手数料がかからない健保組合もあれば、手数料として1000円~1500円程度を支払わなくてはならない健保組合もありますので、所属している組合に確認してください。
2-4. 年金手帳や年金証書の再発行
年金手帳の再発行手続きは、加入している年金により以下のように変わってきます。
年金手帳の再発行を申請する場所
- 居住地の役所窓口:自分で国民年金を納めている自営業者や学生など(第1号被保険者)
- 勤務先の会社:厚生年金に加入している会社員や公務員(第2号被保険者)
- 年金事務所:第2号被保険者に扶養されている人(第3号被保険者)
上記の場所に、本人確認書類と納付書など基礎年金番号のわかるものがあれば持参してください。
年金証書の再発行は、本人確認書類を持参のうえ、管轄の年金事務所に再交付申請書を提出することで行えます。
2-5. 運転免許証の再交付
住所地を管轄している警察署もしくは運転免許試験場で再交付の手続きを行います。
即日再交付してもらいたい場合は、運転免許試験場へ行ってください。警察署での手続きの場合は後日の再交付となり、通常2~3週間程度かかります。
再登録に必要なもの
- 本人確認書類(運転免許証、パスポート、住民票など)
- 印鑑
- 証明写真(タテ3cm×ヨコ2.4cm)1枚
- 手数料2250円
なお、住民票を本人確認書類として利用する場合は、別途健康保険証や預金通帳などから1点提出が必要となる場合があります。
火災ですべて焼失してしまい、ほかに書類を用意できない場合は、事前に警察署に連絡しどう対応すべきか確認することをおすすめします。
2-6. クレジットカードの再発行
クレジットカード会社のカスタマーサポートに電話をして、再発行手続きを行います。
火災が原因でカードが焼失した旨を伝え、手続き方法を確認してください。
一般的には、電話のやり取りで契約者の個人情報(住所や電話番号、生年月日など)を確認し、本人確認が取れれば契約住所に新しいクレジットカードが送られてきます。
2-7. マイナンバーカードの再交付
マイナンバーカードの再交付は、下記を持参のうえ居住地の役所で申請を行ってください。
再交付に必要なもの
- 罹災証明書
- 再交付申請書
- 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- 証明写真(タテ4.5cm×ヨコ3.5cm)1枚
- 手数料1000円
現在、多くの人がマイナンバーカードの申請を行っているため、即日交付はできません。急ぎでマイナンバーが必要な場合は、マイナンバーが記載された住民票の取得を行いましょう。
また、マイナンバーカードではなく個人番号通知書が焼失してしまった場合、再発行はできません。この場合は、マイナンバーカードの新規申請を行うか、マイナンバーが記載された住民票の取得が必要になります。
2-8. 保険証券の再発行
契約している保険会社に連絡し、再発行の手続きを行います。
その際に、本人確認と証券番号の確認が行われますが、火災で契約内容のお知らせなども焼失してしまった場合は、その旨を伝えてください。
保険会社によって細かい手続き方法は異なりますが、一般的には本人確認後、郵送されてきた必要書類に記入して返送すると、保険証券が再発行されます。
2-9. 不動産登記済証の再発行
不動産の登記済証(権利証)は、理由に限らず再発行はできません。平成17年からは登記済証ではなく、12桁の登記識別情報が代わりに発行されるようになりましたが、こちらも再発行はできないことになっています。
登記済証や登記識別情報はとても大切ですが、もし紛失しても登記名義人でなくなるわけではありません。不動産売却の際などは、ほかの方法で本人確認を行いますので、紛失しても問題ありませんので安心してください。
2-10. 燃えた現金の引き換え
火災でお札や硬貨が燃えてしまった場合、もし完全に焼失してしまった場合は残念ながら引き換えはできません。
しかし、お札の一部が残っていたり、硬貨の模様が認識できる場合は銀行で新しいお金に引き換えてもらうことができます。
損傷した現金の引き換え基準
- 面積の3分の2以上が残っているお札:全額として引き換え
- 面積の5分の2以上3分の2未満が残っているお札:半額として引き換え
- 模様の認識ができる硬貨:全額として引き換え
なお、引き換えにあたっては予約が必要ですので、金融機関に事前に連絡をして日時を決めてから出向くようにしましょう。
3. 火災後に受けられる減免や支援の手続き
冒頭で、罹災証明書を取得することで火災保険の申請ができることをお伝えしましたが、ほかにも自治体からさまざまな減免や支援を受けられます。
早く生活を立て直していくためにも、積極的に減免制度や支援制度を利用していきましょう。
3-1. 市営住宅への一時入居の手続き
自治体によっては、火災によって住む所がなくなってしまった場合、公営住宅に一時的に入居できます。たとえば東京都では、3か月間は都営住宅の空き部屋に入居可能です。
火災後に解体工事をして再度家を建て直す場合は、半年から1年は仮の住まいで暮らすことになります。長期にわたるため、滞在できる間は自治体から紹介された市営住宅で暮らしながら、より精神的に安定して生活できる仮住まいを探していくことをお勧めします。
3-2. 見舞金や援護物資の支給
自治体によって金額は異なりますが、火災に遭った人に対してお見舞金が支給される制度があります。たとえば横浜市では、下記のように市や区の社会福祉協議会から災害見舞金や弔慰金が支払われます。
全焼 | 半焼 | 死亡 | 重症 | |
---|---|---|---|---|
横浜市(複数世帯) | 5万円 | 3万円 | 10万円 | 1か月以上入院 3 万円 6か月以上入院 5 万円 |
横浜市(単身世帯) | 3万円 | 2万円 | ||
日赤横浜市 地区本部委員会(複数世帯) | 2.5万円 | 1.5万円 | 5万円 | 1か月以上治療 2 万円 |
日赤横浜市 地区本部委員会(単身世帯) | 1.5万円 | 1万円 | ||
日赤神奈川県支部 | 1万円 | 1万円 | 2万円 | 2週間以上入院 1 万円 |
神奈川県共同募金会 | 1万円 | 5千円 | 1万円 | 5千円 |
日赤地区委員会 | 各区によって異なる | |||
区社会福祉協議会 |
また、住宅が半焼以上の被害を受けた場合、多くの自治体や社会福祉協議会では、日本赤十字社からの援護物資を受け取れます。
たとえば福岡県大牟田市では、タオルや毛布、スプーンやフォーク、リュックサックなどが日本赤十字社から配布されています。
3-3. 生活福祉資金の貸付
低所得者世帯に向けて生活費の貸し付けを行う、生活福祉資金の貸付制度を利用できます。罹災証明書などの必要書類を提出することで、横浜市では10万円を限度として無利子で貸付を行っています。申請にあたり必要な書類は以下の通りです。
貸付に必要な書類
- 世帯全員分の住民票(世帯全員分)
- 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- 印鑑登録証明証と実印
- 世帯全員分の収入証明関係書類
- 預金通帳の写し(資金送金口座の確認用)
- 罹災証明書
なお、貸付にあたり連帯保証人は不要で、返済期間は12か月間となっていますが、担当者と相談の上決定されます。
3-4. 国民健康保険料の減免
火災で被害を受け、国民健康保険料の支払いが困難となった場合減免の申請ができます。
減免の要件や割合は自治体によって異なりますが、横浜市の場合は家屋が20%以上の被害を受けた場合、4か月または6か月分の保険料が免除されます。
自治体によっては、世帯所得が基準以下の場合のみ減免申請を許可しています。詳しくは、直接自治体の保険年金課に問い合わせをしてください。
3-5. 住民税の減免
火災で自宅が焼失してしまった場合、前年度の合計所得が1000万円以下の場合は、市民税や県民税といった住民税の減免が受けられます。
罹災証明書と、あれば納税通知書を持参のうえ、居住地の役所窓口で申請を行ってください。減免の割合は火災の程度によっても異なりますが、熊本市の場合は8分の1~全額の減免です。
3-6. 固定資産税の減免
火災などで固定資産に被害を受けた場合、被害の程度に応じて固定資産税を減免する制度があります。
部分焼やボヤなどの場合は減免の対象にならないこともありますが、たとえば山形県米沢市では以下のように減免対象となる要件と割合を設定しています。
減免対象になる要件と割合(山形県米沢市)
- 全焼により家屋の原形をとどめない場合:全額減免
- 家屋の10分の6以上の損害を受けた場合:10分の8を減免
- 家屋の10分の4以上、10分の6未満の損害を受けた場合:10分の6を減免
- 家屋の10分の2以上、10分の4未満の損害を受けた場合:10分の4を減免
なお、申請にあたっては罹災証明書の提出が必要です。
減免が適用される要件と割合は自治体によって異なりますので、直接役所に確認してください。
3-7. 保育所等利用料の減免
火災に遭ってしまい、保育園の利用料支払いが難しくなった場合、減免申請を行うことができます。
火災の程度により減免を受けられる期間が異なり、横浜市の場合は、半焼以上は3か月間、全焼の場合は6か月間減免を受けることができます。
減免率などは、各自治体のこども家庭支援課に確認してください。
3-8. 一般産業廃棄物処理手数料の減免
火災後に解体工事をする場合、もっとも高額になる「火災ごみ運搬処分作業」の費用を減免してくれる制度があります。
再利用できない建材は産業廃棄物として処理しなくてはなりませんが、その処理費用を全額免除、もしくは一部免除することで、経済的な損失が抑えられます。
たとえば、横浜市では「廃棄物を自ら処理施設に搬入する(解体業者でも対象になる場合あり)」ことで、処理手数料が無料となります。
しかし注意しなくてはならないのは、減免されるのはあくまで処理手数料のみということです。火災ごみの運搬費用については解体業者に支払う必要があります。
3-9. 国民年金保険料の免除
厚生労働省のホームページにも記載されていますが、住宅などが火災の被害を受け、その被害がおおむね2分の1以上である場合、申請して承認されると国民年金保険料の納付が免除されます。
一般的に、地震や水害などの場合は2年間程度の免除期間がありますが、火災の場合どのくらいの期間免除されるのかは、管轄の年金事務所に直接確認してください。
3-10. 建物滅失登記
全焼した場合、1か月以内に法務局で、罹災した建物の滅失登記手続きをする必要があります。
家屋部分の固定資産税は毎年1月1日に現存する家屋に対して課税されるため、年内に建物滅失登記を行うと、翌年度からの固定資産税は課税されなくなります。
罹災証明書と、法務局に備え付けの書式見本を参考に「建物滅失の登記申請書」を作成して提出してください。
確定申告で雑損控除もできる
雑損控除とは、災害や盗難、横領などによって資産の損害を受けた場合に受けることができる所得控除です。下記のうち、金額が多い方が適用されます。
- 差引損失額 - 総所得金額等 × 10%
- 差引損失額のうち災害関連支出の金額 - 5万円
控除額が総所得金額等の合計額を上回った場合は、最大3年間まで控除しきれなかった分を繰り越すこともできます。
確定申告時に、通常の書類とは別に、罹災証明書や被害を受けた住宅家財の明細などが必要になります。詳しくは国税庁のホームページをご覧ください。
4. 手続きと並行して行いたい火災処理業者の選定
前章で、火災後に受けられる減免や支援についてお伝えしましたが、想像したよりもサポートが少ないと感じたかもしれません。
できるだけ出費を抑えたい時期ですから、解体工事や消臭工事についても、あまり費用をかけたくないと思うのが自然です。
しかし、安いからという理由で工事業者を選んだ結果、追加費用が発生して最終的には高額になってしまったり、騒音や埃、煤(すす)の対策がしっかり行われず、ご近所とトラブルになってしまっては本末転倒です。
工事業者を選ぶときは、以下の点に注意していきましょう。
上記について、以下でひとつずつ解説していきます。
4-1. 許認可を受けている業者である
必ず、建設業や解体工事業の許認可を受けている業者を選んでください。中には許可を受けずに、無認可で営業している業者もあります。
許認可が必要な業務にもかかわらず、無認可で営業している業者は、どれだけ良い言葉を並べていたとしても信用することはできません。
工事現場には、上の写真のような建設業の許可票や、解体工事業者登録票が必ず掲示されますが、無認可の場合はこの掲示ができません。
念のため契約の前に、担当者に許可証類を見せてもらえるようお願いしましょう。許可証類の提示を拒否する業者とは、契約しないことをおすすめします。
4-2. 火災消臭技術を持ち合わせている業者である
部分焼やボヤなど火災の程度によっては、ふたたび生活できるように復旧工事を依頼することになります。
その場合、火災専門の清掃や消臭技術を持ち合わせている業者を選びましょう。
煤(すす)の徹底的な清掃はもちろん、火事現場独特の臭いを取り去り、人体に影響がないレベルまでしっかり消臭してもらうことで、安心して再び生活していくことができるからです。
4-3. 見積書や契約書が発行され追加費用が明確である
解体工事の契約前には見積書、契約時には契約書をきちんと発行する業者を選んでください。
また、見積書では安い金額を提示し、解体工事が終わった後に追加費用を突然伝えてくる業者がいます。
これを避けるためには、見積書を受け取った段階で、どのような場合にいくら追加費用がかかるのかを必ず確認してください。追加費用に関してあやふやな返答をする業者と契約すると、費用についてトラブルになる可能性があります。
見積書や契約書の発行、追加費用の説明などがしっかりされているということは、それだけ信頼に値する業者と判断できます。
4-4. マニフェストを発行している
マニフェストとは、産業廃棄物の管理伝票のことです。この管理伝票には、産業廃棄物の量や種類、運搬業者名や最終処分業者名などが書かれており、産業廃棄物の処分についての流れが記されています。
つまり、産業廃棄物を処理する業者は必ずマニフェストを発行するため、発行しない場合は、廃材などを処理場に持ち込まず、不法投棄をする悪徳業者の可能性もあります。
万が一不法投棄が行われた場合、業者はもちろん、依頼者である施主も処罰の対象となるので注意してください。
5. 火災後の解体工事ならリスクベネフィット
リスクベネフィットは、火災現場の解体経験も豊富で、解体業などの許認可も取得している専門業者です。前章でお伝えしたチェックポイントもすべてクリアしています。
解体工事費用のうち高額となる火災ごみの処理方法にはとくに精通しており、徹底的に行政と相談してごみの分別方法を決定します。
その結果、最終的な解体工事費用が100万円単位で変わってくることもあり、依頼者にできるだけ経済的な負担をかけないよう努めています。
5-1. 複雑な火災ごみ処理方法に精通
火災現場から出たごみは、家庭から出る一般ごみとしては処分できません。一般的には、産業廃棄物として処理されるため専用処理場への持ち込みが必要になりますが、細かいルールは自治体によって異なります。
リスクベネフィットでは、自治体と協議の上、すべてを火災ごみとして仕分けるのではなく、一般ごみとして出せるものなど約10品目に仕分けを行います。
火災ごみとして処理しなくてはならない廃材なども、できるだけ手数料が安くなるように長さを半分にしたりと、さまざまな工夫を凝らします。
このような取り組みを行い産業廃棄物の運搬・処理費用を抑えることで、最終的な工事費用が安く抑えられます。5-2. 特許技
5-2. 特許技術を活かし煤の清掃や消臭を行う
部分焼失やボヤなどの火災の場合、完全に家屋を解体するのではなく、清掃と消臭を行い再び住むことができる状態に戻す必要があります。
リスクベネフィットでは、以下の特許技術を用い、煤(すす)の清掃はもちろん臭いも完全に取り去ることが可能です。
そのほか、火災現場で発生する有害物質を化学分解させて、再び安心して住むことができる状態に戻したり、高濃度のオゾンを用い消臭作業を行います。
見た目だけを綺麗にするのではなく、生活再建後も不安なく暮らしていけるように清掃と消臭を行います。
5-3. 現場経験8000件以上の豊富な実績
リスクベネフィットでは、火災現場の解体や清掃のほかにも孤独死の起こった部屋や水害復旧、水槽死の清掃などで8000件以上の豊富な特殊清掃実績があります。
最近では、新型コロナウイルスが発生したダイヤモンドプリンセス号の除菌や、国技館で行われた全国戦没者慰霊祭の除菌なども手がけ、規模の大小に関わらずサービスを提供しています。
火災後の解体工事については、ほかの業者が手に負えず途中で逃げ出してしまった案件など、実例がリスクベネフィットのサイトで紹介されていますので、ご覧ください。
なお、詳しい問い合わせは、下記のフリーダイヤルもしくはメールフォームより行えます。
それぞれ火災後の状況が異なりますので、詳しく様子をお伺いして、最適な解体方法やお見積もりをご提案させていただきます。
6. まとめ
本記事では、火災後の手続きについて詳しくまとめてきました。
数多くの手続きがある中で、まず最初に行うべき手続きは、以下の通りです。
火災調査が終了したら、まずは消防署で罹災証明書を申請、取得します。罹災証明書は、今後さまざまな減免や支援を受ける際に必要になるため、すぐに申請を行ってください。
第2章では、火災後に再発行が必要なカード類、書類の手続き方法についてまとめました。
申請場所 | 再発行が必要な書類やカード類 |
---|---|
役所 | 印鑑登録証や実印保険証(国民健康保険)年金手帳(第1号被保険者)マイナンバーカード |
勤務先 | 保険証(勤務先の健康保険)年金手帳(第2号被保険者) |
年金事務所 | 年金証書年金手帳(第3号被保険者) |
銀行 | 預金通帳やキャッシュカード燃えた現金の引換 |
警察署 | 運転免許証 |
クレジットカード会社 | クレジットカード |
保険会社 | 保険証券 |
基本的に、書類やカード類を再発行する際には身分証明書が求められるため、運転免許証などの身分証明書となるものを一番最初に手続きすると、よりスムーズに進むでしょう。
そして第3章では、火災後に受けられる減免や支援についてまとめました。
確定申告では雑損控除も適用になります。
確定申告で雑損控除もできる
雑損控除とは、災害や盗難、横領などによって資産の損害を受けた場合に受けることができる所得控除です。下記のうち、金額が多い方が適用されます。
- 差引損失額 - 総所得金額等 × 10%
- 差引損失額のうち災害関連支出の金額 - 5万円
控除額が総所得金額等の合計額を上回った場合は、最大3年間まで控除しきれなかった分を繰り越すこともできます。 確定申告時に、通常の書類とは別に、罹災証明書や被害を受けた住宅家財の明細などが必要になります。詳しくは国税庁のホームページをご覧ください。
第4章では、火災処理業者の選び方についてお伝えしました。
安いからという理由だけで業者を決めると、無認可だったり、手抜き工事をされたりと後悔する可能性があります。以下のポイントをチェックしましょう。
第5章では、上記すべてを満たし、火災現場の解体経験も豊富で、解体業などの許認可も取得している業者としてリスクベネフィットをご紹介しました。
解体工事費用のうち高額となる火災ごみの処理方法にはとくに精通しており、依頼者にできるだけ経済的な負担をかけないよう努めています。
また部分焼やボヤなどで特殊清掃を希望する場合は、特許技術を用い、煤(すす)の清掃はもちろん臭いも完全に取り去ることが可能です。
見た目だけを綺麗にするのではなく、生活再建後も不安なく暮らしていけるように清掃と消臭を行います。
火災で家を失うということは決して一般的なことではありません。一刻でも早く安心した生活を取り戻せますよう、この記事がお役に立てますと幸いです。