原状回復の費用|負担すべきケースと費用を抑える方法を解説

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原状回復の費用|負担すべきケースと費用を抑える方法を解説

「原状回復費用ってどのくらいかかるの?」
「高額になる場合があると聞いたけど、自分は大丈夫だろうか?」
「費用をおさえるためにできることはないだろうか?」

など、あなたは今、賃貸を退去する際の原状回復費用について悩んでいませんか?

退去者が負担しなければならない原状回復費用は以下のようになっています。

居住者負担
ものを落として床にできた傷など、居住者の不注意、故意、ルール違反などでできてしまったものは居住者が負担しなければなりません。

大家さん、管理会社負担
日光などによる色あせなどの経年変化、家具設置による摩耗など、誰が使っても同じようにできてしまうものは借り主が負担してくれます。

上記のように退去者が負担しなければならないのは不注意や手入れの怠り、ルール違反などによってできたしまった傷や汚れに対してだけあってで、通常の使用によって生じた傷や汚れは原状回復費用を払う必要がありません

また、原状回復費用は傷や汚れが生じている場所、状態によっても変わります。例えば、壁の部分的な補修であれば1.5〜3万円ですみますが、壁紙を張替えることになれば5〜10万円になってしまいますので、ご自身の状況に応じて費用を見積もることが大切です。

退去者が負担しなければならない範囲、原状回復すべき状態や費用相場について正しく理解すれば、払う必要のない原状回復費用の出費を抑えることができるかもしれません。

この記事をお読みいただくことで、原状回復費用を正しく理解し、必要以上に払わなくてすむ、あるいは、安くするコツがわかりますので、ぜひ最後まで読み進めてみてくださいね。

1.退去者が負担しなければならない原状回復費用とは

冒頭でお伝えしたように、退去者は通常の使用によって生じた傷や汚れは原状回復費用を払う必要がありません

本章では原状回復費用の負担範囲について理解を深めるために、

  • ガイドラインによる原状回復費用の負担範囲
  • 賃貸契約書の特約に注意

について解説していきます。

すでに上記について理解している人は、「2.原状回復費用の相場」をご参照ください。

1-1.ガイドラインによる原状回復費用の負担範囲

原状回復の負担範囲はガイドラインによって以下のように決められています。

2004年に国交省が改定を公表した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によって、退去者と家主の負担範囲は、以下のように決められています。

貸借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち貸借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損(以下「損耗等」という。)を復旧すること」

出典:国土交通省住宅局「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)H23年8月

つまり、退去者が原状回復をしなければならないのは不注意や居住ルール違反、故意に作ってしまった傷や汚れによるもので、通常に使用している範囲で生じた傷や汚れの原状回復費用を払う必要はありません

【原状回復費用の負担範囲】



退去者負担になるケース家主負担になるケース
原因・居住者の責任によって生じたキズや汚れ
・故障や不具合を放置したことによって発生、拡大したキズや汚れ
・雨風・湿気・温度変化・日照などによる物件の傷み(経年変化)
・居住者が通常の生活を送る中で生じた物件の傷み(通常損耗)
具体例・ものを落下させて生じた床の凹み
・結露を放置したために拡大した壁のシミやカビ
・ペットが付けた柱や壁紙の傷や破れ
・喫煙によって付いた壁の黄ばみ、匂い
・日照による壁や床の変色
・壁に貼ったポスターや絵画の跡
・家具の設置による床の凹み

上記のように、居住者がものを落としてできた床の凹みなどは負担しなければなりませんが、風雨や日光などの自然現象や、机の設置跡のような通常の使用によってできた傷や汚れは大家さん、管理会社が負担するよう求めることができます。

具体例についてもっと知りたいという方は「賃貸の原状回復は負担範囲によって決まる!|原状回復の基礎知識」をご参照ください。

1-2.賃貸契約書の特約に注意

「賃貸借契約書」に「特約」として、以下のような記載があり、入居時に特約を受け入れ、サインしている場合は退去者が原状回復費用を負担しなければなりません。原状回復費用が増える可能性があるので気をつけましょう

【よく見られる賃貸契約書の特約例】

  • 退去時クリーニング費用、〇〇円を退去者負担とする
  • 畳の表替えの費用、〇〇円を退去者負担とする
  • クロスの張替費用、〇〇円を退去者負担とする
  • ペットを飼育した場合、消臭費用、〇〇円を退去者負担する

ただし、「特約に記載があるから費用を余計に負担しなければならない」とあきらめるのは早いです。最高裁判所(最高裁判所第二小法廷平成17年12月16日判決)は、特約が有効になるための条件を以下のように示しています。

  • 特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること
  • 賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること
  • 賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること

最高裁判所(最高裁判所第二小法廷平成17年12月16日判決)

上記から、以下3つの条件すべてを満たしている場合のみ特約は有効になるといえます。

  • 条件1.具体的な負担項目、金額が記載されている
  • 条件2.通常の原状回復義務以上の負担を負うことを認識している
  • 条件3.特約に同意し、署名している

それぞれ簡単に解説しますね。

条件1.負担内容と金額が具体的に記載されていないと特約は無効

負担内容と金額が具体的に記載されていない場合は特約は無効になります。

例えば、「ハウスクリーニングは借主負担とする。尚、当該費用は一律30,000円とする」
といった記載は有効ですが、「経年劣化・通常損耗の補修費用は借主が負担する」のような抽象的な負担内容や、「ハウスクリーニングは借主負担とする」というように具体的な金額が記載されていない場合は無効になります。

条件2.通常の原状回復義務以上の負担を負うことを認識していない契約は無効

特約が、原状回復義務以上の負担であることが記載されていない場合は無効になります。

例えば、契約書に「通常退去者が負担すべき範囲、項目」を記載した上で、「例外」として「退去時クリーニング費用35,000円を退去者負担とする」などと記載している場合は有効ですが、こうした記載がなく、特約が通常の範囲を超えた例外的な出費であることが読み取れない場合は無効となります。

条件3.特約が記載されたページにサインしていないと無効

特約が記載されたページに署名していなければ無効になります。
例えば、契約書全体や、特約が記載されていないページにサインしても特約は無効です。

実際に最高裁判所には、特約が記載されているページに署名がないため無効にする判例を出しています。

【有効になる特約の記載例】

 有効な例無効な例
条件1.具体的な負担項目、金額が記載されている「ハウスクリーニングは借主負担とする。一律30,000円とする」「ハウスクリーニングは借主負担とする」(金額なし)
「経年劣化・通常損耗の補修費用は借主が負担する」(出費項目なし)
条件2.通常の原状回復義務以上の負担を負うことを認識している「通常退去者が負担すべき範囲」を具体的に示した上で「例外」として「ハウスクリーニングは借主負担とする。一律30,000円とする」などと記載する特約が、通常の負担範囲を超えた例外的な出費であることが読み取れない
条件3.特約に同意し、署名している特約が記載されたページ上に署名している特約が記載されていないページにサインしている

2.場所別の原状回復費用

本章では、「実際にどれくらいかかるの?」と気になっている方にむけ、原状回復費用の相場を解説していきます。

主な原状回復費用の相場は以下のとおりです。

修繕内容修繕費の相場
壁や天井の穴補修1.5〜3万円/箇所
※小さな穴やひっかき傷は1.5万円、直径5センチ程度までの穴は3万円が相場です。こぶし大以上の大きな穴は5万円を超える場合もあります。
フローリングの汚れ除去12万円/箇所
壁紙の張替え10001500/㎡あたり
フローリングの張替え10001500/㎡あたり
カーペットの張替え3000/㎡あたり
畳の張替え6000/畳あたり
ハウスクリーニング1R・1K 15,000円~25,000円
1DK・2K 25,000円~35,000円
1LDK・2DK 50,000円~55,000円
3LDK・4DK 60,000円~65,000円
4LDK・5DK 65,000円〜

※費用は担当する会社や業者、損耗の度合いなどによって変わります。

上記のように、原状回復費用は傷や汚れが生じている場所、状態によって大きく変わります。

以下では、キッチン、トイレなど場所別に、もう少し具体的な原状回復費用の相場について解説していきます。
ご自身の原状回復費用がおおよそいくらになるかわかると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

2-1.キッチン

キッチンにおける主な原状回復箇所として、「壁紙、タイル、パネルの張り替え」「設備の修理、交換」があります。

壁紙、タイル、パネルの張り替え

汚れや傷が生じた壁紙、タイル、パネルを新しいものに貼り替えます。
費用の相場は、壁紙の場合、1㎡あたり800~1,500円、タイルの場合は1㎡あたり5000円~15,000円、パネルの場合全体で40,000〜70,000円です。

設備の修理、交換

汚れや傷みの目立つ流し台を新しいものに交換します。費用は流し台本体の価格+20,00030,000(施工費)が相場です。

原状回復しなければならない状態の目安は次の入居者が不快に感じるかどうかです。

例えば、

  • 穴など、破損がある。つなぎ目がめくれている
  • 清掃では取り切れない汚れ、サビがある。目地に汚れやカビがある

などの場合、原状回復が必要になる可能性があります。

2-2.トイレ

トイレでは「壁紙の張り替え」「設備の修理、交換」といった原状回復が発生します。

壁紙の張り替え

着色や臭いのある壁紙を新しいものに貼り替えます。
費用の相場は1㎡あたり800~1,500円です。

●トイレ設備の交換

便器の陶器部分にヒビが入ったり、便器に接続されているパイプやトイレタンク内の部品、温水洗浄機に不具合があった場合に新品に交換します。
費用の相場は設備本体の価格+20,000〜30,000円(施工費)です。

以下が原状回復しなければならない状態の目安となります。

  • 傷や汚れがある
  • 水漏れが多発するようになった
  • レバーを回しても水が流れない。手洗器の水が止まらない

2-3.バスルーム

バスルームでは、「壁の清掃」「ユニットバス、シャワーヘッド、ホースの清掃、修理」といった作業が発生します。

ユニットバスの交換

ヒビが入った壁や浴槽、ハウスクリーニングでは落とせないカビ、ふくれ、サビのある壁を交換します。
ユニットバスの交換は高額です。ローグレードであれば60~70万円、ミドルグレードであれば70~80万円、ハイグレードであれば100万円ほどかかります。

シャワーヘッド、ホースの修理、交換

シャワーの水が出ない、水漏れする場合、シャワーヘッドやホースを取り外し、新しいものに交換します。
費用は部品の種類によって変わりますが、10,000〜30,000円が相場です。

以下のような状況が目安になります。

  • 水漏れする
  • 水の勢いが弱い
  • 破損や傷がある

2-4.リビング

リビングの原状回復では、以下のような原状回復作業が発生する可能性があります。

  • 壁紙の張り替え
  • 壁穴の補修
  • カーペット張替え
  • 床の張替え
  • 巾木張り替え
  • 天井の塗装

それぞれ費用、原状回復しなければならない状態の目安は以下のようになっています。

【リビングの原状回復内容、相場、状況一覧】

内容費用相場状態目安
壁紙の張り替え1㎡あたり8001,500・傷がある ・壁紙のつなぎ目がめくれている
・汚れ、日焼けあとがある ・臭いがする
壁穴の補修 (壁の穴の周りを加工して板で蓋をし、塗料を塗る)15,00030,000/箇所
※小さな穴やひっかき傷は1.5万円、直径5センチ程度までの穴は3万円が相場
・穴が目立つ
カーペット張替え6畳なら10万円、 20畳なら30万~40万円
※カーペットの価格によって変わる
・染みや汚れ、臭い、傷が目立つ
床の張替え6畳なら918万円、 8畳なら1020万円
※材質よって変わる
・浮き、軋み、反り、伸び縮み、傷や凹み、ささくれ、変色がある
巾木張り替え (既存の巾木を剥がして新しいものを貼る)30,00050,000・ひび割れが目立つ
天井の塗装1㎡あたり1,000・汚れが目立つ ・塗装が剥がれている

2-5.玄関

玄関では、「壁紙の張り替え」「土間の床の張替え」といった原状回復が必要なる可能性があります。

壁紙の張り替え

着色や臭いのある壁紙を新しいものに貼り替えます。費用は1㎡あたり8001,500が相場です。

玄関に直結する部屋の間取りが1Rなどで、玄関と部屋の間に仕切りがある場合は玄関のみの張替えですみますが、1Kなどで仕切りがない場合は隣接する通路や部屋の壁紙も張替えなければならない場合があるので注意しましょう。

土間の床の張替え

清掃では落ちない土や砂汚れを汚れのある床材を剥がし、接着剤や塗料を塗って、新しい床材を貼ります。
費用は素材によって変わりますが、1㎡あたり5000円~15,000円が相場です。

原状回復しなければならない状況の目安は、以下のとおりです。

  • 目地に汚れやカビがある
  • 浮きやひび割れが見られる

2-6.その他

上記のほかにも、

  • 備え付け家具などの修理補修
  • 網戸張替え

などを行う可能性があります。

費用の相場、原状回復しなければならない状況の目安は以下のようになっています。

【その他の原状回復内容、相場、状況】

内容費用の相場状況の目安
備え付け家具などの修理補修
(給湯器、換気扇、コンロ、エアコン、水回りの備品、電子レンジ等)
給湯器は7,000円~17,000円
換気扇は8,000円~30,000円
エアコンは9,000円〜35,000円
※故障部位によって変わる
・破損している
・機能が損ねられている
網戸張替え1枚3,000~4,000円・網戸がゆがんでいる
・虫が入ってくる
・網の端が切れてネットが出ている
・穴が開いている、たるんでいる
・変色している
・動きが悪く、ガタガタする
・網戸が外れやすい

3.原状回復費用が高額になる3つのケース

ここまでお読みいただき、ご自身の部屋の状況に応じて原状回復費用がおおよそいくらになるか把握していただけたのではないでしょうか。

しかし、原状回復の費用については高額になるケースが多く、国民生活センターには「賃貸住宅の敷金ならびに原状回復トラブル」相談件数が年間1万件を超えます。

そこで本章では、高額になりやすい以下の3つのケースを解説していきます。

  • 賃貸契約書の特約に金額の記載があり、署名している
  • 退去者が支払う必要のない費用を請求されている
  • 家主が指定している原状回復業者が高額

お読みいただくことで、請求額が妥当かどうか判断いただけるかと思いますのでぜひ読み進めてみてください。

3-1.賃貸契約書の特約に金額の記載があり、署名している

賃貸契約書の「特約」に金額が記載されている場合、高額になりやすいので気をつけましょう。

よくある特約は次のとおりです。

  • クリーニング代を負担する
  • 壁紙の張替費用を負担する
  • ペットを飼育した場合、消臭費用を負担する

ただし、「1-2.賃貸契約書の特約に注意」でお伝えしたように、以下3つの条件すべてを満たしている場合のみ特約は有効になりますので確認してみてください。

【有効になる特約の記載例】

 有効な例無効な例
条件1.具体的な負担項目、金額が記載されている「ハウスクリーニングは借主負担とする。一律30,000円とする」「ハウスクリーニングは借主負担とする」(金額なし)
「経年劣化・通常損耗の補修費用は借主が負担する」(出費項目なし)
条件2.通常の原状回復義務以上の負担を負うことを認識している「通常退去者が負担すべき範囲」を具体的に示した上で「例外」として「ハウスクリーニングは借主負担とする。一律30,000円とする」などと記載する特約が、通常の負担範囲を超えた例外的な出費であることが読み取れない
条件3.特約に同意し、署名している特約が記載されたページ上に署名している特約が記載されていないページにサインしている

3-2.退去者が払う必要のない費用まで請求されている

国交省のガイドラインに記載された退去者の負担範囲以外の費用を請求されいる場合、高額になってしまいます。主に以下の2つのケースあります。

  • 本来家主が負担すべき「経年変化」、「通常損耗」を請求されている
  • 原状回復が必要以上に行われている

それぞれ簡単に説明しますね。

3-2-1.本来家主が負担すべき「経年変化」、「通常損耗」を請求されている

「1-1.ガイドラインによる原状回復費用の負担範囲」でお伝えしたように、日光や風雨などの自然現象による傷や汚れである「経年劣化」や、机の設置跡のような一般的な住まい方によってできた傷や汚れである「通常損耗」は本来大家さん、管理会社が負担すべきものです。

費用を不当に請求されていることで高額になってしまう可能性があるので、請求内容をしっかり確認しましょう。

3-2-2.原状回復が必要以上に行われている

「2.場所別の原状回復費用」でお伝えしたように原状回復にかかる費用は作業内容によって大きく変わるため、必要以上の作業を行うことで高額になってしまう場合があります。

例えば、壁に生じた傷を修理しなければならない場合、ピンポイントに補修すれば1.5万円ほどですみますが、壁紙を張替えるとなれば5〜10万円が部屋の間取りに応じてかかってしまいます。

作業が必要以上に行われていないかを確認しましょう。

3-3.家主が指定している業者が高額

大家さん、管理会社が指定している原状回復業者の価格設定が相場より高い場合、高額になってしまいます。

「2.場所別の原状回復費用」でお伝えしたように、原状回復費用の相場は以下のとおりです。

修繕内容修繕費の相場
壁や天井の穴補修1.53万円/箇所
※小さな穴やひっかき傷は1.5万円、直径5センチ程度までの穴は3万円が相場です。こぶし大以上の大きな穴は5万円を超える場合もあります。
フローリングの汚れ除去12万円/箇所
壁紙の張替え10001500/㎡あたり
フローリングの張替え10001500/㎡あたり
カーペットの張替え3000/㎡あたり
畳の張替え6000/畳あたり
ハウスクリーニング1R・1K 15,000円~25,000円
1DK・2K 25,000円~35,000円
1LDK・2DK 50,000円~55,000円
3LDK・4DK 60,000円~65,000円
4LDK・5DK 65,000円〜

※費用は担当する会社や業者、損耗の度合いなどによって変わります。

上記や「2.場所別の原状回復費用」を参考にして、相場より高すぎる業者をえらばれていないかを確認しましょう。

高額な業者を指定している場合の対処法は次章「4-2.家主に相談して指定業者を変えてもらう」で解説していますので参考にしてみてください。

4.原状回復費用をおさえる方法

「できるだけ原状回復費用を安くしたい」
とお悩みの方に原状回復費用をおさえる以下の方法をご紹介します。

  • 家主に払う必要のない費用を相談する
  • 家主に相談して指定業者を変えてもらう

お読みいただくことで、原状回復費用を必要以上に払わなくてすむ、あるいは、安くするコツがわかりますので、ぜひ最後まで読み進めてみてくださいね。

以下で、それぞれに順に解説していきますね。

4-1.家主に払う必要のない費用を相談する

大家さん、管理会社に払う必要のない費用について相談することで、原状回復費用を安くすることができます。

ただし、根拠が曖昧な状態では、相談を受け入れてもらえない可能性が高いがため、以下を参考に、しっかり準備することをおすすめします。

  • 確認1:ガイドラインに記載された負担範囲を確認する
  • 確認2:賃貸契約書の特約を確認する
  • 確認3:原状回復するべきところについて業者に見積もりをとる
  • 確認4:使用年数に応じて減額できる

上記の確認ポイントをおさせてから大家さん、管理会社に相談しましょう。

それぞれ順番に解説していきますね。

確認1:ガイドラインに記載された負担範囲を確認する

まずはご自身の部屋の状況を確認しながら、国土交通省のガイドラインを参考にして、負担すべき範囲に該当するかを確認しましょう。

「1-1.ガイドラインによる原状回復費用の負担範囲」でお伝えしたように退去者の原状回復費用の負担範囲は以下のようになっています。



退去者負担になるケース家主負担になるケース
原因・居住者の責任によって生じたキズや汚れ
・故障や不具合を放置したことによって発生、拡大したキズや汚れ
・雨風・湿気・温度変化・日照などによる物件の傷み(経年変化)
・居住者が通常の生活を送る中で生じた物件の傷み(通常損耗)
具体例・ものを落下させて生じた床の凹み
・結露を放置したために拡大した壁のシミやカビ
・ペットが付けた柱や壁紙の傷や破れ
・喫煙によって付いた壁の黄ばみ、匂い
・日照による壁や床の変色
・壁に貼ったポスターや絵画の跡
・家具の設置による床の凹み

具体例についてもっと知りたいという方は「賃貸 原状回復」をご参照ください。

確認2:賃貸契約書の特約を確認する

続いて、入居時に家主と交わした賃貸契約書の特約を確認し、退去者が負担しなければならない費用についての記載があるかどうかを確かめましょう。

契約書は、契約時に入居者が署名し、後日郵送で入居者に届けられるため、居住者の手元にあるはずです。手元にない場合、大家さん、管理会社の元にあるコピーを見せてもらえないか確認しましょう。

契約書に記載がある場合は退去者が費用を負担しなければなりませんが、「3-2.賃貸契約書の特約に金額の記載があり、サインしている」でお伝えしたように、以下の3つの条件すべて満たしていなければ、無効になりますので確認してみてください。

  1. 具体的な負担項目、金額が記載されている
  2. 通常の原状回復義務以上の負担を負うことを認識している
  3. 契約書の特約のページにサインしている

確認3:原状回復するべきところについて業者に見積もりをとる

原状回復業者に費用を見積もってもらうことで、もっと安くなるという根拠をおさえることができます。

前述したポイント1、2にしたがって負担範囲を明らかにするだけでも家主に相談することは可能ですが、具体的な金額を提示することで、より説得力をもって減額を求めることができます。

無料で見積もりしてもらえる業者もあるの試してみてください。

確認4:使用年数に応じて減額できる

原状回復しなければならない設備の使用年数に応じて、原状回復費用を減額することができます。

国交省のガイドラインでは、設備の使用年数に応じて自然と生じてしまう劣化を「減価償却」とし、退去者が負担しなければならない原状回復費用から減価償却分の金額を差し引くことを認めています。

例えば、退去者が不注意で壁紙を破いてしまった場合、退去者が壁紙の張替え費用を負担するのが通常です。しかし、長期間住んでいた場合、壁紙は経年劣化によって破けやすい状態になっていた可能性があり、その分を考慮して、減額することができるのです。

減額できる金額は、設備の「耐用年数」、入居者の「居住年数」をもとにして、以下のように計算できます。

原状回復費÷耐用年数×居住年数

※耐用年数は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」(昭和40年大蔵省令第15号)によって以下のように定められています。

  • 壁紙、クッションフロア、カーペット:6年
  • 畳表替、障子紙、襖紙:消耗品とみなすので経過年数は考慮しない
  • フローリング:経過年数を考慮しない
    ※フローリング全体張り替えの場合 建物の耐用年数に基づき存価値を計算し、負担割合を決めます
  • 流し台:5年
  • 冷暖房器具(エアコン等)、インターフォン:6年

例えば、3年入居して壁紙の張替え費用が8万円の場合、

8(原状回復費)÷6(耐用年数)×3(居住年数)=4万円(退去者が負担する費用)

となります。

4-2.家主に相談して指定業者を変えてもらう

大家さん、管理会社に相談して指定業者を変えてもらうことで、原状回復費用を安くすることができます。

「3-4.家主が指定している業者が高額」でお伝えしたように、大家さんが指定した業者が高額な場合、自ら業者を手配することで、費用を安くすることができるからです。

通常、原状回復業者は賃貸契約書内で指定されているため退去者が業者を選ぶことはできません。しかし契約書に記載がない場合や家主の了承が得られる場合は変更することが可能ですので検討してみてください。

5.退去前に原状回復を特殊清掃業者に依頼したほうがいいケース

前章では、原状回復費用をおさえる方法をお伝えしましたが、「特殊清掃業者」に原状回復を依頼するという方法もあります。

特殊清掃業者は、頑固な汚れや臭いのある賃貸物件を原状回復するために独自の清掃技術があり、原状回復の工事をするよりも、清掃をする方が良い場合があるからです。

以下のケースにあてはまる場合、特殊清掃業者を検討してみましょう。

  • できるだけ早くすませたい
  • 原状回復費用をおさえたい

それぞれ解説していきますね。

5-1.できるだけ早くすませたい

できるだけ短期間で原状回復をすませたい場合、「特殊清掃業者」に相談してみるのがおすすめです。

以下の2つの理由があります。

  • 複数の清掃方法から早くすむものを提案できる場合がある
  • 問い合わせから作業開始までが速い

5-1-1.複数の清掃方法から早くすむものを提案できる場合がある

特殊清掃業者では、孤独死、災害現場、ペット物件など、通常より酷い汚れや臭いのある部屋を原状回復してきた経験から独自の清掃技術を複数持っており、その中かからできるだけ早期にすませる方法を提案してもらえる可能性があるからです。

例えば、ペット、タバコ、カビ、生活臭を取り除く際、一般的な業者では壁紙を張替えますが、特殊清掃業者では、脱臭機などを使うことで壁紙を張替えずにすむ場合があり、その分素早く原状回復を終えることができます。

5-1-2.問い合わせから作業開始までが速い

また特殊清掃業者は問い合わせから作業開始までが短期間ですむ傾向があります。

孤独死、災害現場など、至急対応を求められる特殊清掃業者では、年中無休、24時間問い合わせを受付けており、問い合わせから30分以内に見積もりの概算がわかり、1時間以内に作業内容を説明し、数日以内に作業を行うことができるといった業者があります。

以上、早期に原状回復したい場合は特殊清掃業者に相談してみてください。

5-2.原状回復費用をおさえたい

特殊清掃業者に相談することで原状回復費用をおさえられる場合があります。

特殊清掃業者では、孤独死現場、ペット物件など、通常より酷い汚れや臭いを清掃するために複数の独自技術を持っているため、よりリーズナブルな技術を選択して費用を安くできる可能性があるからです。

例えば、玄関の壁紙の臭いをとる場合、一般的な業者は玄関だけでなく、通路や隣接する部屋の壁紙まで張り替える場合があります。周囲に広がった臭いを取り除いたり、壁紙の色味を統一したりするためです。

一方特殊清掃業者では、部屋の臭いに関することであれば脱臭機など専用の機器を使うことで壁紙を張り替えなくても清掃できる場合があり、その分費用を安くおさえることができます。

できるだけ費用をおさえたい場合、一度特殊清掃業者に相談してみましょう。

6.特殊清掃業者に原状回復を依頼するならリスクベネフィットもおすすめ

特殊清掃業者をお探しの場合は「リスクベネフィット」へご相談ください。

リスクベネフィットは特殊清掃業の業界最大手です。

国内初の特殊清掃業者としてこれまで業界を先導し、ペット消臭、孤独死現場の特殊清掃、災害復旧など、清掃実績は8000件を超えます。北海道から沖縄まで全国に9支部を展開し、サービスを提供しています。

リスクベネフィットが提供するサービスには以下のような強みがあります。

リスクベネフィットが提供するサービスの2つの強み

  • 3つの特許技術による原状回復
  • 経験豊富なスタッフのスピーディな対応

もう少し詳しくご紹介していきましょう。

6-1.3つの特許技術による原状回復

リスクベネフィットはこれまで3つの特許、「フェロモン臭分解」「オゾン燻蒸」「特殊コーティング」を取得。これらの技術によって賃貸の原状回復を実現してきました。

それぞれ簡単に説明していきますね。

フェロモン臭分解
ペットのおしっこなどに含まれるフェロモン臭を分解します。アンモニア臭の除去や清掃だけでは完全消臭はできません。フェロモン臭を分解する独自の技術があってはじめて、完全消臭が可能です。

オゾン燻蒸
室内を無人にした状態でオゾンガスを発生させます。オゾンを利用して臭気の成分を分解していくことで、通常換気に2年かかる臭気を1~2日程度で分解し、除去することができます。

特殊コーティング
特殊なコーティングを使って床材などに強固な皮膜を作り、臭気の元になる物質を封じ込めます。

例えば、ペット、タバコ、カビ、生活臭を取り除く際、一般の業者では壁紙の全面的な張替えを行うことがありますが、弊社では、専用の機械を使うことで壁紙を張替えずに消臭し、その分早く、安価に作業を終えることができる場合があります。

6-2. 経験豊富なスタッフのスピーディな対応

リスクベネフィットは原状回復のご依頼に対して迅速に対応いたします。

弊社では、孤独死、水害、火災現場など、大規模かつ広範囲におよぶ原状回復を早急に行うことが求められる現場での豊富な経験から、スピーディに清掃作業を行うことができます。

また、年中無休24時間問い合わせを受付け、平均して30分以内に見積もりの概算をお伝えし、1時間以内に作業内容を説明しています。

特殊清掃ならリスクベネフィットへのお任せ下さい

リスクベネフィットでは全国どこでも孤独死の特殊清掃に対応いたします。
現在支部がない地域にお住まいでもリスクベネフィット本部または近隣支部が対応いたしますので、まずはお問い合わせ下さい。

7.まとめ

最後にこの記事の内容をまとめてみると、以下のとおりです。

ガイドラインによる原状回復費用の負担範囲



退去者負担になるケース家主負担になるケース
原因・居住者の責任によって生じたキズや汚れ
・故障や不具合を放置したことによって発生、拡大したキズや汚れ
・雨風・湿気・温度変化・日照などによる物件の傷み(経年変化)
・居住者が通常の生活を送る中で生じた物件の傷み(通常損耗)
具体例・ものを落下させて生じた床の凹み
・結露を放置したために拡大した壁のシミやカビ
・ペットが付けた柱や壁紙の傷や破れ
・喫煙によって付いた壁の黄ばみ、匂い
・日照による壁や床の変色
・壁に貼ったポスターや絵画の跡
・家具の設置による床の凹み

よくある賃貸契約書の特約

  • 退去時クリーニング費用、〇〇円を退去者負担とする
  • 畳の表替えの費用、〇〇円を退去者負担とする
  • クロスの張替費用、〇〇円を退去者負担とする
  • ペットを飼育した場合、消臭費用、〇〇円を退去者負担する

ただし、以下3つの条件すべてを満たしている場合のみ特約は有効になります。

  • 条件1.具体的な負担項目、金額が記載されている
  • 条件2.通常の原状回復義務以上の負担を負うことを認識している
  • 条件3.特約に同意し、署名している

【有効になる特約の記載例】

 有効な例無効な例
条件1.具体的な負担項目、金額が記載されている「ハウスクリーニングは借主負担とする。一律30,000円とする」「ハウスクリーニングは借主負担とする」(金額なし)
「経年劣化・通常損耗の補修費用は借主が負担する」(出費項目なし)
条件2.通常の原状回復義務以上の負担を負うことを認識している「通常退去者が負担すべき範囲」を具体的に示した上で「例外」として「ハウスクリーニングは借主負担とする。一律30,000円とする」などと記載する特約が、通常の負担範囲を超えた例外的な出費であることが読み取れない
条件3.特約に同意し、署名している特約が記載されたページ上に署名している特約が記載されていないページにサインしている

主な原状回復費用の相場

修繕内容修繕費の相場
壁や天井の穴補修1.5〜3万円/箇所
※小さな穴やひっかき傷は1.5万円、直径5センチ程度までの穴は3万円が相場です。こぶし大以上の大きな穴は5万円を超える場合もあります。
フローリングの汚れ除去12万円/箇所
壁紙の張替え10001500/㎡あたり
フローリングの張替え10001500/㎡あたり
カーペットの張替え3000/㎡あたり
畳の張替え6000/畳あたり
ハウスクリーニング1R・1K 15,000円~25,000円
1DK・2K 25,000円~35,000円
1LDK・2DK 50,000円~55,000円
3LDK・4DK 60,000円~65,000円
4LDK・5DK 65,000円〜

※費用は担当する会社や業者、損耗の度合いなどによって変わります。

場所別の費用相場、原状回復しなければならない状態の目安

【トイレ】

内容費用相場状態目安
壁紙の張り替え1㎡あたり8001,500・傷や汚れがある

トイレ設備の交換
設備本体の価格+20,000〜30,000円(施工費)・水漏れが多発するようになった
・レバーを回しても水が流れない。手洗器の水が止まらない

【バスルーム】

内容費用相場状態目安
ユニットバスの交換ローグレードであれば60~70万円
ミドルグレードであれば70~80万円
ハイグレードであれば100万円
・水漏れする
・水の勢いが弱い
・破損や傷がある
シャワーヘッド、ホースの修理、交換10,00030,000・水漏れする
・水の勢いが弱い
・破損や傷がある

【リビング】

内容費用相場状態目安
壁紙の張り替え1㎡あたり8001,500・傷がある
・壁紙のつなぎ目がめくれている
・汚れ、日焼けあとがある
・臭いがする
壁穴の補修 (壁の穴の周りを加工して板で蓋をし、塗料を塗る)15,00030,000/箇所
※小さな穴やひっかき傷は1.5万円、直径5センチ程度までの穴は3万円が相場
・穴が目立つ
カーペット張替え6畳なら10万円、 20畳なら30万~40万円
※カーペットの価格によって変わる
・染みや汚れ、臭い、傷が目立つ
床の張替え6畳なら918万円、 8畳なら1020万円
※材質よって変わる
・浮き、軋み、反り、伸び縮み、傷や凹み、ささくれ、変色がある
巾木張り替え (既存の巾木を剥がして新しいものを貼る)30,00050,000・ひび割れが目立つ
天井の塗装1㎡あたり1,000・汚れが目立つ
・塗装が剥がれている

【玄関】

内容費用相場状態目安
壁紙の張り替え1㎡あたり8001,500・傷がある
・壁紙のつなぎ目がめくれている
・汚れ、日焼けあとがある
・臭いがする
土間の床の張替え1㎡あたり5000円~15,000・目地に汚れやカビがある
・浮きやひび割れが見られる

【その他】

 費用の相場状況の目安
備え付け家具などの修理補修
(給湯器、換気扇、コンロ、エアコン、水回りの備品、電子レンジ等)
・給湯器は7,000円~17,000円
・換気扇は8,000円~30,000円
・エアコンは9,000円〜35,000円
※故障部位によって変わる
・破損している
・機能が損ねられている
網戸張替え1枚3,000~4,000円・網戸がゆがんでいる
・虫が入ってくる
・網の端が切れてネットが出ている
・穴が開いている、たるんでいる
・変色している
・動きが悪く、ガタガタする
・網戸が外れやすい

原状回復費用が高額になる3つのケース

  • 賃貸契約書の特約に金額の記載があり、署名している
  • 退去者が支払う必要のない費用を請求されている
  • 家主が指定している原状回復業者が高額

原状回復費用をおさえる方法

  • 家主に払う必要のない費用を相談する
  • 家主に相談して指定業者を変えてもらう

退去前に原状回復を特殊清掃業者に依頼したほうがいいケース

  • できるだけ早くすませたい
  • 原状回復費用をおさえたい

この記事がみなさんのお役に立ていることを祈っております。