特殊清掃とは何?現場別の作業内容・費用と実例を分かりやすく紹介

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特殊清掃とは何?現場別の作業内容・費用と実例を分かりやすく紹介

特殊清掃とは、通常の掃除やハウスクリーニングでは綺麗にしきれない場所を、専門の薬剤や機材を使用して徹底的に清掃することを言います。

最近は、孤独死現場における特殊清掃を取り扱ったドキュメント番組や取材記事が増えてきたこともあり、「孤独死」と「特殊清掃」をセットで考えている方も多いのではないでしょうか?

しかし実は、特殊清掃が必要とされるのは、孤独死が起こった場合のみとは限らないのです
例えば孤独死の他に、次のような局面でも特殊清掃業者が利用されています。

  • ゴミ屋敷
  • 水害現場
  • 火災現場
  • ペット屋敷(多頭飼育崩壊等)

こういった現場では、特別な薬剤を使用した清掃、除菌消毒、徹底消臭、床材等の解体といった専門技術が必要となるため、業者による特殊清掃が行われるのです。

特殊清掃について、その専門的な技術や様々なケースで利用できることを知らないと、特殊清掃が必要な状況に直面しても解決策が分からず、いつまでもその問題に悩み続けることになってしまいます。

そうならないために、この記事では「特殊清掃とは何か?」を徹底的に解説した上で、

  • 特殊清掃が利用される局面
  • 特殊清掃で行う作業内容
  • 特殊清掃の実際の事例
  • 特殊清掃を依頼するべき状況

について説明します。
さらに、特殊清掃の依頼が必要な方のために、費用相場や業者選びのポイント依頼する際の注意点も紹介していきます。

この記事を読めば、特殊清掃がどんなものかを理解した上で、あなたにとって特殊清掃が必要かどうかが分かり、適切な業者にスムーズに依頼することができるようになります

特殊清掃に対する疑問を解消し、あなたが置かれている状況を速やかに改善するために、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

1. 特殊清掃とは?

冒頭でもお伝えしたように、特殊清掃とは、通常の清掃では対応しきれない汚れや臭いを、専門の薬剤や機材を使用して徹底的に掃除することです

下記のグラフの通り、日本では孤独死が年々増加していて、それに伴って特殊清掃の需要や認知度も拡大しています。

出典:国土交通省

とはいえ、専門の薬剤や機材を使用した清掃が必要なのは、孤独死が発生した場所だけではありません
孤独死現場での特殊清掃は、テレビ番組や書籍で取り上げられる機会が多いので、「特殊清掃=孤独死現場の掃除」とイメージされているかもしれませんね。

しかしそうではなく、特殊清掃の技術が必要なたくさんのケースのうちの一つが孤独死現場というだけなのです。

つまり、強烈な臭いを完全に消したり、市販の洗剤では落とせないような汚れを落としたいなら、孤独死現場に限らず特殊清掃が必要になりますし、特殊清掃の業者に相談するべき事態なのです。

ここでは、状況や場所に囚われず特殊清掃を適切に利用するための第一歩として、まずは

  • 特殊清掃でできること
  • 特殊清掃と合わせて利用できるサービス

について理解していきましょう。

1-1. 特殊清掃でできること

通常の清掃では綺麗にしきれない場合に必要とされる特殊清掃ですが、具体的に何ができるのかはよく分かりませんよね。

特殊清掃でできることは、かなりシンプルに分類すると次の3つです。

  • 清掃、洗浄
  • 除菌消毒
  • 消臭

この3つを確実に行うことが特殊清掃の基本となります。
言い換えれば、

  • 市販の洗剤では取れない汚れ/害虫
  • ウイルスや細菌の蔓延
  • 強烈な臭い

といった問題を抱える現場を、一般的な清掃では対応できない方法で清掃するのが特殊清掃の基本です。もう少し詳しく言うと、それぞれの問題に対して次のような方法でアプローチしていきます。

市販の洗剤では取れない汚れ/害虫・専門の薬剤や機材による清掃
・床材を解体して、床下に到達した汚れを取り除く
・殺虫剤の噴霧による害虫の徹底駆除
ウイルスや細菌の蔓延・防護服やゴーグルを装備
・専門の薬剤や機材による消毒、除菌
・消毒や除菌の際に死滅した善玉菌の補填
強烈な臭い・専門の薬剤や機材による消臭、脱臭
・床材を解体して、床下に到達した匂いの元を除去、封じ込める
・臭いを吸収した壁紙を剥がす

このように専門的な技術や薬剤・機材を用いて、各現場を「人が普通に立ち入れる場所」、「人が住める場所」に回復できるのが特殊清掃なのです。

1-2. 特殊清掃と合わせて提供されるサービス

特殊清掃でできる基本的なことはお分かりいただけたかと思いますが、実際の現場では基本的な特殊清掃+付帯サービスを提供することが多いです。

もし業者が基本的な特殊清掃しか行わなかったら、臭いが染み込んだゴミの処分や、特殊清掃が必要な箇所以外の清掃は依頼者自身でしなければなりません。
でも、できることなら室内や自宅全体が綺麗な状態になるまでに必要な作業は、全て任せてしまいたいですよね。

そのようなニーズに応えられるよう、特殊清掃業者では次のような作業も行ってくれることが多いです。

  • ハウスクリーニング
  • 遺品整理
  • 家財撤去
  • ゴミの処分
  • 賃貸物件の返却立ち合い
  • 保険対応

一つずつ紹介していきますね。

1-2-1. ハウスクリーニング

特殊清掃の基本的な作業が終わった後に、依頼者の要望があればハウスクリーニングも行ってくれます。

ハウスクリーニングの範囲で清掃することが多いのは、

  • キッチンシンク
  • 浴室
  • トイレ
  • ガスコンロ
  • 換気扇

といった水回りや頑固な油汚れが付きやすい場所です。

特殊清掃現場では、汚れが素人の手には負えないものになっていたり、依頼者自身では清掃できない事情があることが多く、そのような場合にはハウスクリーニングも必要とされています。

特殊清掃と合わせてハウスクリーニングが必要になるのは例えば次のようなケースです。

原状回復の必要がある孤独死現場
住人が亡くなったことで賃貸契約を解約し、物件を返却する場合には、遺族は部屋を原状回復する必要があります。室内は故人が生活していた状態のままなので、ある程度の生活汚れが付いているはずです。
そのため特殊清掃を行った後、原状回復のためには通常の清掃も必要になりますが、精神的に遺族の手で掃除するのは難しいことも多々あります。 そこで、特殊清掃と合わせてハウスクリーニングのサービスが必要となるのです。

何年も掃除されていないゴミ屋敷
ゴミ屋敷化してしまった部屋は、掃除も長期間されていない場合がほとんどです。特に何年間も放置された水回りの汚れは家主の手に負えないことが多く、ゴミ屋敷の清掃では、特殊清掃に加えてハウスクリーニングもよく一緒に利用されます。

こうした状況で特殊清掃に加えてハウスクリーニングも行えば、汚れが取れて綺麗になることはもちろん、消臭もより徹底したものになります

1-2-2. 遺品整理

孤独死現場の特殊清掃とセットで行われることが多いのが遺品整理です。

故人の方が遺したものを遺族と共に、場合によっては代行して整理するサービスで、形見として残すものと不要なものを慎重に分類し、不用品を撤去・処分するところまで行ってくれます。

遺品整理を第三者の手で行うことに違和感を感じられるかもしれませんが、孤独死現場の以下のような状況から、特殊清掃と合わせて遺品整理のサービスも必要となってくるのです。

  • 突然家族が亡くなり、心理状態的に遺族による遺品整理が難しい。
  • 賃貸物件の返却のため、急いで遺品整理をする必要があり遺族だけでは対応できない。
  • 布製や紙製の物を形見として残したいが、臭いが染み付いていて消臭・梱包の必要がある。

特殊清掃業者の方もこのような状況を把握していて、需要が高いことから遺品整理を付帯サービスとしていることが多いのです。

身内が孤独死した場合の遺品整理について、より詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

1-2-3. 家財撤去

特殊清掃を行った現場に不要な家財が大量にある場合は、その撤去も特殊清掃業者に任せることができます

  • 賃貸物件の孤独死現場を家主や管理会社に返却するために原状回復する
  • ゴミ屋敷で家具が傷んでいる
  • 床上浸水で家財一式がダメになってしまった

といった場合には特殊清掃を行った上で、不要になった家具や水に浸かって使用できなくなった家電を大量に撤去しなければなりません。
依頼者側でそのような大型の家具・家電を処分するためには、次のような作業が必要となります。

  • 自治体への粗大ゴミ回収の依頼
  • 粗大ゴミ処理券の購入、添付
  • 家電の収集ができる販売店や業者への回収依頼
  • 郵便局でのリサイクル料金の支払い
  • 室内からの運び出し

このように、全てを一括で処分できるわけではないので時間も労力もかかってなかなか大変です。

こうした依頼者の負担を軽減するため、特殊清掃業者では家財の運び出しや処理会社への引き渡しサービスを用意していることが多いです。
特殊清掃に加えて家財撤去が必要な場合は、こうした対応ができる業者を選ぶと良いですよ。

家財撤去について、特殊清掃業者に依頼する以外の方法についても知っておきたい方は以下の記事を読んでみてください。

1-2-4. ゴミの処分

ゴミ屋敷や火災現場での特殊清掃には大量のゴミがつきものです。その大量のゴミを適切に処分するため、

  • 分別
  • 梱包
  • 運び出し
  • 処理業者への引き渡し
  • 市区町村/都道府県との処分方法に関する協議(火災ゴミの場合)

といったサービスを提供している特殊清掃業者もあります。

実際に処理・処分するのは、各自治体から許可を得た別業者である場合がほとんどですが、許可を持っている処理業者への引き渡しや、それまでに必要な作業を特殊清掃と並行して行ってくれます

ゴミの処分が必要になる現場の中でも、特に火災現場で出たゴミに関しては、処理方法を各自治体の指示に従う必要があり、分別も複雑で、かなりの労力を要します。火災に遭った上に、そのような作業を依頼者側で行うのは体力的にも精神的にも負担が大きいですよね。

こうした事情から、火災現場の特殊清掃を多く経験している業者では、特殊清掃と合わせて火災ゴミの処分も行ってくれるのです。

そうした作業までカバーしてくれるのはありがたいですよね。

1-2-5. 賃貸物件の返却立ち合い

特殊清掃に入った物件が賃貸で、最終的に物件を不動産会社や管理会社に返却する場合には、引き渡しの場に特殊清掃業者が立ち合ってくれる場合もあります。

特殊清掃を利用したことのない方からすれば、

「そんなサービス必要?」

と不思議に感じますよね。

なぜこのサービスが必要とされるか、孤独死現場を例に考えてみましょう。

賃貸物件で一人暮らしをしていた親族が、自宅で亡くなっていたとします。遺族の方は、その部屋の特殊清掃を依頼し、更に原状回復をして家主や管理会社に部屋の返却をしなければなりません。
返却の日になって、遺族と家主側で室内をチェックする時、実際に特殊清掃を行ったわけではない遺族は、

  • 時間が経っても臭いが戻ることはないか
  • どんな作業を行ったのか

という家主側の確認にうまく回答できず、困ってしまいます…

このように、物件の返却の場に遺族と家主しか居ない場合、遺族はうまく部屋の状況が説明できず、家主側も確認すべきことがわからないままで困った状況になってしまいます。

そこで、実際に特殊清掃を行った業者のスタッフがその場に出向き、部屋の汚れや臭いをどのような作業で落としたか、どのように原状回復を行ったか等の施工内容を家主側に説明することが必要になってくるのです。

こうしたサービスがあることで、管理者側も納得することができ、解約の手続きがスムーズに進みやすくなります。
また依頼者側も、自分の代わりに作業内容を詳しく説明してもらえるのは心強いですよね。

1-2-6. 保険対応

依頼者が孤独死保険や火災保険に加入していた場合、保険金を請求するために

  • 作業見積もりの提出
  • 作業内容の説明

といった対応が必要になります。

こういった保険対応は、慣れていない人にとっては分からないことも多いですし、よく分からないまま話が進むことで行き違いが起こり、もらえるはずの保険金がもらえないという事態にも繋がりかねません。

そんな依頼者の損失を避けるために、保険対応の代行を付帯サービスとしている特殊清掃業者もあります。
多くの依頼者は保険対応の経験が無い場合が多いですが、こうしたサービスを行う特殊清掃業者は保険対応に慣れています。保険金を適切に受け取るために、

  • どのような特殊清掃や作業を施したか
  • その作業がなぜ必要だったのか

などを的確に説明してくれます。
保険に加入しているなら、自分で対応するよりも保険対応に慣れている業者に任せた方が確実です。

大家向けの孤独死保険について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

2. 特殊清掃業者が利用される局面

特殊清掃でできることや、特殊清掃業者による付帯サービスを見ていただきました。この内容から、特殊清掃が孤独死現場に限らず、色々な現場で役立つことがお分かりになってきたのではないでしょうか?

実際に特殊清掃は次のような様々な局面で必要とされています。

  • 孤独死現場/事件現場
  • ゴミ屋敷
  • 水害現場
  • 火災現場
  • ペット屋敷

ここでは上記の局面で特殊清掃がどのような問題に対処しているのかを紹介します。

2-1. 孤独死現場/事件現場

まずはメディアでもよく取り上げられる孤独死現場と事件現場での特殊清掃についてお話しします。

孤独死現場と事件現場に共通する最大の難点は、室内に遺体があったことです。発見までの日数等、それぞれの現場の状況にもよりますが、室内に遺体があったことで、

  • 死臭
  • ウジ虫・ハエの発生
  • 体液や血液の汚れ
  • 遺体や血液が原因の細菌・ウイルスの繁殖

といった素人にはどうしようもできない問題が発生します。
特に細菌やウイルスの繁殖は大変危険な事態で、防護服無しで室内に入れば感染症や体の不調を引き起こす恐れがあります。

特殊清掃では徹底した洗浄・消臭・消毒を行うことで、こうした問題に対処します。
特殊清掃の作業があってはじめて、孤独死現場や事件現場は人が安全に出入りできる環境に戻すことができるのです。

2-2. ゴミ屋敷

ゴミ屋敷の片付け・清掃でも特殊清掃が必要とされています。
一見するとゴミを捨てればゴミ屋敷の問題は解決するようにも思えますが、実はゴミ屋敷は次のような問題を抱えているのです。

  • 大量のゴミ
  • ゴミの腐敗臭
  • 長年蓄積された汚れ
  • 害虫や害獣の発生
  • 雑菌の繁殖

大量のゴミに加えて、ゴミから発生した悪臭や、長年ゴミで埋もれている床やキッチンの汚れ、ゴキブリやネズミの発生に対してまとめて対処するなら特殊清掃の基本作業や付帯サービスが必要になります。

また、ゴミ屋敷化してしまった部屋は換気をしていないことが多く、その中でゴミが溜まり害虫や害獣も発生しているため、雑菌が繁殖している可能性が高いです。

特殊清掃の消毒・除菌技術もゴミ屋敷清掃では重要なことなのです。

2-3. 水害現場

特殊清掃の洗浄・消臭・消毒技術は水害現場でも活かされています。

「水害の復旧に本当に特殊清掃が役立つの?」
と、なかなかイメージしづらいかもしれませんが、まずは浸水の発生した建物に起こる問題を見てみましょう。
浸水のあった建物では、

  • 汚泥や汚水の流入
  • 雑菌の繁殖
  • 悪臭
  • カビの繁殖
  • 使用できなくなった大量の家財

といった問題が出てきます。

建物内に流れ込んでくる泥や水は、外のゴミや汚れも一緒に運んでくるため、悪臭や雑菌が発生し、水がなかなか引かなければカビも生えてきます。
特殊清掃では、こうした悪臭や雑菌・カビに対して適切な方法で消臭・消毒を行い対処しています。

また水害現場の経験が豊富な業者なら、床下・床上に流入した泥や水を排除するところから対応できますし、使えなくなった家財の処分も手配してくれます。

自宅が浸水してしまった場合、ご自身で片付けたりボランティアの方に清掃を手伝ってもらったりするケースも多いですが、その後も長く住み続けるなら、特殊清掃を依頼して消毒や消臭を徹底してもらえると安心ですよね。

2-4. 火災現場

火災のあった建物を再度利用するのであれば、特殊清掃を行う必要があります。

火災後の建物では、

  • ススの付着
  • 焦げたような臭い
  • 大量の火災ゴミ(通常のゴミ収集はしてもらえない)
  • 有害物質の発生

といった問題を抱えることになり、素人やハウスクリーニングではとても対応することができません。

火災現場に慣れている特殊清掃業者であれば、スス汚れや焦げ臭さに対して徹底した清掃・消臭を行い、火災ゴミや有害物質の発生に対しては、

  • 火災ゴミの分別・梱包、自治体と協議した上での処分
  • 専用の機材による有害物質の分解

といった対応を行ってくれます。

2-5. ペット屋敷

多頭飼育崩壊の起こった犬屋敷・猫屋敷などでも特殊清掃の技術やサービスが役立ちます。
ペット屋敷では多くの動物が生活していて、飼い主が世話をしきれず、その結果次のような問題が起こっています。

  • 糞やおしっこによる悪臭
  • 糞やおしっこによる汚れ
  • 雑菌の繁殖

特におしっこによる汚れは床下まで染み込んでいるケースがほとんどで、これを清掃しなければ悪臭もなくなりません。そうなると床の解体や畳の撤去を行う必要があり、通常の清掃では対処することができないのです。
また、放置された糞にはウイルスや雑菌が潜んでいて、専門の薬剤での清掃と除菌が必要です。

このように、ペット屋敷の抱える問題に、確実かつ安全に対処するために特殊清掃が利用されているのです。

3. 特殊清掃で行う作業

特殊清掃が必要となる局面とそれぞれの現場が抱える問題について紹介しました。どのケースでも通常の掃除やハウスクリーニングでは対応できない汚れや臭い、雑菌の繁殖といった問題が起こっていましたね。

特殊清掃によってこうした問題に対処していくのですが、具体的にどのような作業を行っているのか分からなければ、本当にきちんと清掃・消臭・消毒ができているのか疑問が残りますよね。

そこでここでは、

  • 孤独死現場/事件現場
  • ゴミ屋敷
  • 水害現場
  • 火災現場
  • ペット屋敷

で行われている特殊清掃の作業内容についてお話ししていきます。
細かい作業内容は業者によって異なるので、今回は弊社、株式会社リスクベネフィットの作業方法を例に説明します。

各現場での作業の流れも含めて知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください。

3-1. 孤独死現場/事件現場での作業内容

孤独死や事件が起こった現場では、遺体のあった場所や発見までにかかった日数によって作業内容が少しずつ変化しますが、どのような場合でも実施される最低限の作業を次の表にまとめました。

作業内容作業詳細・目的
汚染物除去体液が染み込んだ敷物や畳、ベッドマット等を梱包し撤去。
この作業で細菌やウイルス、臭いの発生源を取り除く。
汚物清掃遺体のあった場所を中心に、血液・体液・糞尿等を清掃。
作業員が汚れた場所を踏んで汚染箇所を広げることを防ぐ効果もある。
ライト照射確認紫外線を照射して、汚染物が除去できたか、汚物清掃した箇所に残留物が無いかを確認。
消毒剤散布消毒剤を噴霧器を使用して散布。
壁や天井、カーテン・窓に付着した病原菌を死滅させる。
オゾン燻蒸高濃度オゾン発生器を設置して、除菌・消臭を行う。
ウジ虫・ハエの除去剤散布発生しているウジ虫やハエを専用の薬剤で殺虫・除去。
近隣への対策基本の特殊清掃が完了しても、遺品等が残っていて原状回復には至っていない場合、玄関の隙間に養生テープを貼って、臭い漏れを防止。

ここまでの作業を終えることで、ご遺族やお部屋の管理者の方が防護服なしで立ち入っても問題のない環境に回復します

さらに、体液が床下まで染み込んでいる場合や完全消臭のためには、

  • 床を解体した上での洗浄・消毒
  • 壁のクロスを剥いだ上での洗浄・消毒
  • 解体できない部分に染み付いた臭いを封じ込めるための特殊コーティング

といった作業も行われます。
他にも現場の状況や依頼者の要望に応じて、必要な作業があれば追加で実施されます。

3-2. ゴミ屋敷での作業内容

ゴミ屋敷では、まず大量のゴミを撤去する必要がありますが、ゴミが無くなっただけでは雑菌や害虫は除去することができず、不十分です。

人が安全に生活できる環境に戻すために、次のような作業が行われています。

作業内容作業詳細・目的
ゴミや不用品の撤去ゴミを分別・梱包し、処理業者へ引き渡す。
ハウスクリーニングゴミに埋もれていた床や壁の清掃。
消臭ゴミから発生した悪臭を除去。
共用部養生ゴミの搬出時に廊下やエントランス等の共用部を汚さないようにシートやテープで養生。
消毒剤散布ゴミや害虫・害獣が発生源となった雑菌を消毒剤により死滅させる。
害虫の除去剤散布専用の薬剤で害虫を殺虫・除去。

このような作業を行うことで、ゴミ屋敷だった室内のゴミを取り除き、衛生的にも安心できる状態にすることができます

3-3. 水害現場での作業内容

水害による浸水が発生した家屋には、外のゴミや汚れも水と一緒に流れ込んでいます。そのため、時間が経つと共に雑菌やカビが繁殖し、想像以上に不衛生な環境になっています

汚水や汚泥の除去に加えて、徹底した消毒が必要になるのが水害現場での特殊清掃です。一般的に行われる作業内容は次の表にまとめています。

作業内容作業詳細・目的
排水排水ポンプを使用し、床下に流れ込んだ水を排水。
汚泥除去・洗浄室内や壁裏、床下に入り込んだ汚泥をそれぞれの場所に適した方法で除去し洗浄。家の腐食を防ぐためにも必要な作業。
消毒剤散布床下の洗浄が完了し、汚物が無くなった状態で、仕上げとして専用の消毒剤を散布。
オゾン燻蒸オゾン発生器を設置して、除菌・消臭を行う。 床下にも床上にも有効な作業。
床上清掃床上まで浸水した場合は、床や壁を清掃。
壁の裏側で雑菌が繁殖することを防ぐため、壁裏の洗浄・消毒も行う。
家財撤去水に浸かって使用できなくなった家財の撤去。
解体床下や壁裏の洗浄を行うために必要な解体作業。
※特殊清掃業者が建築業許認可を取得している場合にのみ可能な作業です。
カビ除去高温スチームや専用の薬剤によるカビ菌の除去。

床上まで浸水し、その後もその家屋に人が住み続ける場合にはこのような作業が必要です。見ていただくと分かる通り、作業範囲がかなり広いですよね。

そのため、復旧に必要な作業を全て特殊清掃業者に任せたいのであれば、水害復旧の経験が豊富で建築業の許認可を取得している業者の選定が必要になってきます。

3-4. 火災現場での作業内容

水害現場と同じく、幅広い作業が必要になってくるのが火災現場です。
火災現場では有害物質が発生しているケースもあり、清掃・消毒・消臭に加えて、有害物質の除去や化学物質の測定を行います。

そうした作業も含めて、次のような作業が火災現場では行われています。

作業内容作業詳細・目的
ゴミの分別・梱包一般のゴミには出せない火災ゴミの分別と梱包を行う。
処分については市区町村や都道府県と協議し、対応。
解体火災でダメージを受けた建物や内装の解体。
※特殊清掃業者が建築業許認可を取得している場合にのみ可能な作業です。
スス清掃一般家屋の軽微な火災なら手作業で細かいところまでススを除去。
工場火災などの場合は、ススの成分に合わせて現地で薬剤を調合し、素早くきれいに仕上げる。
ケレン作業壁や天井に焼き付いたススを工具を使用して徹底的に落とし、臭気の元を除去する。
有害物質酸化分解火災によって発生した有害物質を化学分解し、人が安全に立ち入れる環境に戻す。
特殊コーティング解体しづらい場所に染み付いたスス臭を、コーティング剤を塗って封じ込める。
完全消臭超高濃度のオゾンや専門の薬剤などを使用してスス臭や焦げ臭さを消臭。
ダイオキシン濃度測定ダイオキシンなどの有害成分が残っていないか確認するため、化学検査を実施。

火災現場での特殊清掃がかなり広範囲に及ぶことがお分かりいただけたでしょうか?
こうした作業を全てカバーするには、やはり特殊清掃業者の中でも火災現場に慣れている業者の選定が必須ですが、その分経験豊富な業者にここまでやってもらえれば、かなり安心できますよね。

火災現場での特殊清掃の内容について、作業の流れも含めて詳しく知りたいという方は、下記の記事も参考にしてみてください。

3-5. ペット屋敷での作業内容

ペット屋敷の清掃では、糞尿汚れの清掃や消臭、放置した汚れから発生した雑菌の消毒をバランスよく行っていく必要があります

ペット屋敷の特殊清掃では、次のような作業を行うことで、汚れ・臭い・雑菌を取り除いていきます。

作業内容作業詳細・目的
糞除去室内の糞を専門の薬剤を使用して除去。
清掃中に粉末化することがあり、ウイルスや雑菌も潜んでいるため、防護マスクを着用して作業を進める。
家財等の拭き取り再利用する家財の清掃。
壁紙剥がし臭いを吸着しやすい壁紙を剥がす。
壁紙の消臭を行うより効果的で費用も安く済む。
床解体ペットのおしっこが床材に染み込んで腐っている場合は、その部分を解体する。
除菌ペットのおしっこなどを栄養源として繁殖した雑菌の除去。
雑菌も臭いの原因となるため、消臭効果もある。
フェロモン臭分解ペットのおしっこに含まれるフェロモン臭を分解。
特殊コーティング解体した上での清掃が難しい場合は、コーティング剤を塗り、臭いを封じ込める。
完全消臭超高濃度のオゾンや専門の薬剤を使用して完全な消臭を行う。

見ていただいた通り、ペットのおしっこ臭はかなり厄介なもので、特殊清掃による専門的な消臭対応が必要です。また、合わせて除菌や清掃も徹底的に行うことで、やっと完全な消臭が可能になるのです。

4.【現場別】特殊清掃の事例紹介

ここまでで、特殊清掃にできることや各現場での具体的な作業内容はお分かりいただけたかと思います。
とはいえ、特殊清掃が利用される局面はどれもイレギュラーな事態であるため、なかなかイメージしづらい部分もありますよね。

そこでここでは、特殊清掃が行われた実際の事例を紹介します。作業中の画像も掲載しているので、特殊清掃の内容についてより理解が深まるはずですよ。

4-1. 孤独死現場の特殊清掃事例

孤独死の特殊清掃は状況によって作業内容が変わりますが、今回は人が安全に立ち入れる状態に戻すための基本的な作業場面を紹介します。

状況としては、故人が畳の上で亡くなられていた事例です。

まずは室内に消毒剤を散布します。空中に浮遊する雑菌を落下させることで、作業員が飛沫感染することのないようにします。

次に体液の付着したものを撤去していきます。畳も剥がして廃棄します。
この時、体液を踏んでしまうと汚染箇所が拡大してしまうため、体液を踏まないように注意をしながら作業を進めます。

畳の下まで体液が染みていたので、洗浄を行います。
洗剤だけではなく、様々な薬品を合わせて使用することで徹底的に洗浄していきます。

洗浄した箇所を乾燥させて、コーティング剤を塗っていきます。この作業によって、わずかな臭いも封じ込めます。
コーティング剤は臭気の程度によって、使用する種類を変えています。

コーティングが終わり、さらに殺菌消毒と簡易消臭を施したところで人が立ち入れる状態にするための特殊清掃作業は完了です。
この後に家財整理や原状回復作業が必要な場合もあり、そうした作業も一貫して依頼されるケースが多いです。

この他にも孤独死現場の特殊清掃事例をお知りになりたい場合は、「孤独死清掃の最新施工事例」をご覧になってみてください。

4-2. ゴミ屋敷の特殊清掃事例

ゴミ屋敷の事例で紹介するのは、集合住宅でゴミ屋敷化してしまい、ゴミの量もかなり大量だったケースです。

まずは、ゴミの分別と袋詰めを行います。相当な高さまで積み上げられたゴミを一つ一つ分別していきます。

ゴミの中には生モノも多く、害虫が発生していたため消毒剤も散布します。作業員も細菌を吸い込んでしまう危険があるので、作業中定期的に室内の消毒を行います。

ゴミの分別・袋詰め作業と並行して、共用部分の養生を行います。ゴミを搬出する時に汚れが付着するのを防ぐための作業です。
画像はエントランスの様子ですが、廊下やエレベーター内も同様に養生します。

ゴミの袋詰めが終わったら、地域の廃棄物収集運搬業者に回収に来てもらい、ひとまず基本的な特殊清掃は一段落です。
ゴミの搬出が終わった後の清掃を希望された場合は、さらにハウスクリーニング等の作業が続きます。

この他にもゴミ屋敷の特殊清掃事例をお知りになりたい場合は、「テクニック満載!ゴミ屋敷片付け事例集」をご覧になってみてください。

4-3. 水害現場の特殊清掃事例

水害現場では、浸水が床上まで達していたかどうかや水の引き具合によって作業範囲が変わってきます。
今回ご紹介するケースは、床下浸水で発生から期間が空いてからの依頼だったため、水も引いた状態でした。

まずは依頼者の許可のもと、床下で作業を行うための穴を空けます。

床下に潜り状況を確認すると、水害発生時には床板ギリギリまで水が到達していたようでした。そのため床板には水が運んできた細かいゴミがへばりついており、これをブラシや箒で丁寧に落としていきます。

床下の清掃が終わったら、噴霧器を使って消毒剤を床下全体に散布します。

消毒作業の仕上げにオゾン脱臭機を使用します。消毒作用のある気体を発生させ、悪臭の原因となる雑菌を死滅させるため消臭にも繋がります。

水害発生前は床下からの湿気を防止するための防湿シートが敷かれていたので、防湿シートの再設置も行いました。

汚水の出入り口となる通風孔のチェックや、外側からの仕上がり確認を行い、作業完了です。

この他にも水害現場の特殊清掃事例をお知りになりたい場合は、「水害復旧作業事例」をご覧になってみてください。

4-4. 火災現場の特殊清掃事例

火災現場での特殊清掃は、ススの清掃に最新の注意を払う必要があります。煙の入り込める場所ならどこにでもススが付着するため、かなり細かいところまで清掃しなければなりません。

今回はそんな一例として、隣家で火事が発生した家屋での清掃事例を紹介します。

清掃に入った現場で火災が起こったわけではないので、家財を撤去したり内装を解体したりという作業は発生しませんが、その分室内にある家財をとにかく細かく拭きあげていく必要があります。

プラスチック棚の内部にまでススが回っていたので、一段一段丁寧に拭いていきます。それぞれの家財の清掃が終わったら、チェック係による確認も行い、確実にススを除去していきます。

ススの除去や室内の清掃が終わったら、消臭作業に入ります。
特殊な薬剤を使って家財に染み込んだ臭いを落ちやすくした上で、オゾンによる消臭・有害成分の無害化を行います。
このように家財を室内に残したまま汚れと臭気を取り除いて作業完了となります。

この他にも火災現場での特殊清掃事例をお知りになりたい場合は、「火災現場清掃施工事例集」をご覧になってみてください。

4-5. ペット屋敷の特殊清掃事例

ペット屋敷の現場は、一見さほど重症ではないように見えても、糞尿の臭いが部屋中に染み付いて消臭に手を焼く場合があります。

そんな事例として、しつけの仕方が分からないままアパートで猫を飼育していた猫屋敷での特殊清掃作業をご紹介します。

トイレのしつけができていなかったため、部屋のあちらこちらに糞が散らばっている状態です。
まずは糞が付着した物や糞そのものの除去を行います。雑菌も繁殖しているので、マスクや厚手の手袋が必須です。

不用品の撤去や糞の除去が終わった状態です。一見するときれいになったように見えますが、実はまだ猫のおしっこ臭が強く残っています。
この後の消臭作業が、猫屋敷清掃の本番です。

床に染み付いたおしっこによる汚れを専用の薬剤を使用して洗浄していきます。
汚れを残さないよう、木の目に沿って作業します。

オゾン脱臭機を使って、消臭をします。
合わせて薬剤や中和剤による消臭も行います。それぞれの方法で消臭できる臭い成分が異なるので、様々な方法を組み合わせなければきちんと消臭することができません。

臭いが完全に消えたら作業完了です。

この他にもペット屋敷の特殊清掃事例をお知りになりたい場合は、以下のページをご覧になってみてください。

5. 特殊清掃を依頼するべき状況

様々な現場での特殊清掃の事例を作業の画像と共に紹介しました。
ここまで読んでいただいて、様々な局面で特殊清掃がどのように作業を行い、問題を解決していくかがイメージしやすくなってきたのではないでしょうか。

それでも特殊清掃は、日常からは離れたところにある存在ですよね。
だからこそ、もしあなたが特殊清掃が必要な状況に陥っていたとしても、なかなか相談・依頼に踏み切れなくて状況が悪化してしまう可能性もあるはずです。

そこでここでは、特殊清掃が利用される局面において、具体的にどういった状況なら特殊清掃業者に相談するべきかを可能な限りお伝えします。

5-1. 孤独死現場/事件現場で特殊清掃を依頼するべき状況

孤独死や事件が発生した場合には、基本的にほとんどのケースで特殊清掃を行った方が良いです。具体的には下記のような状況であれば、迷わず特殊清掃業者に相談してください。

  • 遺体の発見が5月〜10月中で、死後2日以上経っていた
  • 遺体の発見が11月〜4月中で、死後4日以上経っていた
  • 遺体が暖房器具の作動している室内で発見され、死後2日以上経っていた
  • 遺体発見までの日数に関わらず、体液が室内に残っている
  • 出血や吐血による血液で室内が汚れている
  • 汚物がある
  • ウジ虫が発生している
  • 遺体を移動させても死臭が残っている
  • 賃貸物件を返却するため家財撤去や遺品整理が必要だが、心理的に難しい

遺体や体液、血液にはウイルスや細菌が潜んでいる可能性が高く、素人の手で清掃するのは危険です。

上記のような状況であればもちろん、少しでも不安なことがあるなら必ず特殊清掃業者に相談してくださいね。

孤独死現場の特殊清掃を依頼する理由やメリットなどを詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

5-2. ゴミ屋敷で特殊清掃を依頼するべき状況

自宅や実家がゴミ屋敷化した場合も、あまり深く考えず特殊清掃を依頼するべきです。
実は、孤独死現場がゴミ屋敷だったというケースが意外と多く、ゴミを溜め込んだ不衛生な環境は、住んでいる人を死に至らせることがあるのです。

最悪の事態を避けるためにも、自宅や実家が次のような状況に一つでも当てはまるなら、早めに特殊清掃を依頼してくださいね。

  • 寝床以外はゴミで埋まっている
  • 1年以上窓を開けられていない
  • 害虫(ゴキブリ、ハエ等)が頻繁に出る
  • ネズミを頻繁に見かける
  • 悪臭がある
  • 水回りの掃除が1年以上できていない
  • 近所から臭いや害虫のことで苦情を言われたことがある

上記のような状況に当てはまっていれば、室内の環境が既に不衛生になっていることが予想されます。
体に不調をきたす前に、早めに特殊清掃業者に相談しましょう

5-3. 水害現場で特殊清掃を依頼するべき状況

水害の発生した地域では、特殊清掃業者に限らず住民やボランティアが復旧作業に当たります
そのため、被害の程度や費用によっては特殊清掃業者以外に頼るのも一つの選択肢です。

特殊清掃業者に水害現場を復旧してもらうかどうかは、次の項目を判断基準にしてみてください。

  • とにかく早く住める状態に戻したい
  • 子どもやお年寄りが安心して住めるよう、しっかり消毒して欲しい
  • 水が引いても変な臭いが残っている
  • 費用よりも作業内容を重視する

上のような項目に当てはまる場合は、水害現場の経験が豊富な特殊清掃業者に依頼すると良いですよ。ボランティアや公的支援を待つより早く対応してもらえる場合が多いですし、徹底した消毒・消臭をしてもらうことで安心して生活できるようになります。

ただ費用に関しては、負担が大きくなることだけ覚悟しておきましょう。

特殊清掃業者による水害復旧について、より詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

5-4. 火災現場で特殊清掃を依頼するべき状況

火災が起きた場所の清掃は、素人やハウスクリーニング業者では対応しきれません。
そのため、火災が発生した場合は特殊清掃を利用するべきです。

また他にも次のような状況であれば、特殊清掃業者にまずは相談してみることをおすすめします。

  • 近隣で発生した火災の煙が入ってきた
  • 火災後にリフォームや清掃を行ったのに臭いが残っている
  • 近隣で火災が発生した後、変な臭いがする・体調が良くない

自宅で火事が起こっていなくても、近所で発生した火災の影響で自宅が汚れることもありますし、目に見える汚れがなくても、臭いや有害物質が室内に侵入してくる可能性もあります。

近隣で火災が起こった後、何か気になることがあれば一度特殊清掃業者に相談してみると良いですよ。

もしご自宅で焦げ臭いような臭いがしているなら、以下の記事も読んでみてくださいね。

5-5. ペット屋敷で特殊清掃を依頼するべき状況

猫や犬の面倒を見切れない罪悪感から、ペット屋敷についての相談を躊躇される方もいらっしゃいますが、飼い主さん自身のためにも共に暮らしているペットたちのためにも、早めに特殊清掃を利用するべきです。

もしもペットを飼っていて、次のような状況になっているならぜひ特殊清掃業者に相談してみてください。

  • ペットのトイレの躾ができておらず、ところ構わず粗相する
  • 住人以外の人が臭いと感じる
  • 乾燥した糞が放置されている

実際にはこれより随分ひどい状況に陥ってからやっと依頼に踏み切る方もいらっしゃいます。
中にはペットの糞尿を放置し続けたことで床の一部が腐り、壁裏まで汚れが染み込んでいて、数百万円という費用がかかったケースもあります。

そのような状態になる前に、上記の項目に一つでも当てはまったら特殊清掃業者に相談し、早めに環境を改善するようにしましょう

また、特に猫の排泄物による汚れや臭いが気になるという場合は、以下の記事を読んでみてください。

6. 特殊清掃に必要な費用相場

ここまで読んでいただいて、特殊清掃を依頼するべき状況が具体的にお分かりいただけたかと思います。
もしあなたが孤独死や水害、火災等に遭遇した場合に、特殊清掃を依頼すべきかどうか適切に判断するための情報をお伝えしてきました。

そこで次に気になるのが、

「特殊清掃にはどれくらいの費用がかかるのか?」

ということですよね。

もちろん現場の状況や作業内容で費用は変動するのですが、どのように費用を計算するかというと、作業を行う間取りと作業内容によって算出されているのです。

まず作業を行う間取りによって、次のような基本作業料金がかかります。

1R・1K70,000円〜
1DK100,000円〜
1LDK130,000円〜
2DK180,000円〜
3LDK240,000円〜

※特殊清掃全般の相場であるため、各現場での相場は事前に確認をしてください。

このような間取りによる基本料金に加えて、作業ごとの料金が加算されて最終的な費用が決まります

ここからは、株式会社リスクベネフィットの料金設定を参考に、各作業にかかる費用相場を現場別にお伝えしていきます。

特殊清掃の費用について、ケースごとのシミュレーションなども見てみたい場合は以下の記事を参考にしてみてください。

6-1. 孤独死現場/事件現場の作業費用

孤独死現場や事件現場では、人が立ち入れる状態にするための基本作業をパック料金内で行うことが多く、この場合は間取りによる基本料金は追加されず、パック料金内で消毒・清掃・消臭を行います。

リスクベネフィットでは、この基本作業料金を78,670円に設定しています。

基本作業に加えて、次のような作業を行う場合は、パック料金に各作業ごとの料金が加算されていきます。

作業内容費用
体液等が染み込んだ床材の切断35,000円
特殊コーティング
(臭いを封じ込めるためのコーティング剤塗布)
5,000円/1箇所
ハウスクリーニング:キッチンセット15,000円
ハウスクリーニング:窓5,000円/1箇所
ハウスクリーニング:お風呂9,800円
ハウスクリーニング:トイレ9,800円

この他に、お風呂場やトイレで亡くなっていた場合に発生する追加作業の料金も知りたいという方は以下の記事にも目を通してみてください。

6-2. ゴミ屋敷の作業費用

ゴミ屋敷の清掃では、作業費だけではなくゴミを運搬するための車両やゴミの処分自体にも費用がかかります。
費用目安はそれぞれ次の通りです。

費用のかかる内容費用目安
ゴミを運搬するための車両費15,000円〜20,000円/2tトラック1台
ゴミの分別・袋詰め作業10,000円〜20,000円/1時間(1人)
清掃作業場所・程度による
ゴミの処分費ゴミの種類・各自治体・処理業者による

主にこのような項目に対して費用がかかるので、ゴミの量やゴミが溜まっている部屋数が増えれば増えるほど費用が高くつきます。

ゴミ屋敷の清掃にかかる費用について、より詳しく知りたい場合は下記の記事も合わせてご覧ください。

6-3. 水害現場の作業費用

水害で浸水が発生した現場での作業は、作業内容の範囲が広く、作業する場所も家屋全体に及ぶため高額になりやすいです。

各作業にかかる費用は下の表を参考にしてみてください。

作業内容費用相場
床下洗浄(汚泥の搬出+清掃)・3日かかる場合:489,994円
・4日かかる場合:624,634円
床下消毒102,887円
床下排水44,064円/1日
床上浸水清掃44,064円/1日(1人あたり)
床上浸水消毒69,244円/1部屋
家財清掃44,064円/1日(1人あたり)

水害復旧のために必要な全ての作業を特殊清掃業者に依頼すると、100万円近くの費用がかかってしまいます。
そのため、捻出できる費用によっては、ボランティアや家族では対処できない作業のみを依頼する、という判断が必要になってきます。

床下浸水をした際の復旧作業費用について、以下の記事ではご自身で作業を行う場合の費用相場についても紹介しているので気になる方はぜひ読んでみてください。

6-4. 火災現場の作業費用

火災が起こった場所の特殊清掃は、火災規模にもよりますが高額になりやすいです。
水害現場と同様、作業内容の範囲や作業が必要な場所が広くなるケースが多いからです。

では火災現場で行われる作業ごとの料金を見ていきましょう。

作業内容費用相場
初期有害物質分解50,000円〜/1部屋
火災ゴミの分別・梱包140,000円〜/5㎡
焼け焦げた箇所の解体別途相談
内装材撤去(臭いの発生源除去)35,000円/1人
ケレン作業等によるススの除去9,200円/1㎡
有害物質酸化分解別途料金
特殊コーティング6,500円/1㎡
ダイオキシン濃度測定250,000円/1箇所

ここに記載している費用以外にも、間取り別の基本作業料金もかかるため、火災発生現場の清掃予算は少なくとも100万円以上と見ておいた方が良いでしょう。

6-5. ペット屋敷の作業費用

ペット屋敷の特殊清掃費用は、

  • ペットの飼育スペースの広さ
  • 汚れの度合い

によって変動します。飼育スペースが広いほど作業するべき場所が広がり、汚れの度合いが大きいほど清掃にかかる労力が多くなるからです。

実際にペット屋敷で行っている作業ごとの料金相場は次の通りです。

作業内容費用相場
糞除去35,000円/1人
家財拭き取り35,000円/1人
壁紙剥がし35,000円/1部屋
床解体35,000円/1部屋
雑菌消毒・除菌35,000円/1部屋
フェロモン臭分解100,000円/1部屋
特殊コーティング100,000円/1部屋
完全消臭(オゾン発生器使用)別途料金

こちらの表を見ていただくと、ペット屋敷ではやはりおしっこ臭の消臭のための作業に費用がかかることが分かります。
火災現場や水害現場に比べれば総額は安いかもしれませんが、見た目以上に費用がかかることは把握しておいてくださいね。

7. 特殊清掃業者を選ぶ時に見るべきポイント

特殊清掃にかかる費用相場がわかったところで、今度は特殊清掃業者を選ぶ時のポイントを理解しておきましょう。

実は、特殊清掃業者の数は年々増加していて、中にはずさんな清掃を行うようなところや内容に見合わない高額請求をしてくる業者も存在します。
そのような悪徳業者に依頼すれば、特殊清掃を別業者でやり直してもらったり、必要のない料金を支払ってしまったりと精神的にも経済的にもダメージを受けることになります。

そのようなことにならないために、特殊清掃業者を選ぶ際は次のポイントを見ておく必要があります。

  • 依頼したい現場での実績
  • 項目が細かい見積もり
  • 所持している資格
  • 過去の評価やクチコミ
  • 相談した際の対応

それぞれのポイントについて詳しくお話しします。

7-1. 依頼したい現場での実績

特殊清掃業者を選ぶ際は、依頼したい現場での経験が豊富な業者を選ぶようにしましょう。

多くの現場をこなしてきた業者であれば、会社のPRにもなるので公式サイトなどで事例を紹介しているはずです。過去の事例は必ずチェックするようにしてください。

事例をチェックする際に注意して見ていただきたいのが、「依頼したい現場の実績があるかどうか」です。

例えば、水害現場の特殊清掃業者を探している場合に孤独死現場の経験が豊富な業者が見つかってもあまり意味がありません。
確かに孤独死現場で培った清掃・消毒・消臭の基本的なノウハウは持っているでしょうが、孤独死現場と水害現場では発生する臭いの種類も汚れも全く別のものです。適切に処理するために必要となる技術も異なるのです。

あなたの直面している状況に適切に対処してもらうために、依頼したい現場での実績が豊富な業者を選ぶようにしてください。

7-2. 項目が細かい見積もり

実際に特殊清掃作業に入る前に、まずは見積もりを出してもらうことになりますが、見積書に細かい項目まで記載されているかをチェックするようにしてください。

細かい項目が記載された見積書とは、

  • 作業内容
  • 作業ごとの料金

がそれぞれ明記されているもののことです。
詳細に記載してある分、把握するのが大変かもしれませんが、それくらいの方が安心です。不明なことがあれば、メモをしながら納得できるまで担当者に聞いてみれば良いのです。

逆に、シンプルで分かりやすい見積書には要注意です。
シンプルなだけで、作業内容が不明瞭で何に対して料金がかかるのか分かりませんし、作業が始まってから追加料金を言い渡される可能性も高いです。

見積もりは細かい作業内容が記載されているものこそ信用してくださいね。

7-3. 所持している資格

特殊清掃業そのものは、資格が無くても開業できてしまいます。
だからこそ、優良業者を選ぶためには資格を所持しているか確認することが大切です。

特殊清掃に関わる資格には次のようなものがあります。

  • 解体工事業登録
  • 古物商許可
  • 脱臭マイスター
  • 遺品整理士
  • 事件現場特殊清掃士

この中でも、特殊清掃の品質を左右するのが解体工事業登録です。
特殊清掃では、状況によっては床材や壁を解体・切断して作業を行う必要が出てきます。この作業をしなければ、床下や壁裏に染み付いた汚れ・臭いは除去することができないからです。

そのため、特殊清掃業者を選ぶ際はまず、解体工事業登録を取得していることを確認するようにしてください。その上で、他の資格についてもチェックしてみると良いですよ。

特殊清掃に関連する資格について、もっとよく知りたい方は下記の記事を読んでみてください。

7-4. 過去の評価やクチコミ

優良な特殊清掃業者を選ぶためには、過去にその業者を利用した方の評価を知ることも大切です。
利用者の評価やクチコミは下記のような場所で見ることができます。

  • 公式サイトなどに掲載されている「お客様の声」やアンケート
  • Googleマップの評価・クチコミ
  • その他比較サイト等の評価・クチコミ

できれば、公式サイトだけではなく、Googleマップや比較サイトといった外部の媒体に掲載されている評価も合わせてチェックしてみてくださいね。

7-5. 相談した際の対応

ここまでのポイントをクリアしている業者なら、適当な作業を行ったり高額請求をしてきたりということは無いはずですが、最終関門として相談した際の担当者の対応も見ておきましょう

その他のポイントをクリアしている業者が複数見つかったなら、最後の決め手はあなたが

「話しやすい、何でも相談できる!」

と思えることです。
特殊清掃が必要な大変な状況に直面している中で、不安なことやわからないことを業者側に伝えられるということは安心感に繋がります。

少しでも安心して特殊清掃を任せられる業者を選ぶことで、あなたの精神面の負担を軽減してくれるはずです。

8. 特殊清掃を依頼する時に気をつけるべきこと

特殊清掃業者を選ぶ時のポイントについてお話しましたが、業者選びの他にも特殊清掃を依頼する時に気をつけるべきことがあります。

それは、

  • 特殊清掃は早めに依頼する
  • 相見積もりを取る
  • 相談する際に状況を伝えられるようにしておく
  • 孤独死現場/事件現場、火災現場には立ち入らない

の4点です。
どれも適正な価格でスムーズに問題を解決するために必要なことです。一つずつ説明していきますね。

8-1. 特殊清掃は早めに依頼する

まず特殊清掃を依頼するタイミングについてですが、できる限り早めに依頼するようにしてください

特殊清掃が必要な状態なのに、何もせずにいると室内の臭いや環境は悪化する一方です。状態が悪くなれば、作業にかかる時間も費用も多くなってしまいます。

また、悪臭や害虫の発生源になっていれば近隣から苦情を入れられる可能性もあります。

不動産会社や管理会社から待機するよう指示された場合は、相談や簡易見積もりだけでも依頼しておくと、その後スムーズに事が運びますよ。

8-2. 相見積もりを取る

作業を行う前の見積もりは、必ず複数の業者にお願いしましょう
相見積もりを取ることで、

  • 依頼したい状況での費用相場が把握できる
  • 費用や作業内容を比較できる
  • 明らかに安すぎる/高すぎる業者を選ばずに済む
    (適当な作業を行う業者や悪徳業者を選ばずにすむ)

といったメリットがあります。
少し手間はかかりますが、適正価格で納得のいく作業を行ってもらうために、どんなに少なくとも3社以上に見積もりを取るようにしてください。

8-3. 相談する際に状況を伝えられるようにしておく

業者に相談をする時には、室内の状況をできるだけ詳しく伝えられるようにしておきましょう。
電話で相談する場合は、メモを取っておいたり、あらかじめ状況をメールで送っておくと良いですよ。

状況を伝える際に、

  • 水害・火災の発生、遺体発見から何日経過しているか
  • 孤独死/事件現場の場合は、死後何日で遺体を引き上げたか
  • 部屋の間取り
  • 汚れや臭いのある場所
  • どこがどの程度汚れているか
  • ゴミがどれくらい出そうか

といったことを意識して、説明するようにしましょう。
業者側も現場がどのような状態か大体つかめて、作業内容や費用の話がスムーズにできるようになります。

8-4. 孤独死現場/事件現場・火災現場には立ち入らない

これまでにもお伝えした通り、孤独死現場や事件現場には細菌やウイルスが、火災現場には有害物質がまん延している恐れがあります。

感染症や体調に影響が出るリスクがあるため、基本の特殊清掃が終わり人が立ち入れる状態になるまでは入室しないようにしてください。

どうしても特殊清掃前に室内に入らなければならない事情がある場合でも、自己判断では立ち入らず、事前に作業を行う予定の業者に相談するようにしましょう。

9. 特殊清掃はリスクベネフィットにご相談ください

これまでにもお伝えしましたが、特殊清掃は孤独死に限らず様々な局面で必要となります。
業者選びのためのポイントや依頼の際に気をつけることが分かっていても、あなたの状況に合った業者を探し当てるには多少手間と時間がかかります。

そこで、もし特殊清掃が必要だと判断された際には迷わずリスクベネフィットに一度ご相談ください。サービス内容が幅広く、実績豊富なリスクベネフィットは、あなたの置かれている状況も解決に導きます。

リスクベネフィットの強み

  • 過去8,000件以上の豊富な実績
  • 各種現場の対応が可能
  • 多数の資格・特許を取得
  • 豊富な実績があるからこそ可能な、依頼者様に寄り添った対応
  • 全国をカバーするサービス網

特殊清掃に関わるお悩み・ご相談があれば、いつでもお問い合わせくださいね。

10. まとめ

いかがでしたか?
特殊清掃がどんなものかお分かりいただけたのではないでしょうか。

最後に今回お伝えした内容をおさらいしましょう。

特殊清掃とは

  • 通常の清掃では対応しきれない汚れや臭いを、専門の薬剤や機材を使用して徹底的に掃除すること。
  • 専門技術で、清掃、洗浄除菌消毒消臭 を行う。

特殊清掃が利用される局面

  • 孤独死現場/事件現場
  • ゴミ屋敷
  • 水害現場
  • 火災現場
  • ペット屋敷

孤独死現場や事件現場以外にも、このような局面で特殊清掃が利用され、それぞれの現場に応じた作業内容で清掃・除菌消毒・消臭を徹底的に行います。

特殊清掃を依頼するべき状況

孤独死現場/事件現場の場合

  • 遺体の発見が5月〜10月中で、死後2日以上経っていた
  • 遺体の発見が11月〜4月中で、死後4日以上経っていた
  • 遺体が暖房器具の作動している室内で発見され、死後2日以上経っていた
  • 遺体発見までの日数に関わらず、体液が室内に残っている
  • 出血や吐血による血液で室内が汚れている
  • ウジ虫が発生している
  • 遺体を移動させても死臭が残っている
  • 賃貸物件を返却するため家財撤去や遺品整理が必要だが、心理的に難しい

ゴミ屋敷の場合

  • 寝床以外はゴミで埋まっている
  • 1年以上窓を開けられていない
  • 害虫(ゴキブリ、ハエ等)が頻繁に出る
  • ネズミを頻繁に見かける
  • 悪臭がある
  • 水回りの掃除が1年以上できていない
  • 近所から臭いや害虫のことで苦情を言われたことがある

水害現場の場合

  • とにかく早く住める状態に戻したい
  • 子どもやお年寄りが安心して住めるよう、しっかり消毒して欲しい
  • 水が引いても変な臭いが残っている
  • 費用よりも作業内容を重視する

火災現場の場合

  • 近隣で発生した火災の煙が入ってきた
  • 火災後にリフォームや清掃を行ったのに臭いが残っている
  • 近隣で火災が発生した後、変な臭いがする・体調が良くない

ペット屋敷の場合

  • ペットのトイレの躾ができておらず、ところ構わず粗相する
  • 住人以外の人が臭いと感じる
  • 乾燥した糞が放置されている

特殊清掃にかかる費用相場

特殊清掃の費用は、間取りによる基本料金+作業内容で算出されます。
間取り別の基本料金相場は次の通りでした。

1R・1K70,000円〜
1DK100,000円〜
1LDK130,000円〜
2DK180,000円〜
3LDK240,000円〜

特殊清掃業者を選ぶ時に見るべきポイント

  • 依頼したい現場での実績
  • 項目が細かい見積もり
  • 所持している資格
  • 過去の評価やクチコミ
  • 相談した際の対応

特殊清掃を依頼する時に気をつけるべきこと

  • 特殊清掃は早めに依頼する
  • 相見積もりを取る
  • 相談する際に状況を伝えられるようにしておく
  • 孤独死現場/事件現場、火災現場には立ち入らない

あなたが特殊清掃が必要な状況に直面した時に、この記事の内容が役に立てば幸いです。