「孤独死した遺体ってどうなるの?」
「孤独死した遺体を発見した場合どうすればいい?」
突然の出来事に不安を感じている方も多いと思います。
孤独死に現場で遺体が発見される時は死後数日が経過してから遺体が発見されることが一般的です。
死後すぐに腐敗の進行を遅らせるためにドライアイスや部屋の温度で調整される遺体とは異なり、孤独死した遺体はみるみる腐敗は進んでしまいます。
遺体の腐敗速度は季節や部屋の温度・湿度によって変わりますが、遺体は死後1時間以内に体内から腐り始め、以下のような順序で変化していきます。
腐敗が進んだ遺体は内臓から発生したガス、体液、血液などが漏れ出し、部屋には悪臭と体液による汚れが広がります。そのため、孤独死現場になった部屋は通常の清掃では対処できないほど凄惨な状況になることがほとんどです。
今回は孤独死した遺体が腐敗していく様子と懸念されるポイント、腐敗によって汚れた部屋の対応手順についてお分かりいただけるよう以下の内容をまとめました。
社会問題になっているほど孤独死は増加傾向にありますが、遺体を発見したときの手順や原状回復する方法は意外と知られていません。今後はますます孤独死は増えていくことが予測されるため、正しい知識を取り入れて対処していきましょう。
1.孤独死した遺体はどうなるのか
死去後すぐにドライアイスや室温の調整をするなど、遺体の腐敗を遅らせるための適切な処置を施された遺体は死後数日経っても目に見えて腐敗が進んでいく様子は見受けられません。
一方、孤独死現場で死亡した遺体は適切な処置が施されないため、みるみる腐敗が進んでいきます。孤独死現場は腐敗による死臭の発生や体液・血液の流出、ハエやウジ虫の発生などで凄惨な状況になっていることがほとんどです。
この章では遺体がどのようにして腐敗していくのかを順を追ってご説明します。
気分を害す恐れがある内容になるので、苦手な方は2章以降をお読みください。
1-1.消化器系から腐敗がはじまる
遺体の腐敗は胃や腸などの消化器系からはじまります。死後1時間で腸内細菌は増殖し、消化液が内臓そのものを溶かし始めます。
人の身体には生きている間にも細菌が潜んでいますが、生きているときには免疫作用によって細菌の増殖は抑えられています。死亡すると免疫作用が停止するため、細菌は増殖し続けて腐敗が進行していくという仕組みになっています。
1-2.腐敗ガスが発生して体液や死臭が漏れ出す
細菌は増殖しながら遺体を分解していきます。分解していく過程では腐敗ガスが発生します。腐敗ガスは死臭と呼ばれる臭いを発しながら身体全体へ広がり、やがて肉や皮膚を引き裂くほど身体がガスによって膨張します。
死臭の臭いは生前の状況や孤独死現場の状況によって異なりますが、「生ごみやチーズが腐った臭い」「牛舎や豚小屋の臭い」「くさやの臭い」に近いと言われています。
身近に感じる臭いのように思えますが、生活で出る生ごみなどの臭いとは比べものにならないほど強烈な臭いを発します。ガスマスク等を着用しなければ室内に入れないほどの悪臭です。
また、目鼻口、肛門、破けた箇所から腐敗ガスとともに体液・血液が漏れ出すため、孤独死現場では遺体の身体の向きが分かるほどに痕跡が残ります。
1-3.ハエが集まりウジ虫が発生する
ハエは人の腐肉や血などをエサとしている虫なので、死臭が発生すると窓のすき間などから大量のハエが侵入し、集まってきます。
ハエの成虫は栄養のある遺体に産卵し、その卵が孵ることでウジ虫が遺体に発生します。ハエが1回の産卵で産みつける卵の数は50~150個と言われるほど多く、死臭に集まってくる無数のハエが死体に産卵をしていくため、かなりの数のウジ虫が遺体から湧くように発生します。
さらに、産みつけた卵は1日も経たないうちに卵から孵り、ウジ虫は遺体を食べて成虫になります。成虫となったハエがまた遺体に卵を産みつけるというサイクルが繰り返されるようになるのです。
ハエとウジ虫の数は多くなっていくと近隣住宅にも飛び回るようになることが予想されます。遺体の病原体をハエが取り込んでいる場合があり、最悪ハエを介して近隣住民が感染症にかかってしまうという危険性があります。
そのため、孤独死が発覚した現場ではハエが集まる原因となる臭いや汚れを早急に除去することが求められます。
2.孤独死した遺体を発見したときの対応ステップ
孤独死が珍しいことではなくなったとは言え、孤独死を発見することは誰しもが頻繁に経験することではありません。イレギュラーな事態であるため、混乱もされるでしょう。
孤独死を発見したときはまず警察へ通報し、以下のステップで対応を行っていきます。ここからは遺体の発見から必要な手続きまで解説します。
2-1.警察へ通報する
孤独死を発見した場合は速やかに警察に連絡をします。
警察は「なぜ、いつ亡くなったのか」など死亡した原因と身元の確認をします。遺体や部屋の状況から調べるため、警察が到着するまでは孤独死現場に触れたり足を踏み入れたりしないようにしてください。もちろん遺体にも触れないでください。
警察が到着すると以下の対応が行われます。
2-1-1.警察による現場検証
孤独死現場は検死するために立ち入りを禁止して現場検証を行います。金品や部屋の鍵などの貴重品は検死が終わるまで警察署で保管され、身内を含め、管理会社や大家も部屋に立ち入ることは許されません。
2-1-2.遺族への連絡
検死によって身元の確認ができたら警察が遺族を調べ、血縁関係の近い遺族への連絡が行われます。血縁関係の順位は以下のとおりです。
1親等 | 両親、子ども |
---|---|
2親等 | 祖父母、兄弟姉妹、孫 |
3親等 | 曽祖父母、叔父叔母、甥姪、曾孫 |
遺体の状況によっては身元が分からない場合もあります。身元が分からない場合は遺体を専用保管庫にて保管しながらDNA鑑定を行い、身元の確認をします。
孤独死の場合は親族が見つからないケースがあったり、中には親族から遺体の引き取りの拒否をされたりすることもあるそうです。
2-2.特殊清掃業者への連絡
孤独死現場は放置すればするほど汚れや臭いがこびりつき、取り除くことが困難になります。また、ハエによる感染症被害を出さないためにも一刻も早く清掃を行うことがポイントです。
孤独死現場に入室できない検死の段階であっても、鍵を受け取ったらすぐに清掃に入れるよう早めに特殊清掃業者の選定・問い合わせ・依頼を行ってください。
特殊清掃業者とは、孤独死現場の凄惨な状況でも特殊な技術と道具を使って再び住める部屋へ原状回復させる業者です。
孤独死現場にある体液や血液、死臭は床材や壁紙に付くと、とても一般的な清掃では取り除くことはできません。中途半端な清掃内容ではいつまでも管理会社や大家に引き渡しが認められる部屋にならず、原状回復することは困難になります。
特殊清掃業者は孤独死現場の汚れに対応する知識と技術を持ち合わせているため、確実でスピード感のある対応が期待できます。ただし、民間企業でもある特殊清掃業者は、持っている技術や道具、資格の有無など、それぞれ異なります。
無知な依頼者を逆手に取った悪徳業者も存在するため、特殊清掃業者選びは慎重に行ってください。特殊清掃業者の選び方については3章で解説します。
2-3.葬儀、火葬を行う
検死が終わったら遺体や警察署に預けられていた貴重品や部屋の鍵を遺族が引き取り、葬儀や火葬、遺品整理など各対応を行っていきます。
しかし、孤独死の場合には遺族がいない場合や、身元が確認できないケースもあります。遺族に引き取られる場合と、引き取り手のない場合の葬儀・火葬方法について紹介します。
2-3-1.遺族が行う場合
遺族が葬儀・火葬を行う場合は病死や自然死のときの葬儀・火葬と変わりはありません。葬儀社へ相談し、霊柩車を利用して遺体の運搬を行います。
しかし、孤独死した遺体は発見された時点で長時間経過しているため、衛生的な面から、すぐに火葬することが望ましいとされています。
そのため、孤独死を遺族が引き取った場合はすぐに火葬して帰郷することが一般的です。
2-3-2.引き取る遺族がいない場合
遺族がいない場合や身元が確認できなかった場合は法律に基づいて火葬と埋葬が行われます。適用される法律は「行旅病人及行旅死亡人取扱法」と言い、遺族がいない、もしくは身元が分からない人をその現場となった市町村が火葬、埋葬をするようにと定めている法律です。
火葬後は一定期間保管された後に無縁塚へ埋葬されます。
火葬や埋葬に要する費用は遺留分の金銭でまかないますが、もしも足りない場合には相続人の有無等を確認したうえで遺品を売却し、費用を捻出することが認められています。
3.特殊清掃業者の選び方
遺体は腐敗が進むことで死臭を伴った体液や血液が流れ出し、部屋も凄惨な状況へ変わっていきます。死臭に集まってきたハエは遺体へ卵を産み落とし、遺体からウジ虫が産まれ、病原体を付けたハエとなって飛び回ることも懸念されます。
また、死臭は近隣住宅へも広がるほど強い臭いを放つため、迅速に対応してもらえる特殊清掃業者を選ぶことがポイントです。
ただし、特殊清掃業者の中には高額な報酬を得られるという理由で十分な知識がないにも関わらず請け負い、中途半端な清掃で終わってしまうなど、悪徳とも言える業者が存在することも事実です。
迅速に対応してくれる業者だけに注目するのではなく、以下のようなポイントも重視して特殊清掃業者選びを行っていきましょう。
3-1.高い消臭技術が期待できる
「孤独死現場」とひと言で言ってもまったく同じ状況の現場はありません。例えば、ペットの多頭飼いによってペットの糞尿や死骸が散乱しているケースもあれば、セルフネグレクトによるゴミ屋敷状態の部屋もあります。
人の暮らし方はそれぞれ異なるように、部屋の状況も違ってくるのです。いかなる現場であっても特殊清掃業者はすべての臭いや汚れを完全に除去し、原状回復させることが役割です。
死臭や体液などの汚れは建材にまで染み込むため、表面が綺麗に見えて「臭いが消えた」と感じても時間が経ったら再び臭いが発生するということも少なくありません。せっかく高額な費用を払って依頼したにも関わらず「臭いが消えていない」「ハエが寄ってくる」など後々クレーム対応に追われる可能性もあります。
孤独死現場の清掃には経験豊富な知見と高度な技術が必要になるため、どのような資格や技術、実績があるのかという部分に注目して特殊清掃業者選びを行いましょう。
資格や技術、実績についての確認方法は以下より詳しく解説いたします。
3-1-1.確実な消臭が期待できる資格
床下や床材まで染み込んだ体液は表面だけの清掃で除去できるものではありません。建材を解体して染み込んだ汚れを徹底的に除去する必要があります。解体を行うには『解体届』『解体業許可』が必須であるため、これらの資格を所持していない業者は建材や床下にまで広がった汚れに対応できず、確実な消臭が実現できないと考えて良いでしょう。
『解体届』や『解体業許可』は公的資格および許認可であるため、以下の行政のホームページで確認することが可能です。
『解体業許可』
国土交通省 建設業者・宅建業者等企業情報検索システム
検討している業者名を上記のサイトへ入力し、検索をかけると大臣許可を取得しているかが確認できます
業者の各ホームページでも確認できますが、念のため行政のホームページでも確認すると確実です。
3-1-2.完全消臭が可能な技術
10年前までの孤独死現場は「特殊清掃を行っても死臭は完全に取り除くことができない」と言われていたほど、死臭は除去することが難しい臭いでした。
しかし、近年では技術の開発やノウハウによって、あらゆる孤独死現場であっても完全消臭が可能になっています。
ただし、完全消臭が可能な技術やノウハウを持っている業者は数少なく、間違ったやり方で行っているケースも多々あります。
臭いを感じるか感じないかは個人差があるため、「完全消臭可能」とうたっている場合であっても、臭気データで見ると完全に除去できていないというケースも少なくありません。
業者と依頼者の感じる「完全消臭」にズレが生じないよう、完全消臭ができたことを視覚的に証明できる技術を持ち合わせているかという部分にも注目することがポイントです。
3-2.遺品整理も同時に頼める
孤独死現場は特殊清掃による原状回復だけではなく、遺品整理を行う必要もあります。遺品整理は遺族または遺品整理業者へ依頼することが一般的ですが、孤独死現場の場合には特殊清掃をしながら遺品整理も行ってもらえる特殊清掃業者を選ぶことがおすすめです。
遺品整理を並行して行える特殊清掃業者に依頼すると以下のようなメリットがあるからです。
特殊清掃業者に遺品整理をしてもらうメリット
- 遺品整理を並行して行うことで効率が上がり時間を短縮できる
- 別々の業者に依頼するよりも費用が安くなりやすい
- 窓口が1か所になるため連絡や支払いが簡潔化できる
亡くなった遺体に適切な処置が取られていた部屋であれば、遺族や遺品整理業者への依頼でもスムーズな対応ができるかと思いますが、孤独死現場で亡くなった遺体は腐敗が進み、室内が汚損されている場合がほとんどです。
そのため特殊清掃業者に遺品整理も依頼することが1番迅速な対応になると言えるでしょう。遺品整理も依頼できるか確認を行いながら選定を進めてください。
4.孤独死現場は遺品整理もできるリスクベネフィットがおすすめ
リスクベネフィットは過去8,000件を超える実績を持っている特殊清掃業者です。
数多くの現場に対応してきた実績の中には孤独死現場だけではなく、天皇陛下をはじめ、大臣や、衆院・参院議員、都道府県知事、最高裁判事など日本を代表する顔ぶれが会する2020年の『全国戦没者慰霊祭』の除菌をご依頼いただき、無事に完遂した事例もあります。
特殊清掃業者の中でも格別の信頼を得ているリスクベネフィットは、遺体の腐敗によって体液や血液、死臭が充満する孤独死現場に必要な以下のポイントもすべてクリアしている優良な特殊清掃業者です。
リスクベネフィットの魅力
- 迅速な対応が可能
- 経験豊富な実績と高度な技術を持ち合わせている
- 遺品整理も並行して行える
- 明確な作業範囲と料金の提示
あらゆる孤独死現場を清掃してきた経験からリスクベネフィットにしかない技術を生み出し、特許も取得しています。ここからはリスクベネフィットの特徴についてご紹介します。
4-1.確実な消臭が期待できる特許技術を持っている
「孤独死現場は臭いが取れない・・・」
10年前までは臭いが消えないことは仕方のないことと捉えられていたことが通例でしたが、リスクベネフィットは長年特殊清掃に携わり、研究を行ってきました。
その結果、科学的に立証される特許技術を取得するほどに確実な消臭が実現する技術の開発に成功しました。以下の工法が特許技術として認められている内容です。
これらの特許技術を模倣して提供している業者が存在しますが、特許技術は現場の状況に合わせて薬品の容量や散布を調整する必要があります。その薬品を使えば完全消臭できるというものではないのです。
技術を開発したリスクベネフィットだからこそ、現場の状況に左右されることのない確実な消臭が可能です。
4-2.解体が可能な公的許認可を所有している
確実な消臭を実現するためには、床下や建材にも染み込んだ汚れを除去することが求められます。リスクベネフィットは表面には見えない汚れも除去するため、床下などを解体できる公的資格『解体届』『解体業許可』を取得しています。
解体は資格を所有している業者のみに認められている資格ですが、特殊清掃業者で解体可能な資格を所有している業者はわずか2%と言われているほど取得が困難な資格です。そのため、リスクベネフィットなら他社より確実な消臭が可能であると言えます。
4-3.臭気データで完全消臭を証明
リスクベネフィットでは臭いをデータ化して視覚的に臭いの有無を調べるIOT技術を取り入れています。24時間監視しながら、消臭特許技術を使って消臭するため、誰しもが納得できる完全消臭まで実現することが可能です。
4-4.こだわりの遺品整理
特殊清掃業者の遺品整理と言うと、貴重品と不要品を分ける片付けと思われる方もいるかもしれません。しかし、リスクベネフィットは遺品整理にもこだわりを持って行っています。
- 貴重品は雑誌やチラシの中まで徹底的に探す
- 不正処分しないために市町村と連携を行う
- 資源回収を活用して処分費を抑える
遺品整理はご遺族に故人の思いを余さずに伝えるものだと心得ています。故人が大切にしていたアクセサリーやお札、手紙などが紛れている可能性があるため、チラシや雑誌の中、洋服のポケットなど細かな部分も慎重に確認し遺品整理を行います。
また、調味料や洗剤は中身を捨てなければ処分・回収はできません。適正に処分をするために時間がかかってもすべて空にします。丁寧に分別作業を行った後は市町村より運搬許可を受けている業者へ引き渡すため、不法投棄される心配はありません。
単なる「片付け」ではなく、故人とお客様に寄り添った対応がリスクベネフィットの遺品整理です。
4-5.ご相談も見積もりも24時間365日無料で対応
孤独死が発覚するタイミングは誰にも分かりません。夜中や早朝、休日に発覚することも不思議なことではないです。だからこそ、リスクベネフィットは24時間365日、ご相談やお見積りのご依頼を受け付けています。
お客様の抱える不安や不明点にお客様のタイミングで応えることが可能です。気持ちに寄り添った対応をいたします。
4-6.即日対応が可能
孤独死現場は迅速な対応が求められる現場です。そのため、リスクベネフィットではご依頼をいただいたら即日で高品質な特殊清掃サービスを提供できる体制を常に取っています。お客様の「困った」を放置しない、迅速な対応が可能なこともリスクベネフィットの魅力です。
5.まとめ
孤独死した遺体は社会的に孤独状態にあることから発見が遅れ、以下のように腐敗はどんどん進んでいきます。
遺体は腐敗が進むと体液や血液、死臭が体外へ流れ出るため、孤独死現場は凄惨な状況になっていくことが一般的です。もしも孤独死した遺体を発見した場合には警察に連絡して遺体の対応を依頼してください。
凄惨になった部屋は特殊清掃業者による清掃をしなければ死臭、体液などの汚れは取り除くことはできません。臭いや汚れは放置するほど除去することが困難になるため、早急に信頼できる特殊清掃業者へ相談し、見積もり・依頼を行うようにしましょう。