「最近高齢者の孤独死が増えているみたいだけど、うちの物件は大丈夫?」
「最近越してきた○○さん、一人暮らしなんだけど…まさか孤独死とかしないよね?」
こんな不安を抱え、日々物件の管理に当たっている大家さん、オーナーさんも多いのではないでしょうか。
事実、高齢者の孤独死は年々増加の一途をたどっています。
特にあなたの物件に住んでいるような、一人暮らしの高齢者の孤独死は、東京23区内のデータだけ見ても、10年前より2,000人以上増えている状態です。

今後も孤独死は増加していくことが予想されているため、あなたの物件も、決して他人事ではありません。
しかし、孤独死を予防するための対処法はしっかりあります。
対処法を実践しておけば、あなたの物件で悲惨な孤独死が発生するのを防げるかもしれません。
そこで、この記事では次の3点について詳しく紹介します。
【この記事で分かること】
- 孤独死しやすい人が一目でわかるチェックシート
- 高齢者の孤独死を防ぐための4つの対策
- 万が一孤独死が起きたときの対処の流れ
この記事を読めば、あなたの大事な物件を、これからもしっかり守っていくことができるでしょう。
何より、現在住んでくださっている高齢入居者の暮らしを、守るヒントが見つかるはずです。
ぜひ、今後の物件管理・維持の参考にしてみてくださいね。
Contents
1.高齢者の孤独死は年間6.8万件にも及ぶ

2024年1月から3月までの時点で、65歳以上の孤独死はおよそ1万7千件も確認されています。
年間にすると、なんと6万8千件もの孤独死が発生していることになるのです。
出典:日本経済新聞「高齢者「孤独死」年6.8万人 警察庁データで初めて推計」
また、内閣府が調査した「令和6年版高齢社会白書」によると、孤独死は年々増加傾向にあります。
東京23区内における孤独死した高齢者の数を見てみましょう。

出典:令和6年版高齢社会白書
2012年に孤独死した人数と比べて、10年後の2022年には2,000人以上も、孤独死が増えています。
さらに、孤独死を身近な問題だと感じている60歳以上の割合は、全体の5割弱にも及んでいます。
高齢者自身も、「孤独死するかもしれない」という不安を抱えながら、過ごしているのが現状です。
高齢者の孤独死は年々増加傾向にあるため、いつ身近なところで孤独死が起きてもおかしくはありません。
2.高齢者の孤独死が増加する原因

冒頭で解説した通り、高齢者の孤独死は年々増加の傾向にあります。
その理由として、次の3つが挙げられます。
【高齢者の孤独死が増加する原因】
- 独居老人が多い
- ゴミ屋敷に住む高齢者が多い
- 貧困状態にあり有料サービスを利用できない
この章では、実際のデータなどを交えながら、高齢者の孤独死が増加する原因について詳しく解説していきます。
2-1.独居老人が多い
「令和6年版高齢社会白書」によると、65歳以上の単身世帯は年々増え続けていることが分かります。

このように、2010年の頃と比べて、65歳以上の単身世帯数はなんと約1.5倍まで増えているのです。
高齢者の一人暮らしが増え続けている理由の一つとして、生涯未婚率が増加している点が挙げられます。
以下は、2024年に国立社会保障・人口問題研究所が調査した、生涯未婚率を表したグラフです。
グラフを見ると、年々未婚率が増加していることが分かります。

出典:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集 表6-23 性別50歳時の未婚割合,有配偶割合,死別割合および離別割合:1920~2020年」
※50歳までに結婚しない人は生涯を通して未婚であるとの推測により算出されたデータです。
つまり、高齢者の一人暮らしが増えている理由として、そもそも結婚しない人が増えているということが挙げられるのです。
一人暮らしの高齢者が増えると、高齢者に万が一のことがあっても、すぐに気付くことができません。
病気やケガで自宅で倒れても、そのまま放置されてしまい、孤独死につながってしまうケースもあるでしょう。
だからこそ、高齢者の孤独死は増加し続けている状態です。
2-2.ゴミ屋敷に住む高齢者が多い
高齢者の自宅がゴミ屋敷化しやすいのも、孤独死の増加を招く一因となっています。
令和6年に総務省が行った「ごみ屋敷」対策に関する調査」によると、ゴミ屋敷に住む高齢者の単身世帯の割合は54.2%にも及んでいます。

ゴミ屋敷に住む高齢者が多い理由は、主に次の2つです。
【ゴミ屋敷に住む高齢者が多い理由】
- バブル崩壊後の経済的な困窮
- 女性の社会進出
上記のような理由から、高齢者の住まいはゴミ屋敷化しやすくなっています。
ゴミ屋敷に住んでいる高齢者は、転倒によって動けなくなってしまったり、エアコンがつかず熱中症になってしまったりして、そのまま死んでしまう可能性が非常に高いです。
助けを呼んでも周囲には聞こえず、結果的に手遅れになってしまうからです。
さらにゴミの匂いに死臭が紛れ、普段から害虫・害獣が発生しているので、近隣住民は違和感に気づきにく、死後何日も経ってから発見されるケースが後を絶ちません。
高齢者の単身世帯が増加しているということは、その分ゴミ屋敷に住む高齢者も増加しているということになります。
だからこそ、悲惨な孤独死が増加してしまうのです。
2-3.貧困状態にあり食費や医療費も払えないため
内閣府が調査した「令和5年版高齢社会白書」によれば、高齢者世帯の所得は150~200万円が最も多い金額となっています。
月に換算すると、ひと月12万~16万程度で生活しなければいけない計算です。
中には毎月、国民年金の5~7万円で暮らす高齢者も存在しています。
少ない収入の中で生活費をやりくりしなければいけないため、必然的に、食費や医療費にお金をかけることはできなくなっていくでしょう。
その結果カップラーメンや割引シールの張られたお弁当で空腹をしのぎ、痛みや不調があっても我慢して、誰にも相談できないまま毎日を過ごす結果になってしまいます。
健康的な生活を続けられないせいで体調は悪化していきますし、医療機関にかかれないので、病気も放っておくことになり、じわじわと命が削られていきます。
3.あなたの物件の入居者は大丈夫?孤独死しやすい人のチェックリスト

高齢者の孤独死が年々増加しているという事実を受け、自分の管理物件で孤独死が起きたらどうしようかと不安に感じている人も多いはずです。
ここで、孤独死しやすい高齢者の特徴をチェックリストにまとめました。
現在あなたの物件に住んでいる高齢者にいくつ当てはまるのか確認してみましょう。

上記のリストに複数当てはまるのなら、孤独死する傾向が高いといえます。
早めに大家として、対策を練ることをおすすめします。
上記の中で、特に気を付けたいのが単身の男性高齢者です。
実は、孤独死は女性よりも男性が圧倒的に多いという統計が出ています。
以下は、孤独死の男女別の割合を示したグラフです。

なんと、孤独死してしまう人の8割以上が男性なのです。
これは、女性に比べて男性のほうが家事を苦手とする人が多い、ということが理由として挙げられるでしょう。
現在の高齢者の多くは、現役時代は料理や掃除などの家事を妻が行うことが一般的でした。
そのため、自身で行うことが苦手とする傾向があるのです。
家事をしていた妻が亡くなったり、熟年離婚などにより一人暮らしになってしまった男性は家事がうまくできずに生活の質を下げてしまいがちです。
その結果コンビニ食やインスタント食品、冷凍食品に頼るようになり健康を害してしまうのです。
そして最悪の場合、孤独死してしまう事となりえるのです。
もちろん、男性でも家事を得意とし、健康管理のできる人は多くいます。
しかし、家事が不得意な男性が女性よりも多いため、残念ながら孤独死に至ってしまうケースが後を絶たないのです。
高齢者の孤独死の原因について、より詳しくは「孤独死の原因とは?データから分かる孤独死の傾向についても解説」でも解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
4.高齢者の孤独死を防ぐための対策

高齢者の住人が、先述したチェックリストに当てはまってしまっているとき、大家であるあなたにできることは、高齢者の孤独死を防ぐための対策を練っておくことです。
高齢者の孤独死を防ぐためには、次のような対策が有効です。
【孤独死を防ぐための対策】
- 物件に見守りサービスを設置する(郵便局のみまもりサービスなどがある)
- 1ヶ月に1回、物件の様子を見に行く
- 物件の掲示板などに社会活動の案内を提示する
- 孤独死保険に入る
高齢者の多い物件を管理しているのなら、物件自体に見守りサービスを導入するのは1つの手です。
たとえば室内非常ボタンや、動きを察知するセンサー、ガスや電気のスマートメーターなどがあります。
異変にいち早く気付くことができますし、孤独死の早期発見にもつながるでしょう。
初期費用が掛かってしまいますが、孤独死を防ぐために検討してみるのがおすすめです。
また、1ヶ月に1回は物件の様子を見に行き、異変がないかを自分自身で確認することも大切です。
高齢者を孤独にしないために、社会活動の案内を積極的に掲示するのも効果的と言えます。
そして万が一の孤独死に備え、孤独死保険に入っておくことが重要です。
孤独死が起きたときの金銭的負担を軽くするためにも、ぜひ検討しておきましょう。
5.高齢者の孤独死が起きたときの大家の対処法

孤独死の予防策をどれだけ実施したとしても、100%孤独死が避けられるとは言い切れません。
万が一のときに冷静に対処するためにも、孤独死の対処法を知っておきましょう。
孤独死が起きた場合は、次の手順で対処していきます。
【孤独死が起きた場合の対処手順】
- 警察へ連絡・身元確認
- 特殊清掃や遺品整理の依頼
- 孤独死した現場の原状回復
それぞれの手順について詳しく解説します。
5-1.①警察へ連絡・身元確認
まずは、警察へ連絡し、遺体の引き取りや身元の確認を行ってもらいましょう。
速やかに身元確認ができるよう、出せる情報があれば落ち着いて提出することが大切です。
孤独死が起きた現場では、警察による現場検証が行われます。
警察による入室許可が出るまで、大家であるあなたも、孤独死した人の遺族も、そしてこの後呼ぶことになる特殊清掃業者も、孤独死現場に立ち入ることは一切できません。
許可が出るまでには時間がかかるケースもあるので、それまでに特殊清掃や遺品整理の依頼を行っておきます。
5-2.②特殊清掃や遺品整理の依頼
警察が遺体の検視や現場検証を行っている間に、大家であるあなたは、遺族に特殊清掃や遺品整理の依頼を行いましょう。
遺族が業者の依頼をあなたにお願いしてきたり、そもそも遺族がいない独り身の高齢者だったりした場合は、あなた自身が特殊清掃や遺品整理を業者に依頼する必要があります。
特殊清掃と遺品整理をまとめてやってくれる業者に頼むと、スムーズに作業が進みます。
なお、特殊清掃や遺品整理には費用が発生します。
そのため、「自力で掃除できないかな?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、腐敗した遺体が放置されていた孤独死現場に、専門的な知識のない人が立ち入るのは大変危険です。
家財道具や遺品には死臭が染みついており、体液も付着しています。そんな現場を自力で清掃するのは不可能です。
実際に、株式会社リスクベネフィットの代表である惟村も、知識がない頃に自力での清掃を試みましたが、なんと1カ月もの時間がかかり、臭いを完全に消し去ることもできませんでした。
身体的・精神的な負担も計り知れないものとなるので、必ず特殊清掃業者に依頼しましょう。
5-3.③孤独死した現場の原状回復
警察からの入室許可が下りたら、いよいよ孤独死した現場の原状回復を行っていきます。
入出許可は、早ければ数日で許可が下ります。
しかし遺体の身元確認に時間がかかったときなど、場合によっては1カ月程度かかる場合もあります。
そこから原状回復を行い、次の入居者を募集できるようになるまでには、およそ2~3カ月は時間がかかることを覚えておきましょう。
原状回復の費用は連帯保証人・遺族に請求するのが一般的です。
詳しい費用の請求方法や、孤独死が起きたときのさらに詳細な大家さんの行動については「入居者が孤独死した際に大家さんが行うべき対応を解説」で解説しています。参考にしてみてくださいね。
6.高齢者の孤独死現場は熟練の特殊清掃業者でなければ原状回復できない

先ほど「孤独死現場の清掃は自力ではできない」とお伝えしましたが、特殊清掃業者ならどこでもいいわけでもないので注意が必要です。
高齢者の孤独死は、死後数日たってから発見されるケースが多いです。その結果遺体の腐敗が進み、部屋が次のような状態になっている可能性もあります。
【孤独死が起きた部屋の状態】
- 体液が床下や壁にまで浸透している
- 死臭が家財道具にしみついてとれない
- 害虫や害獣が大量発生している
- 空気中にさまざまなウイルスが蔓延している
このような状態の部屋を、確かな技術を持たない特殊清掃業者に任せても、キレイになるわけがありません。
匂いが取れないまま返されてしまうケースもあるでしょう。
中にはリフォームなど必要ないのに、「リフォームしないと消臭できません!」と嘘を言って多額の費用を請求してくる悪徳業者もいます。
次の動画をご覧ください。法外な金額を請求する悪徳業者の実態です。
私たちリスクベネフィットは、本当に困っている人たちの悲痛な心に付け込み、金銭を奪い取ろうとする彼らを許すことはできません。
7.孤独死現場の清掃はリスクベネフィットに依頼しよう

孤独死の特殊清掃は、私たちリスクベネフィットへぜひご依頼ください。
孤独死の特殊清掃で最も重要なことは、腐敗臭などの臭いを完全に消臭できるかどうかです。
専門的な技術がないと、後から臭いが戻ってきてしまうこともあるからです。
リスクベネフィットは、孤独死現場の腐敗臭の完全消臭を実現できる、特許を取得しています。



薬剤散布:臭気成分を研究し、研究結果に合わせた薬剤を使用して徹底消臭
オゾン燻蒸:強力なオゾンを用いて匂いの成分を酸化分解し、1~2日で臭気を分解
コーティング:専用のコーティング剤「シャダーン」を使い、強力な皮膜を形成して、匂い物質を封印
また、リスクベネフィットは孤独死現場の清掃や消臭だけでなく、遺品整理やゴミ&不用品の撤去も行います。
もしも孤独死現場がゴミ屋敷になっていても、故人を尊重した丁寧な遺品整理を心がけています。
孤独死現場の清掃や消臭・遺品整理など、必要なことはすべてリスクベネフィットがまとめて行います。
詳しくは、リスクベネフィットの公式サイトまでお問合せください!
8.まとめ
高齢者の孤独死は年間6.8万件にも及ぶと推測されており、物件を管理する大家さんたちにとっては、決して他人事ではない問題となってしまっています。
もしも次のチェックリストに複数当てはまる高齢者が住んでいるのなら、あなたの物件でも孤独死の危険が高まっているかもしれません。
孤独死しやすい人チェックリスト
- 独居の単身者(配偶者の死別を含む)である
- 家賃滞納したことがある
- 男性である
- 近くに家族が住んでいない
- ベランダや窓からダンボールやゴミが見える
- 近隣からの評判が良くない
上記のチェックリストに当てはまったとしても、次の対策を行えば孤独死を防げる可能性があります。また、孤独死が万が一起きた場合の、あなたの負担も減らすことができます。
孤独死を防ぐための対策
- 物件に見守りサービスを設置する
- 定期的に物件の様子を見に行く
- 物件の掲示板などに社会活動の案内を提示する
- 孤独死保険に入る
そして孤独死が起きてしまった場合、部屋の特殊清掃や遺品整理は、必ず熟練の、信頼できる業者に頼むようにしましょう。
特許技術で完全消臭を実現するリスクベネフィットでは、次の入居者様に安心して部屋をお渡しできるよう、真心こめて清掃に当たらせていただきます。
万が一の際は、私たちにご相談ください!