汚泥処理の6つの方法と汚泥処理を依頼するときの4つのポイント

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汚泥処理の6つの方法と汚泥処理を依頼するときの4つのポイント

「汚泥はどのような方法で処理をしたらいいの?」
「汚泥にはどのような処理方法があるの?」

産業廃棄物である汚泥は産業廃棄物処理法に従い適切な処理をしなければならないため、どのように処理をすべきか悩んでいる企業は多いかと思います。

主な汚泥の処理方法としては、下記の6つがあります。

汚泥の主な処理方法

焼却脱水し乾燥させた汚泥を焼却炉で燃やす方法
焼却後の処理
埋め立て
都道府県の認可を受けている埋立施設に埋める
焼却後の処理
溶融処理
汚泥の焼却により発生した灰を1,200℃以上でもう一度焼却して溶かし砂のようなスラグ状にする
焼却後の処理
セメント原料化
セメントやコンクリートの原料となる粘土成分が含まれているため、セメント、コンクリート原料として活用する
埋め立て脱水、乾燥が完了している無機性汚泥ならば埋め立てをすることが可能
堆肥化脱水処理した有機汚泥を人為的に発酵させて肥料にする
メタン発酵有機物汚泥を微生物に分解させてメタンガスを発生させる

この方法はどのような汚泥にでも使えるわけではないため、排出される汚泥の種類や汚泥の量などを把握して比較検討する必要があります。

また、汚泥は産業廃棄物処理法に基づいていない処理をしないと汚泥を排出する企業側の責任も問われてしまうので、どのような業者に委託すべきか見極めるポイントを知っておくことも重要です。

この記事を最後まで読めば、汚泥の処理方法が把握でき自社に合う方法で処理できるようになるはずです。

事業活動を継続する限り、汚泥処理も続けていかなければなりません。納得いく方法で処理できるように、ぜひ参考にしてみてください。

この記事では、事業活動によって発生する汚泥の処理方法について解説しています。リスクベネフィットでは、水害復旧における汚泥撤去作業や床下の汚泥除去作業を行っています。水害などによって室内に侵入した汚泥の撤去について困っている場合は、お気軽にお問い合わせください。

1.汚泥の基礎知識

汚泥とは、事業活動をするうえで発生する泥状の物質の総称です。法令で定められた産業廃棄物に分類されるので、家庭から出るゴミのように勝手に処分することができません。

汚泥には水が混ざり合っている場合や汚泥の表面に水が付着している場合など、さまざまな形状があります。具体的な汚泥の処理方法については「2.汚泥処理の6つの方法」でご紹介するので、まずは汚泥の基礎知識をご紹介します。

1-1.汚泥の種類

汚泥には、有機性汚泥と無機性汚泥の2種類があります。

 特徴主な種類
無機性汚泥無機質で汚染された排水から出る汚泥・石灰
・酸化金属粉末
・圧延油や潤滑油などの油を含む排水など
有機性汚泥有機質で汚染された排水から出る汚泥・下水
・食品排水など

無機性汚泥とは、金属や石灰、石膏などの無機質によって汚染された排水から排出される汚泥です。特殊な加工をする工場や工事現場などで排出されます。

有機性汚泥とは有機質で汚染された排出から出る汚泥で、下水や食品排水など主に生活をするうえで発生する汚泥を指します。

ただし、無機性汚泥と有機性汚泥の区別は法律上の規定がなく、正確な基準が設けられていません。汚泥の処理方法を確認するときに、処理ができる汚泥施設や業者を把握するための目安として設けられたものです。

例えば、下水の汚泥を処理して欲しい場合、無機性汚泥の処理しかできない施設に連絡をしても処理することはできません。処理して欲しい汚泥が無機性汚泥なのか有機性汚泥なのか把握しておくことで、汚泥の処理方法が検討しやすくなります。

1-2.産業廃棄物で最も排出量が多いのが汚泥

産業廃棄物には法令定められた20種類が該当しますが、その中で最も排出量が多いのが汚泥です。

環境省の「産業廃棄物の排出及び処理状況」によると汚泥の排出量は、産業廃棄物全体の44%を占めています。

参考:環境省「令和2年度事業産業廃棄物排出・処理状況調査報告書」

汚泥を放置しておくと悪臭や雑菌の繁殖など衛生面で悪影響を及ぼすため、適正な処理が欠かせません。また、産業廃棄物である汚泥は不法投棄をすると罰則の対象となるので、次の章で紹介する方法に従って適切な処理をする必要があります。

2.汚泥処理の6つの方法

汚泥は脱水などの中間処理をした後に、主に下記のような6通りの方法で処理されます。

2-1.焼却

焼却とは、脱水し乾燥させた汚泥を焼却炉で燃やす方法です。有機性汚泥の場合は多くの有機物が含まれているので、そのまま放置すると悪臭や害虫が発生する原因となります。

焼却をすることで無機物となり、悪臭や害虫が発生しない状態で処分ができます。使用している焼却装置は業者によって異なりますが短時間で高温焼却するため、大量の汚泥を短時間で処理できるところが特徴です。脱水した汚泥を100トン焼却することで、およそ2トンの灰が排出されます。排出された灰は主に

  • 埋め立て
  • 溶融処理
  • セメント原料化

という3つの方法で最終的に処理されます。

焼却

対象汚泥有機性・無機性
二次廃棄物・燃え殻(ただし、溶融処理・セメント原料化などで活用できる)
・塵
特徴・大量な汚泥の容積を減らし処分しやすくする
・短期間で処理できる

2-1-1.焼却後の処理①埋め立て

四塩化炭素や水銀など廃棄物処理法で定められている有害物質を含まない灰は、都道府県の認可を受けている埋め立て施設に埋めることができます。

埋め立てをするには穴を堀って灰を埋める敷地が必要ですが、土地には限りがあるので残余容量がないと利用ができません。

近年は埋め立て場所の残余年数が減少しており、処分価格の値上げや処分ができないと断られるケースもあります。

参考:群馬県産業廃棄物情報「燃え殻、ばいじん、汚泥等の埋立処分方法」

東京都環境局「どういう方法でごみを埋め立てていますか。」

2-1-2.焼却後の処理②溶融処理

溶融処理とは、汚泥の焼却により発生した灰を1,200℃以上でもう一度焼却して溶かし砂のようなスラグ状にすることです。灰を高温で焼却することで灰に含まれるダイオキシンが分解され、環境に配慮した素材に生まれ変わります。

スラグ状になると容積が二分の一となるため、埋め立てを選択する場合は場所を取らないところも特徴です。

出典:今後の焼却灰溶融処理施設の運営について

また、汚泥から作られるスラグは砂に似た性質があるので、アスファルト合材の細骨材やタイル、道路舗装用のブロックなどに再利用されています。兵庫県では溶融処理で作られたスラグを再生資源の「エコ砂」として販売し、積極的に活用しています。

参考:兵庫県「下水汚泥溶融スラグ「エコ砂」

2-1-3.焼却後の処理③セメント原料化

汚泥の焼却により発生した灰は、セメントやコンクリートの原料となる粘土成分と同じ成分が含まれています。そのため、セメントやコンクリートの原料として活用できます。

セメント製造過程において灰を直接投入するだけなので、再利用しやすいところが特徴です。処理方法によっては、焼却をしないで汚泥をそのまま使用する場合もあります。

参考:北海道「下水汚泥のセメント原料化」

2-2.埋め立て

汚泥の焼却処理をしなくても脱水、乾燥が完了している無機性汚泥ならば埋め立てをすることが可能です。産業廃棄物埋立処分基準で汚泥を埋め立て処理するときは含水率85%以下にすると定められているため、これをクリアできれば埋め立て処理ができます。

ただし、焼却処理等をしていない分容積が大きく処分費がかさむ可能性があります。また、悪臭などが発生しやすく自治体によっては設備基準が厳しく設けられる場合があり、利用できる施設が限られているのが現状です。

参考:一般社団法人大阪府産業資源循環協会

埋め立て

対象汚泥無機性
二次廃棄物なし
特徴・焼却処理をしていない分容積が大きく、費用がかさむ
・処分場の残余量がなければ処分できない

2-3.堆肥化

堆肥化とは、脱水処理した有機汚泥を人為的に発酵させて肥料にする方法です。脱水処理した有機汚泥に微生物と適量の水を加えて、微生物が活性化しやすい温度で一定時間保管します。

一定期間を経ると、栄養価があり扱いやすい肥料が完成します。肥料は植物や野菜の栽培に活用でき、汚泥を土に戻すことが可能です。

堆肥化は環境負荷が少ない方法ではありますが、処理に時間がかかる、一定時間汚泥を貯めておける設備が必要などのデメリットがあります。

堆肥化

対象汚泥有機性
二次廃棄物なし
特徴・環境に配慮して汚泥の処分ができる
・汚泥を発酵させなければならないため処分に時間がかかる

2-4.メタン発酵

メタン発酵とは、有機物汚泥を微生物に分解させてメタンガスを発生させる方法です。

無酸素状態で微生物が活動しやすい温度を保ち一定期間管理することで、メタンガスが発生します。発生したメタンガスは、ボイラーやガス発電機の燃料として利用することが可能です。

また、有機物を分解する段階で発生する液肥は、肥料としても活用できます。この方法も環境に配慮し汚泥を処理でき、主に下水処理施設で導入されています。

参考:再生可能エネルギー推進協会「メタン発酵の基礎知識」

メタン発酵

対象汚泥有機性
二次廃棄物液肥など
特徴・環境に配慮して汚泥の処分ができる
・微生物を活発化させてメタンガスを発生させなければならないため、時間がかかる

3.汚泥処理の処理は認可を受けている業者に委託する

産業廃棄物である汚泥は、汚泥を排出した企業が最後まで責任を持ち処理をしなければなりません。この考え方を排出業者責任と言います。汚泥を排出した企業が汚泥の最終処理方法まで確認できていないと産業廃棄物処理法に反していることになり、措置命令などを受ける可能性があります。

汚泥の処理方法としては自己処理と委託処理の2種類がありますが、自社で適切な汚泥処理ができる施設を設けていない限りは委託処理となります。

自己処理事業者が自ら適切な汚泥処理をする方法
委託処理産業廃棄物処理業者に汚泥の処理を依頼する方法

委託処理をするときに重要なのは、都道府県に産業廃棄物処理業・産業廃棄物収集運搬業の届出を提出しており都道府県知事の許可を得ている業者であることです。

許可を得ている業者は汚泥処理ができる施設を有している、国家資格である廃棄物処理施設技術管理者が在籍しているなど一定の水準をクリアしていることになるので安心して委託できます。

先ほども説明したように汚泥を排出した企業に処理責任があるので、無許可の業者に依頼し不法投棄などをされると業者とともに企業も罰則を受けることになるのです。

どのような方法でもいいから汚泥処理をするのではなく、汚泥を排出する事業者には適切な処理が求められています。

参考:熊本県環境生活部廃棄物対策課「産業廃棄物の処理と方法」

4.汚泥処理の費用相場

汚泥処理の費用は

  • 汚泥の運搬費
  • 汚泥の脱水、乾燥などの中間処理費
  • 汚泥の処理費
  • 汚泥の処分量
  • 汚泥処理をする市町村

によって大きく異なります。汚泥の処分量が多いと運搬費、処分費ともに費用がかかります。また、汚泥処理の過程が多い場合や埋め立てのように利用できる土地に制限がある場合は、費用がかさむ傾向があります。

目安としては、運搬費なしで1トン10,000円前後で処分できることが多いです。これはあくまでも目安であり処理方法により工程や手間が変わってくるため、事前に見積もりを取って確認するようにしましょう。

5.汚泥処理を業者に依頼するときの4つのポイント

ここまで読むと、汚泥の処理は適切な処理ができる業者に依頼することが大切だと理解できたかと思います。そこで最後に、汚泥処理の業者を選ぶときにチェックしたい

  • 産業廃棄物処理の認可を受けている
  • マニフェストの作成をサポートしてもらえる
  • 環境に配慮した方法で汚泥を処理している
  • 料金体系が明確になっている

という4つのポイントをご紹介します。自社に合う汚泥処理業者を選ぶためにもぜひ参考にしてみてください。

5-1.産業廃棄物処理の認可を受けている

「3.汚泥処理の処理は認可を受けている業者に依頼する」でも解説したとおり、汚泥処理は産業廃棄物処理業・産業廃棄物収集運搬業の届出を提出し認可を受けている業者に依頼するようにしましょう。

汚泥の適切な処理は排出業者責任となるので、汚泥処理業者が適正に処理していないと汚泥を排出した企業も罰則を受けることになります。

認可を受けているかどうかは環境省の「産業廃棄物処理業者情報検索システム」で検索ができます。

汚泥処理を依頼する地域を選択し検索すると、認可を受けている産業廃棄物処理業者が一覧となって表示されます。依頼したい汚泥処理業者が該当するかどうか、事前にチェックしてみてください。

5-2.マニフェストの作成をサポートしてもらえる

汚泥処理をする産業廃棄物処理業・産業廃棄物収集運搬業と汚泥を排出する事業者は、産業廃棄物管理票(マニフェスト)を交わす必要があります。

マニフェストは下記のようなもので、双方の情報と汚泥の処理方法などを記載します。(電子マニフェストもあります)汚泥処理に必要なすべての情報を1枚のマニフェストにまとめることで、汚染が適切に処理されていることを証明する書類です。

出典:熊本県環境生活部廃棄物対策課「産業廃棄物の処理と方法」

マニフェストは産業廃棄物処理業・産業廃棄物収集運搬業と汚泥を排出する事業者の双方が5年間保管することが義務化されています。

マニフェストの対応ができるのはもちろんのこと、スムーズなやり取りができる業者を選ぶことで導入時の手間を省くことができます。

5-3.環境に配慮した方法で汚泥を処理している

汚泥は企業が事業活動をしている限り、発生し続けるものです。環境に負荷のかかる方法で処分を続けると環境へのダメージが大きくなるのはもちろんのこと、企業のイメージダウンに繋がります。

例えば、セメント原料化や溶融処理などは、汚泥を再利用できる形で処分し資源を有効活用できます。焼却して埋めてしまうだけは資源循環が難しいですが、目に見える形で再利用できるのは企業にとってもアピールポイントとなるでしょう。

昨今はサスティナブルへの関心が高まっているからこそ、環境負荷の少ない処分方法を検討してみてください。

5-4.料金体系が明確になっている

「4.汚泥処理の費用相場」でも解説したように、汚泥処理費用は

  • 汚泥の運搬費
  • 汚泥の脱水、乾燥などの中間処理費
  • 汚泥の処理費
  • 汚泥の処分量

などによって決まるため、各項目ごとにどれくらいの費用がかかっているのか明確に提示してもらいましょう。汚泥の運搬費は距離ごとの費用が、汚泥の処理費は1トンごとの費用が分かると安心でしょう。

また、どのような場合に追加料金が発生するのかなども確認しておくと、後から予想外の料金が請求されることがありません。汚泥処理は処理方法によって処理料金が大きく異なるからこそ、事前に把握し継続して依頼できる方法を選ぶようにしてみてください。

この記事では事業活動によって発生する汚泥の処理方法について解説してきましたが、リスクベネフィットでは、水害復旧における汚泥撤去作業や床下の汚泥除去作業を行っています。

床下浸水や床上浸水をしてしまうと家屋内に多くの汚泥が混入しますが、一般的な清掃では床下や壁の隙間に溜まった汚泥を取り除くことは難しいです。

リスクベネフィットでは豊富や経験と知識を活かして、スピーディーに汚泥を撤去し1日でも早い復旧を目指します。水害などによって室内に侵入した汚泥の撤去について困っている場合は、お気軽にお問い合わせください。

6.まとめ

いかがでしたか?事業活動で排出される汚泥は、どのように処理するべきか把握できたかと思います。最後に、この記事の内容をまとめてみると

汚泥には有機性汚泥と無機性汚泥の2種類がある

 特徴主な種類
無機性汚泥無機質で汚染された排水から出る汚泥・石灰
・酸化金属粉末
・圧延油や潤滑油などの油を含む排水など
有機性汚泥有機質で汚染された排水から出る汚泥・下水
・食品排水など

汚泥は産業廃棄物の中でも排出量が最も多く、適切な処理が求められる

汚泥の主な処理方法は次の6

1)焼却:脱水し乾燥させた汚泥を焼却炉で燃やす方法
焼却した灰は、主に下記の3つの方法で処理をする

  1. 埋め立て:都道府県の認可を受けている埋め立て施設に埋める
  2. 溶融処理:汚泥の焼却により発生した灰を1,200℃以上でもう一度焼却して溶かし砂のようなスラグ状にする
  3. セメント原料化:セメントやコンクリートの原料となる粘土成分が含まれているため、セメント、コンクリート原料として活用できる

2)埋め立て:脱水、乾燥が完了している無機性汚泥ならば埋め立てをすることが可能

3)堆肥化:脱水処理した有機汚泥を人為的に発酵させて肥料にする方法

4)メタン発酵:有機物汚泥を微生物に分解させてメタンガスを発生させる方法

産業廃棄物である汚泥は、汚泥を排出した企業が最後まで責任を持ち処理をしなければならない

汚泥の処理方法としては自己処理と委託処理の2種類があるが、自社で適切な汚泥処理ができる施設を設けていない限りは業者に委託し適切に処分をしてもらう必要がある

汚泥処理の費用相場は、運搬費なしで1トン10,000円前後

これはあくまでも目安であり処理方法により工程や手間が変わってくるため、事前に見積もり依頼が欠かせない

汚泥処理を業者に依頼するときのポイントは次の4

  1. 産業廃棄物処理業・産業廃棄物収集運搬業の届出を提出し認可を受けている
  2. 交付と保存が義務化されているマニフェストの作成をサポートしてもらえる
  3. 環境に配慮した方法で汚泥を処理している
  4. 運搬費や処理費用など料金体系が明確になっている

この記事をもとに具体的な汚泥処理の方法が把握でき、自社に合う処理方法が叶う業者に依頼できるようになることを願っています。