土壁のカビはどうやって取る?和室の壁のカビ除去方法と予防策を解説

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土壁のカビはどうやって取る?和室の壁のカビ除去方法と予防策を解説

土壁にできてしまったカビは、一般的なカビ取り剤で除去することはできません。

なぜなら、一般的なカビ取り剤は使用後に水洗いが必要なものが多いのですが、土壁は水に弱く、雑巾などで水拭きすると、壁にシミができたりボロボロと崩れ落ちたりする危険があるからです。

さらに、水洗いができないことで、薬剤残りがさらなるカビの栄養となってしまうこともあります。

土壁にできてしまったカビの除去には、カビの段階に合わせて以下の3つの方法があります。

土壁にできたカビの除去方法

土壁表面にできたカビエチルアルコール系除菌剤
土壁の表面〜内部の浅い部分にできたカビ土壁用カビ取り剤
土壁内部まで完全に侵食したカビ土壁を剥がして塗り替え

この記事では、土壁にできてしまったカビの正しい除去方法と、土壁の意匠性を損ねずにカビを除去することのできるおすすめアイテムをご紹介します。

この記事を最後まで読むことで、カビの心配のない清潔な和室を取り戻すことができるでしょう。

1.土壁のカビを除去する方法3つ

冒頭でもお伝えしましたが、土壁にできてしまったカビを除去するには、カビの生え方によって、以下の3つの方法があります。

土壁にできたカビの除去方法

土壁表面にできたカビエチルアルコール系除菌剤
土壁の表面〜内部の浅い部分にできたカビ土壁用カビ取り剤
土壁内部まで完全に侵食したカビ土壁を剥がして塗り替え

土壁の表面や、内部の浅い部分に生えているカビであれば、薬剤を使って自分で土壁のカビを除去することができます。

しかし、カビが土壁の内部を完全に侵食している状態では、カビ取り剤を使って対処してもその場凌ぎにしかならないうえ、土壁そのものの強度を傷めてしまう可能性があります。

カビの侵食がそこまで深い状態になってしまった場合は、いまある土壁を剥がして塗り替える以外、カビを除去する方法はありません。早めに業者に相談し、新たな土壁の塗り直しを検討しましょう。

それでは、土壁の表面や内部の浅い部分に生えてしまったカビを除去することのできる、おすすめのカビ取り剤をご紹介します。

1-1.土壁の表面にできたカビはエチルアルコール系除菌剤で拭き取る

エチルアルコール系の除菌剤は、土壁に吹き付けてもすぐに揮発するため、土壁を水に濡らすことなくカビの除去をすることができます。
アルコールがカビの細胞膜を破壊してタンパク質を溶かすため、土壁の表面に生えたカビの拭き取りに有効です。

使い方のポイントは、以下の3点です。

  • 清潔な布に薬剤を染み込ませる
  • アルコールが揮発するため手早くカビを拭き取る
  • 薬剤を染み込ませた布の同じ面を何度も使用しない

土壁に生えてしまったカビを除去できる、おすすめのエチルアルコール系除菌剤は以下の2商品です。

■健栄製薬 消毒用エタノール

出典:Amazon

エタノール (C2H6O) 76.9~81.4vol%を含有し、消毒用として幅広く使える第3類医薬品。現役のまま土壁のカビ除去に使用できます。ドラッグストアなどでも安価で購入でき、土壁のカビ除去以外にも使えるシーンが多いため、一家に一本備えておくことができて安心です。

■ドーバー パストリーゼ77

出典:ドーバー酒造株式会社

酒造会社のノウハウから生まれたアルコール製剤。アルコールの含有率が77%と高濃度で、カビをはじめとした多くの細菌やウィルスを除菌します。ドラッグストアなどでも購入できるので、思い立った時にすぐにカビ除去ができます。

清潔な布に含ませて土壁のカビを拭き取るほか、日常の掃除の後にひと吹きすることでカビ予防にも役立ちます。

1-2.土壁の内部にカビが侵食している場合は土壁用カビ取り剤で除去する

土壁の表面についたカビをエチルアルコール系薬剤で拭き取りをしても、カビの色素が残ってしまっている場合は、カビの色素を除去するために塩素系のカビ取り剤を使用してください。

塩素系のカビ取り剤はアルカリ性のため、酸性のカビの細胞を破壊して死滅させることができます。すぐに揮発してしまうエチルアルコール系製剤よりも、土壁の内部まで時間をかけて染み込むため、残ってしまったカビの色素を取り除くことができるのです。

しかしここで注意したいのが、土壁に使えるのかどうかという点。

一般的なカビ取り剤もその多くが塩素剤ではありますが、使用後に水洗いが必要だったり、カビを分解した後に水になって残ることがあるため、土壁の色が変わったり、素材を傷めてしまう場合があります。

そのため、土壁のカビの色素を取るには、土壁に安全に使える塩素系のカビ取り剤を選ぶ必要があるのです。
土壁に使える塩素系カビ取り剤を選ぶポイントは、以下の2点です。

  • 水洗い不要であること
  • 非イオン界面活性剤を使用していること

どちらも土壁の風合いを損ねずカビ取りをするための、重要な要素です。

土壁のカビ除去に使えるおすすめのカビ取り剤は以下の2商品です。

■純閃堂 カビ取り侍液スプレー強力タイプ

出典:株式会社純閃堂

カビ取り・防カビ研究一筋40年の博士が開発したカビ取り剤。使用後の水拭きや水洗いがいらないため、土壁を傷めずカビ除去ができます。塩素臭があるため、使用の際には必ず部屋を換気し、マスクやゴーグルで目や肌を守ってください。

■ビーワンコーポレーション カビホワイト カビ強力除去スプレー

出典:Amazon

土壁、珪藻土などに使えるカビ取り剤。カビ取り後は乾燥することで成分が蒸発するため、水洗いの必要がありません。12倍まで希釈して、家の中のさまざまなカビの除去に使うことができますが、土壁に使用する場合は、水分が残るとシミになってしまう場合もあるため、原液のままで使うことをおすすめします。

2.土壁に生えたカビの侵食度を判断する方法

土壁に生えてしまったカビが、どれくらいの深さまで土壁を侵食しているのかによって使う薬剤が異なると説明してきましたが、そもそもどうやってカビの侵食度を判断すればいいのでしょうか。

具体的には、土壁のカビの侵食度は以下のように判断ができます。

土壁に生えたカビの侵食度の目安

土壁を拭いただけでカビが取れるカビは土壁の表面だけに生えている
土壁のカビは取れるが色が残るカビは土壁の表面〜内部の浅い部分に生えている
触れただけで土壁がボロボロと崩れ落ちるカビは土壁内部まで完全に侵食している

エチルアルコール系除菌剤で拭き取りをした時に、カビだけが取れるか、土壁そのものがボロボロと崩れてくるかが目安と言えます。

カビだけが取れるようであれば、色素を取るために土壁用カビ取り剤を使用するのは効果的ですが、もし土壁が崩れてくるのであれば、カビは土壁の内部にまで侵食している状態と言えます。
土壁用のカビ取り剤を使ってもカビが取りきれないばかりでなく、土壁の強度をさらに弱めてしまう可能性もあるため、土壁が崩れてきてしまった場合には、それ以上のカビ取りは中止した方が良いでしょう。

見た目に悪いだけでなく、カビの生えた部屋で生活し続けることによる健康面の影響もあるため、早めに業者に相談し、土壁の塗り直しを検討してください。

3.土壁のカビを除去する際の注意点

土壁のカビを除去するにあたっては、土壁を傷めないよう以下の2点に注意してください。

  • 水拭きをしない
  • 擦らない

冒頭でもお伝えしましたが、土壁は水に弱いため、水拭きをするとシミができたり、ボロボロと崩れ落ちてしまうことがあります。

ご紹介した土壁用カビ取り剤はどちらも水洗いが不要のものですが、どうしても気になるという場合は、水拭きではなくアルコール製剤を含ませた清潔な布で拭き取りをしてください

また、薬剤を染み込ませようと思うあまり、ブラシなどで強く擦ると土壁が剥がれてしまうことがあります。
薬剤を中まで染み込ませたい場合は、刷毛を使って塗り込むようにしてください。

せっかく意匠性の高い土壁ですので、カビ除去の際にもこのような点に注意して、土壁を傷めないようにしましょう。

4.土壁にカビが生えやすい理由

実は土壁は、現代建築においてはカビが生えやすいものだと言えます。

土壁は、以下の理由で、カビが好む「水分・温度・栄養」を揃えています。

  • 吸湿する
  • 埃や汚れが落ちにくい
  • 天然素材を使っている

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

4-1.土壁にカビが生えやすい理由①:吸湿する

土壁は、室内の湿度が高い時には吸湿し、逆に室内湿度が低い時には土壁の湿気を放出して部屋の湿度を一定に保つ「調湿機能」を持っています。

昔ながらの日本家屋であれば、建築素材のほとんどが木材などの「呼吸する」材質だったため、室内で吸い込んだ湿気を外に出すことが自然に行われてきました。

しかし、コンクリートを使った建築の一部に土壁が使われている場合、土壁の吸い込んだ湿気の逃げ場がなく、土壁の中で湿気が飽和してしまうのです。

日当たりの良い部屋であれば、吸湿した湿気を天日によって乾燥させることはできます。しかし北向きなどで日当たりが悪い部屋においては、吸湿した水分を溜め込む一方になってしまいます。

土壁は、現代建築の中では、カビの好む水分を蓄えやすい環境にさらされているのです。

4-2.土壁にカビが生えやすい理由②:ほこりや汚れが落ちにくい

土壁は、ビニールのクロスと比べると、静電気が発生しない分ほこりはつきにくいものです。しかし表面がざらざらしているため、一度ほこりや汚れがついてしまうと落ちにくいのも特徴です。

土壁に着いた繊維クズなどのほこりは、ハウスダストや花粉などを絡めて溜め込みます。
また、室内に喫煙者がいる場合、タバコのヤニは油脂なので、壁のざらざらに入り込んで汚れを吸着します。

このハウスダストや花粉、タバコのヤニといった有機物は、すべてカビを成長させる栄養になるのです。

はたきや手ぼうきなどを使ったほこり落としを定期的に行っていないと、土壁についたほこりや汚れは、どんどん溜まっていってしまいます。

4-3.土壁にカビが生えやすい理由③:天然素材を用いるのでカビの栄養が豊富

土壁は、土や藁、海藻などの天然素材を用いるため、その中にカビの栄養が含まれていることがあります。

カビは、ダニなどの死骸も栄養にするため、土壁の材料として十分に乾燥させた藁を使っていても、死骸が残っていることがあるのです。

土壁はもともとカビにとっての栄養が豊富な素材でできているため、湿度や温度などの環境が整うと、カビは一気に発生してしまいます。

5.土壁にカビを発生させないための予防策

これまでにも何度かお伝えしていますが、カビに温度や湿度など、生育しやすい環境があります。
このカビが生育しやすい環境をなくすことで、土壁にカビを発生させなかったり、成長を止めたりすることができます。

カビが生育しやすい環境は、以下の3つです。

カビの好む栄養がある毛、フケ、アカ、爪、食品、油脂、花粉やダニの死骸など
カビの好む湿度である64%94%
カビの好む気温である25度〜28度(0度〜40度で生育可能)

このうち、カビの好む気温を避けて暮らすことは現実的でないため、カビの好む栄養や湿度を避けることで、土壁にカビが生育しやすい環境をなくしていきましょう。

具体的にどんなことをすればいいか、詳しく説明していきます。

5-1.土壁に物をかけない

洋服や和服、鞄など、その日に着用したものを土壁の長押(なげし)などに掛けたままにしていると、土壁は吸い込んだ湿気を放出できず、水分を蓄えてしまいます

湿気を取るため、クローゼット等に入れる前にひと晩かけておく程度なら問題はありませんが、ずっと掛けっぱなしにしていると、土壁にカビが生えやすくなります。

同様に、土壁の前に大きな家具を置いている場合も注意が必要です。

木製のたんすなど、土壁と同じく「呼吸する」家具であれば大丈夫ですが、土壁の前に物があると、吸湿した湿気を放出することが難しくなります。

土壁の長押に掛けた湿気のあるものは、できるだけ早く移動させ、プラスチックや合成樹脂などでできた家具がある場合は、壁から5cmほど離して置くようにしてください。

5-2.こまめに土壁の掃除をする

カビの胞子は空気中を漂い、ほこりや汚れがあるとそこに付着して栄養を得ます。
そのためまずは土壁にほこりや汚れを溜めないことが何より大切です。

ほこりを見つけたり、土壁を汚してしまったりしたら、その場ですぐに処理するようにしましょう。

土壁の掃除にあたっては、土壁のカビを除去する際の注意点でもお伝えしたように、水拭きと強く擦ることは厳禁です。

土壁は、以下のように掃除してください。

  • はたきや手ぼうきでほこりを払い落とす
  • アルコールを含ませた布で汚れを拭き取る

アルコールを使った拭き掃除をすると、たとえカビの胞子が土壁に付着していても繁殖することを抑えられるため、カビは発生しにくくなります。

5-3.室内を換気して湿度を下げる

カビは湿度の高い環境を好みますが、逆に湿度が60%以下になるとまったく生育できなくなります

窓のない和室ではエアコンをつけたり換気扇を回すほか、扇風機を回すなどしてこもった空気を入れ替えてください。

換気は以下のように行うと効率よくできます。

窓が一つの部屋の場合扇風機を窓の外に向けて回す
窓が複数ある部屋の場合できるだけ対角線上にある窓を二つ開ける
窓がない部屋の場合換気扇を回す、またはエアコンをつける

また、晴れた日には換気だけでなく自然光を取り込むことで、土壁だけでなく畳や襖まで、まとめて紫外線による除菌ができるので、ぜひ習慣にしてみてください。

6.土壁のカビを生やしたままでは危険!

土壁に生えてしまったカビをそのままにしておくと、見た目に気持ち悪いだけでなく、健康にも実際的な悪影響があります。

厚生労働省では、カビをシックハウス症候群の原因のひとつに挙げていて、以下のような症状があることを示しています。

化学物質やカビによるシックハウス症候群の症状

全身めまい、吐き気、嘔吐、頭痛、疲れやすい、皮膚の紅斑、蕁麻疹、湿疹、カサカサ
チカチカする、涙目
刺激感、乾燥、鼻水
唇の乾燥、せき
のど喉の乾燥

参考:厚生労働省「健康な日常生活を送るために シックハウス症候群の予防と対策」

また、土壁にできたカビを放置しておくと、壁の強度が低くなり、家の構造そのものが危険にさらされることもあります。

土壁にカビが生えているのを見つけたら放置せずにすぐに対処し、家族の健康と安心の住まいを守りましょう。

国際機関が認めた唯一の除菌工法を持つ特殊清掃の専門家

もしもすでに土壁のカビを長期間放置していたり、土壁が崩れてくる状態であれば、特殊清掃の専門家集団である株式会社リスクベネフィットにまずはご相談ください。

また、すでに正しい対策をしているはずなのに繰り返す土壁のカビにお困りの場合は、以下のような原因があるかもしれません。

  • カビ除去をしないまま壁の塗り直しをしている
  • 家の床下にカビの温床がある

このような状態では、どんなに強力なカビ取り剤を使ってカビ除去を行っても、その場凌ぎにしかなりません。

株式会社リスクベネフィットは、全国の特殊清掃業者をつなぐ業界最大手の専門家集団です。
水害現場の完全復旧や事故現場の特殊清掃に関する3つの特許技術を持ち、あらゆるシーンの特殊清掃に関する知識とノウハウを持っているため、特殊断熱材のある家屋についても安心してお任せいただけます。

  • 過去8,000件以上の豊富な実績
  • 自社特許技術で完全消臭を実現
  • 数値分析で臭いを視覚化
  • 国際機関(WHO・CDC)の認定を受けた、新型コロナウィルスにも対応した唯一の除菌工法

カビを丁寧に除去した後は、空間全体に善玉菌を送り込むことで、悪玉菌を寄せ付けないための防カビ処理も行います。

安心して長く暮らし続けるため、放置してしまった土壁のカビや繰り返すカビの除去は、ぜひリスクベネフィットにご相談ください。

7.まとめ

今回は、土壁にできたカビを、土壁を傷めずに除去する方法をお伝えしました。

土壁のカビは、以下の3つの方法で除去することができます。

土壁にできたカビの除去方法

土壁表面にできたカビエチルアルコール系除菌剤
土壁の表面〜内部の浅い部分にできたカビ土壁用カビ取り剤
土壁内部まで完全に侵食したカビ土壁を剥がして塗り替え

土壁のカビが、どの程度土壁そのものを侵食しているかは、以下を目安に判断してください。

土壁に生えたカビの侵食度の目安

土壁を拭いただけでカビが取れるカビは土壁の表面だけに生えている
土壁のカビは取れるが色が残るカビは土壁の表面〜内部の浅い部分に生えている
触れただけで土壁がボロボロと崩れ落ちるカビは土壁内部まで完全に侵食している

実際に土壁のカビを取る際には、土壁の意匠性を損なわないよう、以下の点に注意して行ってください。

土壁のカビを取る際の注意点

  • 水拭きをしない
  • 擦らない

なお、現代建築の中の土壁は、素材の性質上カビが生えやすい状態にあるため、日頃から以下の点に注意し、土壁にカビが生えないよう予防しましょう。

土壁にカビを発生させない予防策

  • 土壁にものをかけない
  • こまめに土壁の掃除をする
  • 室内を換気して湿度を下げる

土壁のカビを正しく除去し、その意匠性を楽しみながら、家族の健康と安心の住まいを守ってください。